高等学校レベルの教育プログラム

EDUCATION
教育ナビ!in New Zealand 教育のプロに聞くニュージーランドの今日事情をご紹介

ニュージーランドではNCEAのほか、国際的なプログラムも提供されています。どのような違いがあるのでしょうか。

今回は、ニュージーランドの高等学校で採用されている教育カリキュラムについてお話します。ニュージーランドで受けられる高等教育のプログラムは複数あり、ニュージーランドの高校教育認定資格であるNCEA(National Certificate of Educational Achievement)のほかに、AICが採用しているIB(In ternational Baccalaureate)や、英国発祥のケンブリッジ・プログラムがあります。最近は公立校でもNCEA以外のプログラムを採り入れる学校が増えており、対象年齢も広がっています。IBの小学校用プログラムであるPYP(Primary Year Program)を導入する学校もあり、過去10数年でNCEA以外を採用する学校が随分増えました。

万能選手か得意科目への集中か

各プログラムにはそれぞれ特徴があり、どれが優れていると判断するのは難しいのですが、あえて言うなら科目数の違いがあります。NCEAやケンブリッジは履修科目が少なくて済むケースがあり、得意科目がはっきりしている場合や、将来進みたい分野をきちんと決めている場合には向いているでしょう。

一方、IBはオールラウンダーを育てるという趣旨から、文系・理系を問わずバランスよく科目を取っていく必要があり、学校の授業以外にも一定時間以上の課外活動(スポーツや奉仕活動等)に従事することや時間の管理能力が求められます。NCEAやケンブリッジが楽と言うつもりは一切ありませんが、IBが比較的困難を伴うのは事実でしょう。その分生徒は成長すると私は考えます。

世界中の生徒と競い合える

IBやケンブリッジは世界で通用する資格であり、最終的な自分の成績が、世界中の受講生と比べてどの水準にあるのかすぐに分かります。筆者の世代にとっては、高校から自分の位置がはっきりわかるなど、ピンと来ないでしょうか。私は島根県立益田高等学校を卒業しましたが、履歴書に書けるのはそれだけ。でもIBやケンブリッジの最終成績は世界中どこでもずっと通用します。努力した証が自分の誇りとして形に残るのは素敵なことだと思いませんか?

Keishi Nakamura
Keishi Nakamura
中村 敬志

オークランド・インターナショナル・カレッジ(AIC)取締役。
AICはニュージーランド教育省認可の私立高校で、全生徒が世界のトップ大学への合格を目指す。

オークランド・インターナショナル・カレッジ(AIC)
【所】37 Heaphy St., Blockhouse Bay, Auckland
【Ph】09-921-4502(日本語直通)
【営】8:00~17:00【休】土・日曜
【Web】 www.aic.ac.nz



2019年2月号掲載