ハートランド銀行がTSBを6.2億ドルで買収
ハートランド銀行(Heartland Bank)の親会社ハートランド・グループ(Heartland Group)は、TSB銀行の親会社であるトイ・ファンデーション(Toi Foundation)からTSBの全株式を6億2,000万ドルで取得し、両行を合併させる条件付き契約に合意した。買収額の6億2,000万ドルはTSBの帳簿価格の76%に相当する。新銀行名は「TSBハートランド銀行(TSB Heartland Bank)」となり、地方市場において大手銀行に対抗できる規模の地方重視型銀行の誕生を目指す。ハートランドの専門的な金融商品と、TSBの低コストな資金調達力や日常的な銀行サービスを組み合わせることで、より価値の高い選択肢を顧客に提供する。規模の拡大により、財務の回復力やコスト効率が向上し、長期的な格付けの引き上げも期待されている。合併手続きは2026年末までに完了する予定で、その後3年間でコスト削減などの相乗効果を見込む。
ACT党、高すぎる学校制服の価格引き下げを公約へ
ACT党は、生活費高騰への対策として、あまりに高額な公立学校制服の価格を引き下げる政策を次の選挙公約に掲げると発表した。同党は、学校の誇りや一体感のため制服自体は否定しないものの、1セット1,000ドル以上もかかる現状を異常だと指摘。指定の単一業者からの購入義務付けが高価格の原因となっていることを踏まえ、公立学校が指定するブランド付きのロゴ入り必須アイテムを最大3点までに制限する案を提示した。靴下などのベーシックな衣類はThe WarehouseやKmartといった量販店で市販されている安価なノーブランド品で代用できるようになり、1子あたり年間250ドルの節約に繋がると試算している。連立政権を組む国民党(National)やNZファースト党からも賛同を得られると見ており、すでに同様の制限を導入している英国や豪ビクトリア州の事例をモデルに、選択肢の拡大による負担軽減を目指す。
政府は形骸化した152の古い法律を撤廃方針
政府は、現在も形式的に残っている「時代遅れで形骸化した」152の法律を撤廃する方針を発表した。法制史上最大規模の整理統合になる可能性がある。現在有効な法律の約半数は1840〜1960年代に可決されたもので、中には現代の実態に合わない奇妙な規制も残っている。例えば、1919年制定の「ウェリントン牛乳供給法(Wellington Milk-Supply Act)」は市内での脱脂粉乳の販売を事実上違法としており、2021年には法的矛盾からカウンシルが危うく裁判に巻き込まれそうになった。また、1879年の炭鉱事故の遺族支援に関する1892年の古い法律(Kaitangata Relief Fund Transfer Act)なども撤廃対象となっている。この「大掃除」は段階的に進められ、7月31日まで市民意見公募を実施。その後、正式な法案として国会で審議される。なお、廃止された法律も歴史的記録としてウェブサイト上に永久に保存される。
世論調査:オポチュニティ党支持率が急上昇
最新の1News Verian世論調査によると、労働党(Labour)の支持率は32%で首位を維持、国民党(National)は29%だった。今選挙が行われた場合、労働党、グリーン党(Green)、マオリ(Te Pāti Māori)からなる左派ブロックが計64議席を獲得し、国民党、NZファースト、ACTの右派連立ブロックの計60議席を上回って政権を奪還する計算となる。また、新興のオポチュニティ党(The Opportunity Party)が、議会入りに必要な5%に迫る4.6%の支持率を記録。小選挙区比例代表併用制導入以降、既存政党からの離脱組ではない完全な新興政党が国会入りした例はなく、達成すれば初の快挙となる。党首のキウレイ・ウォン(Qiulae Wong)氏は、同党が「NZファースト党に代わる新たなキングメーカー」を目指すと宣言。主要政党間の合意形成を促す安定した中道政党として機能し、政権交代ごとの政策のブレによる生産性の低下を防ぐと主張している。
