学生に人気の職業とは⁉

看護師EDUCATION
教育ナビ!in New Zealand 教育のプロに聞くニュージーランドの今日事情をご紹介

2022年7月号掲載

高校では将来の職業に備えて科目を選択するという前回に続き、最終回の今回は学生たちに人気の職業についてお話しします。

職業に就くタイミング

ニュージーランドの義務教育は16才までで、イヤー11終了後に学校を出て仕事に就く生徒もいます。イヤー11になるとCareer という科目が週1回程度で設定され、履歴書の書き方などを教えてくれる学校もあります。イヤー12で学校を終了して専門学校や職業学校に進学する生徒やイヤー13を修了して大学に進学する生徒もおり、進学に応じて就職するタイミングも異なってきます。たいていの学校には進学・就職についての相談窓口があります。

人気の職業* は、①警察②看護師③心理学者④緊急医療従事者⑤会計士⑥電気屋⑦中高校教師⑧建築士⑨保育士⑩不動産屋です。給料の高い職業は、ITマネージャー、建築現場マネージャー、IT設計士、マーケティングマネージャー、物流マネージャー、船長、眼科医、鉱山マネージャーと続きますが、これは近年のコロナ禍の影響もあるようです。

職種によって求められる学位

警察官になるには、オンラインテストや身体テストなどを受けてポリスカレッジに入学し16週間のトレーニングが必要です。准看護師になるには看護学校でレベル5のディプロマが、正看護師になるにはレベル7以上のバチュラーコースを受講し看護師協会の試験に合格することが必要です。心理学者や心理セラピストは需要が高い割に従事者が少ないので就職のチャンスが高い職業です。学士以上を修了し、心理学協会認定の施設で1500時間以上の訓練を積むことが必要です。いずれも母国語が英語でない外国人にとっては非常にハードルが高い職業ですが、移民国家ならではのニーズもあるでしょう。建築関係はコロナ禍で転職する人が増えたためか、最近は建築現場に女性の姿を見かけることが多くなりました。ニュージーランドは空前の不動産ブームですから、建築業界ではキャリアアップのチャンスも大いにあると思われます。キャリアアップのためには新卒で就職した会社には少なくとも3年は勤務するべきと考える学生もいるようですが、ニュージーランドではOE(Overseas Experience)といって海外で経験を積むことも奨励されています。

実りある将来設計に向けて、楽しく学べる学生生活が送れるよう皆さんの健闘を祈っています。

* 政府運営の職業サイトで検索数の多かった順

Junko Kobayashi
Junko Kobayashi
小林 純子

近鉄インターナショナルエクスプレスの留学担当マネージャー。ニュージーランドの現地情報を日本へ発信している。
オセアニア在住歴約25年。
【問い合わせ先】kieakl@kintetsu.com.au