ニュージーランドのメインの就労ビザが5年に延長。労働基準をおさらい

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今回は就労ビザの延長に併せて、雇用主・働き手どちらも知っておくべきニュージーランドの労働基準についてご紹介します。

就労ビザの延長:結局何年滞在できる?

2023年11月27日より、これまで3年だったAccredited Employer Work Visa (AEWV) の期間が5年に延長されました。(時給中央値以上で就労している場合)

AEWVはニュージーランドのメインの就労ビザであり、ビザ保持者はAccredited Employer (認定企業) の元でのみ就労が可能です。ビザの期間の延長に併せて、最大滞在期間制度も導入されました。これはAEWVでニュージーランドに滞在できる「合計期間」のことです。合計期間に達すると、次のAEWVを申請する前に一定期間ニュージーランド国外へ出る必要があります。

例えば上記でご紹介した、「時給中央値以上でのAEWV」はビザ期間・最大滞在期間ともに5年です。つまり一度の申請で5年の就労ビザが申請できると同時に、5年満了したら一度NZ国外へ出てください、ということになります。

ただし、レジデントビザ申請の職歴条件を満たすために5年を超えて滞在したい、などといった場合はさらに延長できる場合もあります。

時給中央値以下の場合は?

特定の職種では、時給中央値以下でもAEWVを申請できます。ヘルスケア業界(介護職・看護助手など)ではこれまで2年だったAEWVが3年に延長されました。時給レベル(レベル3・4)により、合計期間が3〜5年と異なります。

同様に、ホスピタリティ・運送・建設業界も、職業と時給要件により2〜3年のAEWVが申請できます。例えば、時給中央値以下でも運送職では3年、ホスピタリティ・建設業界では2年のAEWVを申請できます。

現在すでにAEWVを持っている場合は?

時給中央値以上の場合、現在のAEWVが失効するのを待たず、残りの2年分のAEWVを申請できます。ヘルスケア業界でAEWVを保持している場合、残りの1年分を申請できます。

雇用主側は、残り期間の延長申請をサポートするために、新しくジョブチェックをする必要はありません。同じ職業・同じ場所で、現在の給与と同じまたはそれ以上であることが条件です。

ニュージーランドの労働基準

AEWV申請には雇用契約書が必要です。契約書では給与・労働時間・休暇・雇用に関わる問題にどう対処するかなどの詳細が取り決められます。最低限の雇用に係る権利は法で決まっており、万が一雇用契約書に含まれていない場合も守られる必要があります。

ニュージーランドの休暇制度

ニュージーランドでは同じ雇用主の元で1年続けて働くと、4週間の年次有給休暇を取ることができます。1年の雇用を完了する前に退職する場合、年次有給休暇手当(ホリデーペイと呼ばれることもあります)は一番遅い場合で最後の給与と一緒に支払われます。

祝日は休みでも給与が支払われます。祝日勤務した場合は通常の1.5倍以上の給与が支払われ、代休がある可能性もあります。加えて、6ヶ月働いた後は年ごとに10日の有給病欠の資格があります。

AEWV申請に係る雇用契約書から「トライアル期間」が廃止?

2023年10月下旬より、AEWV申請に関わる雇用契約書に「90日間のトライアル期間」を定めることが禁止されました。これは外国人労働者に対する不当解雇が問題になっていることが背景にあります。

かと言って、雇用主には従業員のスキルを確かめる機会が与えられないのでしょうか?

最近の選挙で新しくメインの政党になった国民党が、トライアル期間を復活させることも視野に入れている中、雇用主は「試用期間 (Probation Period)」を定めることを考慮することができます。

この二つは似ていますが、異なる条件と影響があります。大きな違いの内のひとつは、「試用期間」では従業員が不当解雇について個人的な苦情を提起できることです。


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移民アドバイザー Yuki Yamashita
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