社会
NZの獣医師団体が仮想フェンス技術の監視強化を要請
獣医師動物福祉団体「Veterinarians for Animal Welfare Aotearoa(VAWA)」は、家畜を管理する「仮想フェンス(virtual fencing)」技術に関する世界初の倫理行動規範を発表した。この技術は、GPS首輪と電気刺激を用いて物理的な柵なしで家畜を囲い込むもので、世界中で数十万頭の動物に使用されている。しかしVAWAは動物福祉に関する規制が不十分と判断、この技術に関する監視を強化する規範を策定した。主な提言として、業界全体の基準やガイドラインを定める「仮想フェンス製造業者協会(VFMA)」の設立を求めている。また、電気刺激の作動頻度や技術的詳細の一般公開など、開発企業への透明性の向上も要求している。策定に関わった専門家は、適切に導入されれば牛の行動理解などのメリットがあるとしつつも、群れの力学や長期的な動物福祉への影響についてはさらなる研究が必要だと指摘している。
ティマル女子高校合唱団の熱演がネットで大バズり
Timaru Girls’ High Schoolの合唱団「Te Reo o ngā Kōhine」が、国内最大の高校合唱フェスティバル「The Big Sing」のオタゴ地域大会で披露した圧倒的なパフォーマンスが、インターネット上で大きな話題を呼んでいる。今年結成されたばかりの同合唱団は、英国のシンガーソングライター、パリス・パロマ(Paris Paloma)の楽曲『Labour』を熱唱。ジェンダー不平等や女性の感情的負担をテーマにした同曲に、学校の伝統舞踊ハカを組み合わせた力強いステージを披露すると、会場のダニーデン市庁舎は総立ちのスタンディングオベーションに包まれた。大会での公式受賞こそなかったものの、他校の生徒がTikTokに投稿した動画が瞬く間に拡散され、数十万回の再生を記録。さらに、原曲者であるパリス・パロマ本人が動画に「いいね!」やコメントを残し自身のSNSでシェアしたことで、世界中から称賛の声が殺到した。
介護施設における虐待の救済制度を拡大
政府が精神保健施設における虐待救済制度の対象を拡大することを発表した。これに伴い、年間40〜80件の新規申請が追加されるとの試算が出ている。これまで救済制度は1993年6月以前の歴史的ケースに限定されていたが、今年3月に1993年7月以降の現代のケースも対象に含める方針が発表された。しかし、現行予算にこの追加分の財源は組み込まれておらず、既存の救済関連予算の再配分が必要となる。政府高官らは「十分な予算や処理能力が確保できなければ、申請者の大きな不満に繋がる」と警鐘を鳴らしている。また、1993年以降の比較的新しいケースは、加害者が現役の職員である可能性が高く、適正手続きへの配慮や詳細な調査が必要となるため、過去の事例よりも行政側の業務負担が増大する。法改正はまだ実施されていないが、保健省は対象となる被害者からの関心表明の受付を開始している。
オークランドの渋滞料金議論でカウンシルが紛糾
オークランドカウンシルの委員会で、高速道路への「渋滞料金」導入案を巡る議論が行われたが、議員間の激しい内紛により紛糾した。市長のウェイン・ブラウン(Wayne Brown)氏が「愚行」と吐き捨てるなど、泥沼の展開となった。料金は5ドル前後を想定しているが、多くの議員から低所得層やマオリ家庭への影響、障害者への配慮を懸念する声が噴出。議論は細部に拘泥して迷走し、政府へ提出する10項目の提言のうち5項目しか可決できなかった。低所得層への影響調査や年次見直しの提案は否決され、トラック料金の4倍設定に対しても、物流業界から「最終的に消費者に転嫁される事実上の貨物税だ」と強い反発が出ている。オークランドの渋滞による損失は年間26億ドルと試算され、市民も渋滞を問題視しているものの、今回の料金導入案には「不公平で生活を圧迫する」との懸念が根強く残っている。
生活
最も信頼されるブランド:トヨタが3年連続で選出
