10年後を見据えた“お金との向き合い方”
「え、こんなに高かったっけ?」
スーパーで牛乳や卵、少しの野菜を買っただけなのに、会計はあっという間に100ドル近く。ガソリン価格も気づけばリッター3ドル台が当たり前になり、「ニュージーランドって、こんなに生活費が高かった?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
さらに、日本円からNZドルへ両替して生活している人にとっては、円安も大きな負担です。日本にいた頃には想像もしなかったスピードで、「お金の価値」が変化している時代になっています。
こうした背景にあるのが「インフレ」です。ニュージーランドは石油やガソリン、食品など海外からの輸入に依存する部分も多く、国際情勢や輸送コストの影響を受けやすい国です。特にガソリン価格の上昇は物流コストを押し上げ、それがスーパーに並ぶ食品や日用品の価格へと反映されます。いわゆる「コストプッシュ・インフレ」と呼ばれる現象です。
また、日本人にとって見逃せないのが為替の変化です。円安が進むと、日本円で持っている資産のNZでの購買力は下がります。同じ10万円でも、以前より交換できるNZドルが少なくなり、「生活コストがさらに上がった」と感じやすくなるのです。
こうした環境の中で、意外と見落とされがちなのが「現金だけで持つリスク」です。銀行に預けていても、物価上昇率が預金金利を上回れば、お金の実質的な価値は少しずつ目減りしていきます。
特にニュージーランドは、日本と比べてインフレ率が高い傾向があります。日本的な「貯金第一」の感覚のままでいると、気づかないうちに資産価値が下がってしまう可能性もあります。
インフレ・為替を味方につける投資戦略
では、どのように投資を考えればよいのでしょうか。ポイントは「資産を分散し、インフレに強い資産を持つ」ことです。
1.外貨資産(NZドル、米ドル、豪ドルなど)での運用
日本円だけで資産を持つリスクを考えたことはありますか?ニュージーランドで暮らす私たちにとって、NZドルや米ドル、豪ドルなどで資産を運用することは、為替リスクから自分を守る大切な盾になります。ニュージーランドの銀行の定期預金(Term Deposit)は日本より高金利ですが、それ以上に株式やETF(上場投資信託)など、経済成長の恩恵を受けやすい資産に目を向けることも一案です。
2.インフレに強い資産を持つ
一般的に、株式や不動産はインフレ局面で価値が上昇しやすいと言われています。企業の利益が増えれば株価は上がり、物価が上がれば家賃や不動産価格も連動することが多いためです。
3.少額からの積み立て
ニュージーランドには「Sharesies」や「Kernel」といった、数ドルから投資を始められるプラットフォームが整っています。一度に大金を投じるのではなく、日々の生活費をやりくりしながら、ガソリン代を1回分節約するような感覚でコツコツと積み立てる。これが、時間を味方につける最も確実な方法です。
おわりに―将来の自分を守るために
インフレや円安を止めることはできません。しかし、その変化にどう向き合うかは自分で選ぶことができます。「投資は怖いもの」と遠ざけるのではなく、物価上昇から生活を守るための備えとして考えてみる。そんな視点が、これからのNZ生活ではますます大切になっていきそうです。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品や投資を推奨するものではありません。投資に関する最終判断は、ご自身の責任において行ってください。


池口健一郎
Bancorpグループは、ニュージーランドのオークランドを拠点とした1986年創業の投資銀行グループです。コーポレートファイナンス、トレジャリー、アセットマネジメントやプライベートバンキングなど国内外の企業や投資家のニーズに寄り添った最適なファイナンシャルサービスを展開しております。お客様との長期的な関係を構築できるよう誠実で実践的なアドバイスを提供いたします。
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