言語や文化が日本とはまったく違う環境で留学生が学ぶべきものとは。教育のプロ目線からの留学アドバイス
乗り越えるべき最初の壁とは
留学エージェントとして多くの学生さんとお話をすると、留学生がまずぶつかる壁とは〝言葉の壁〟ではなく、本当は〝コミュニケーション能力〟なのではないかと思うことがあります。英語力とコミュニケーション能力はまったく違うもので、海外ではそのコミュニケーション能力を重要視されることが多くあります。実際に英語力が低くても、相手に『何かを伝えよう』という明確な意思や努力があれば、不思議と相手には伝わるものです。また、そのような人は相手からも好感を持たれ、親密度が一気に上がります。
一方、最初から諦め気分で、分からない時は「I don’t know」を繰り返し、返答を回避する人もいます。その結果、話はそこで終わりコミュニケーションが終了してしまいます。
自分の意見を主張すること
日本では文化的に物事は何事も出来るだけ丸く収める、人前では文句を言わずに静かな方が良い、人と違うことは恥ずかしいなど、コミュニケーション能力を伸ばす教育とは対極の教育方法が行われてきたこともありますが、それに加え、最近は日本内部で起きていること、日本の文化や伝統、社会時事に対して非常に無関心で、それに対する自分の意見を持っていない人が多く見受けられます。
例えば、日本や世界情勢についての質問を受けたとき、自分の意見を持っていないのであれば、英語力の前に日本語でも話ができないということになります。コミュニケーション能力の高い人は、自分の中に幅広い知識と経験、確固たる意見を持ち、それを伝えることができる人です。
常日頃からいろいろな方面に興味を持ち、それについて自分の意見を持つ能力を身に付け、できるだけ自分の考えを発信できるように練習すると良いでしょう。そういった意味も踏まえ、日本以外の現地の生活や文化を体験し、色々な国の人の考えを吸収できる海外留学体験は、コミュニケーション能力を高める最高のチャンスだと思います。
皆さんも海外留学を生かし魅力あるグローバルコミュニケーターを目指してはいかがでしょうか？
Ben Tokunaga
徳永 勉ニュージーランド留学情報センター代表取締役社長。
短期留学から中学・高校、親子留学や専門学校まで、日本から訪れる留学生のサポートを幅広く行っている。
ニュージーランド留学情報センター
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2018年5月号掲載