「カンター企業評判指数(Kantar Corporate Reputation Index)」が発表され、トヨタが3年連続でニュージーランド国内で最も社会的評判の高いブランドに選ばれた。同指数は大手企業50社を対象に、信頼性、リーダーシップ、公平性、社会的責任の4項目を調査するもので、今年で12年目を迎える。トヨタは総合スコア112を獲得。2位には10年連続でスーパーPak’nSaveが、3位には保険会社AA Insuranceが続いた。これまで常にトップ3入りしていたAir New Zealandは5位へと後退した。カンター社の担当者は、経済不安が続く現在、消費者は信頼でき、価値を提供してくれる企業を評価していると分析。トヨタNZのタツヤ・イシカワCEOは「信頼は時間をかけて築くもの。この快挙は店舗やスタッフ、顧客のおかげだ」と感謝を述べた。その他トップ20には、大手銀行や保健会社、キーウィフルーツのZespriなどがランクインした。
NZの「パーキーナナ」が世界で注目のスナックに
海外旅行先で現地のスーパーマーケットを巡り、珍しい商品をSNSで紹介する「グローサリー・ツーリズム」というトレンドが人気を集めている。旅行保険会社InsureandGoが発表した調査によると、ニュージーランドを代表するチョコレート菓子「パーキーナナ(Perky Nana)」が、世界で最も検索されているスナックの第9位にランクインした。同調査はTikTokやYouTubeなどで約500商品を分析したもの。パーキーナナは昨年比で検索数が43%増加しており、旅行者にとってニュージーランドの象徴的なお土産として注目されていることがわかる。専門家は、近年の旅行者が「よりリアルな現地の生活体験」を求めてスーパーを訪れるようになっていると指摘しており、現地在住者にとっては日常的なチョコレートも、海外の旅行者にとっては希少価値の高い「特別なスナック」として、熱心に買い求められているようだ。
フィリピンの伝統食材「ウベ」、NZのカフェやSNSで大ブームに
ニュージーランド国内のカフェで、フィリピン原産の紫ヤム芋「ウベ(Ube)」を使ったアイスクリームやケーキ、ラテなどの飲料が爆発的な人気を集めている。バニラとサツマイモを合わせたような甘くナッツに似た風味と、鮮やかな紫色の見た目がSNSで話題となり、ガソリンスタンド大手の「Z」がウベコーヒーを発売するまでに至った。国内のフィリピン系住民は10万人を超え、最も急速に成長しているアジア系コミュニティの一つ。フィリピン系の住人は「ウベは単なる一時的な流行ではなく、私たちの幼少期のノスタルジーが詰まった大切な主食」と語り、ニュージーランドの人々に本物のフィリピンの味を知ってもらえることに誇りを感じている。一方で、ウベの人気上昇に伴い、タロイモとの混同や、SNS映えを狙った人工着色料の使用も見られ、文化への理解や本物志向への課題も浮き彫りになっている。
初のミシュランガイドNZ版が発表
ミシュラン初のニュージーランド版が発表され、全110の掲載店が明らかになった。最高位となる二つ星には、クイーンズタウンの「Essence」が選ばれ、国内唯一の栄誉に輝いた。一つ星には、サモアの伝統料理を現代的に解釈したとして高い評価を得た「Tala」をはじめ、「Amisfield」「Mudbrick」「Paris Butter」「Kika」「Sherwood」「Tussock Hill」など計14店が選出された。また、35店が「ビブグルマン(Bib Gourmand)」、60店が「セレクテッドレストラン(selected restaurant)」に格付けされている。今回のガイド発行は、ニュージーランド政府観光局が昨年11月にミシュラン側と結んだ3年間で630万ドルのパートナーシップ契約に基づくもので、オークランド、ウェリントン、クライストチャーチ、クイーンズタウンの4都市が対象となった。この巨額の国家予算投入に対しては国内で賛否両論を呼んだ。
芸能・スポーツ
ジェイソン・モモア、オークランドのポンソンビーで目撃される
