カウンセラーに聞く、子どもの心のケア 3

EDUCATION

2021年11月号掲載

教育ナビ!in New Zealand 教育のプロに聞くニュージーランドの今日事情をご紹介

子どもの話をきちんと聞き、手を差し伸べる。頼ることを躊躇させないように。

こんにちは! 中村です。今回も、AICの心理カウンセラーのメアリーさんにインタビューした内容について書きたいと思います。

生徒の話をきちんと聞くこと

当校では、基本的に担任の教師が必要と判断した場合に、メアリーさんとの個別のカウンセリングを受けるシステムになっています。最初のカウンセリングは、子どもは構えてしまいがちで、どちらかと言うとネガティブに感じてしまうのが普通だと言います。そりゃそうですよね。「私は大丈夫なの?」と変に生徒を心配させてしまうことは、やはり避けるべきだと思います。

メアリーさんが最初のカウンセリングで気を付けるのは、まずは「生徒の話を聞くこと」だそうです。「私はあなたに関心がありますよ」ということを認識させる。生徒にとっては、自分の頭と心のことを他人に話をするのは初めてのケースが多いですから、それなりに緊張を強いられているはずです。「あなたの話をきちんと聞いて導いてあげるよ」と思わせることが大事だそうです。

私も生徒によく話すのですが、人に頼ることを躊躇しないことが大切だと思います。相手が大人でも友だちでも、あと自分の親でもそうです。これは日本人特有のメンタリティーなのかもしれませんが、とにかく自分でなんとかしなければと思ってしまう傾向が強いように思います。たとえ人から助けられたとしても、いつかどこかで他の人を助けることができたら、それで「おあいこ」。困ったらまず騒ぐ。世界有数のお節介な国(?)NZでは、なおさら誰かが手を差し伸べてくれるはずです。時に「人に甘えること」は全く悪いことではないと思います。

三回にわたって、メアリーさんの考えや経験をお伝えしました。専門家としての長い経験値に裏打ちされた、とても興味深い話を伺うことができました。教育現場で仕事をしている立場に加え、親としても勉強になりました。親として子どものためにできること、しなければいけないことが明確にあり、彼ら彼女らを導く責任がある。メアリーさんが改めて大事なことを思い出させてくれたように思います。

Keishi Nakamura
Keishi Nakamura
中村 敬志

オークランド・インターナショナル・カレッジ(AIC)取締役。
AICはニュージーランド教育省認可の私立高校で、全生徒が世界のトップ大学への合格を目指す。

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