ニュージーランドの高校教育について

LEVEL1-3EDUCATION
教育ナビ!in New Zealand 教育のプロに聞くニュージーランドの今日事情をご紹介

日本とはまったく異なるニュージーランドの高校のシステム。今回はこの国の高校教育に注目しよう。

 ニュージーランドの高校は2月から始まる4学期制となっており、一般的にはYear9(中学2年生に相当)からYear13(高校3年生に相当)までの5年制が基本的な形です。日本と違って高校卒業という概念はなく、Year11から始まるNCEA(National Certificate of Educational Achievement)という全国統一の高校教育認定資格の中で、レベル1からレベル3までの単位を順次取得していきます。その最終的な取得単位が大学進学への合否に関わってきます。このNCEAの特徴は、何と言っても日本では考えられないほどの選択科目の幅広さと、レベル選択の自由さがあげられます。

興味のある分野を伸ばす教育

 サービス業や観光を学ぶホスピタリティーやツーリズムコース、映像関係を学ぶデジタルビジュアルデザインなど、専門性の高い科目もあり、自分の興味や進路に沿った勉強ができます。また、各科目はレベル1からレベル3まで毎年順に選択しますが、学力が高い場合はレベルの飛び級も可能ですし、逆に苦手科目は一つ下のレベルも選択可能です。学生に合ったフレキシブルな時間割り作成が可能な点は、日本の教育システムとは違う利点です。同じクラスで、同じ内容の勉強をするという日本の教育に合わなかった学生などにも、柔軟に対応できる教育システムとなっています。ほとんどの高校は留学生用のESOL英語クラスが常設されていますので、英語力が低くても入学可能な学校は多くあります。

日本の大学を受験するには

 日本人で現地の高校に留学している学生は、日本の大学を『帰国子女枠』の特別枠で受験する方が多いようです。大学によって試験内容は若干違いますが、ほとんどの場合は小論文と面接をメインに、現地高校の成績や英語力の証明なども提出します。NCEAの良い成績を求める大学もありますが、Year12、13の学生は、高校の勉強とは別に受験用の小論文の勉強も始めなくてはいけません。若い時期の高校留学は言語の習得はもちろん、多国籍な生徒や文化に触れ、グローバルな考えを習得できる絶好の機会となるでしょう。

Ben Tokunaga
Ben Tokunaga
徳永 勉

ニュージーランド留学情報センター代表取締役社長。
短期留学から中学・高校、親子留学や専門学校まで、日本から訪れる留学生のサポートを幅広く行っている。

ニュージーランド留学情報センター
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2018年4月号掲載