ハリウッド俳優のジェイソン・モモア(Jason Momoa)が、オークランドのポンソンビーに現れ、集まった多くのファンを沸かせた。モモアは、自身が賞金稼ぎロボ(Lobo)役で出演する新作映画『Supergirl』の宣伝壁画にサインを書き入れる姿が目撃されている。壁画は地元アーティストのマット・グリフィン(Matt Griffin)により制作されたもの。ニュージーランドを「第二の故郷」と慕うモモアは、現在国内で撮影中の大ヒット映画の続編『A Minecraft Movie Squared』(2027年7月公開予定)に出演しており、先月も共演者のジャック・ブラック(Jack Black)が国内で目撃され話題となった。モモアは近年、クイーンズタウンの人気バー「The Bunker」の株主となり、DJブースに立つ姿が目撃されたり、ポリネシア系主導の作品育成や現地の雇用創出に尽力するなど、ニュージーランドとの関わりを深めている。
タイカ・ワイティティ監督の新作映画『クララとお日さま』、2026年10月公開へ
ニュージーランド出身のアカデミー賞受賞監督タイカ・ワイティティ(Taika Waititi)が、2年近く前にニュージーランドで撮影された新作映画『Klara and the Sun(邦題:クララとお日さま)』の初公開映像を披露した。本作はノーベル賞作家カズオ・イシグロによる2021年のベストセラー小説の映画化で、2024年初頭にワナカとオークランドで撮影された。劇場公開は今年10月を予定している。物語の舞台は、遺伝子工学の進歩により人類が厳格な階級に分断され、子供たちがロボットを相棒とする近未来。型落ち寸前のロボット「人工フレンド」であるクララが、病弱な少女ジョージーに選ばれ、友情を育む姿を描く。ワイティティ監督は今年、スーパーボウル向けのCMや、映画『ジュラシック・パーク』を再構築したCMなどを多数監督しており、同じくニュージーランド出身のサム・ニール(Sam Neill)とも共演・協働している。
スーパーラグビー:ハリケーンズが10年ぶり2度目の王者へ
オーストラリア、フィジー、ニュージーランド、太平洋諸島のチームが参加する男子プロラグビー大会「スーパーラグビー・パシフィック(Super Rugby Pacific)」の決勝がウェリントンで行われ、ハリケーンズ(Hurricanes)がチーフス(Chiefs)を60-5という圧倒的なスコアで破り、10年ぶり2度目のタイトルを獲得した。今季のハリケーンズはシーズンを通じて圧倒的な強さを誇り、プレーオフでも他を寄せ付けない強さを見せた。決勝ではウェリントン特有の強風が吹くコンディションの中、パスを繋ぐアタッキングラグビーを展開。前半だけで4トライを奪い、29-0とチーフスを突き放した。一方、敗れたチーフスはスタンドオフのダミアン・マッケンジーが強風に苦しみミスを連発。試合終了間際に1トライを返して完封こそ免れたものの、これで4連続の決勝敗退となり、13年間タイトルから遠ざかる悔しい結果となった。
サッカーW杯:NZ代表決勝トーナメント進出ならず
北米3ヵ国の16都市で共同開催されているFIFAワールドカップで、ニュージーランド代表オール・ホワイツはオセアニア予選を突破し、4大会ぶり3回目の出場を決めていたが、グループリーグで敗退した。グループGでイラン、エジプト、ベルギーといずれも格上との対戦。イラン戦は2-2で引き分けたが、エジプト戦は1-3で敗北、ベルギー戦では世界ランク9位の強豪を相手に1-5で大敗し、初勝利を挙げることはできなかった。キャプテンのクリス・ウッド(Chris Wood)は、敗北に打ちひしがれつつも、「世界舞台で戦えることは証明できた。今後は高いレベルで90分間戦い抜く力が必要だ」とチームの成長に胸を張った。現在の代表チームは若い有望な選手が多いとし、4年後に向けて強い自信を示した。3ゴールを挙げる大活躍を見せたイライジャ・ジャスト(Elijah Just)はNZ男子のW杯通算得点記録に名を連ねる快挙を達成した。
