ニュージーランドニュース「新型カメラで摘発拡大」ほか

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2022年10月号掲載

三水道改革に反対多数

統一地方選に立候補した各地の首長候補の大半は、政府が進めている水道三事業改革を支持してないことがわかった。この調査は、NZオンエアが助成する公益ジャーナリズム「ローカル・デモクラシー・リポーティング」が、全国291人の首長候補者に質問状を送信し、202人(69%)から回答を得たもの。
気候変動対策や固定資産税の値上げなどの質問に比べ、水道三事業改革には75%が最善策ではないと回答し、際立った傾向をみせた。特に南島では、58人の首長候補者のうち、賛成は2人に過ぎなかった。水道三事業改革は、財政力にばらつきのある67地方の水道事業体を4つの広域事業体に統合再編し、マオリとの共同管理にするもの。選挙の結果が注目される。

女王国葬から国連総会へ

アーダーン首相は、先月19日英国で行われた故エリザベス女王Ⅱ世の国葬に参列した後、米国に飛んで国連総会に出席した。ニュージーランドの元首でもあった女王は、70年の治世の間に10回来訪され、計46都市を訪れた。9月26日にはニュージーランドでの女王追悼式典が行われ臨時休日となった。国連でアーダーン首相は、モスク銃撃事件を契機に提唱された「クライストチャーチ・コール」の協力者であるフランスのマクロン大統領らと会談し、過激主義がSNSによって拡散することへの規制の必要性や気候変動対策の重要性について再確認した。国連総会では、日本の岸田首相らが機能不全となっている国連安全保障理事会の改革に着手する必要性を力説した。

新型カメラで摘発拡大

オークランドの公道で試験運用されている新型カメラは、3ヵ月の間に10万件を越える交通違反を撮影した。「セーフティカメラ」と名づけられたこのカメラは、ドライバーの携帯電話使用やシートベルト未装着を認識できる。運輸局によれば、2台のカメラを3ヵ所に設置したところ、9万6000件の携帯電話使用と8000件のシートベルト未装着を確認したという。交通量から計算するとドライバーの1.3%が運転中に携帯を使用をし、前席に乗車する人の0.3%がシートベルトをしていない。
このカメラで撮影された交通違反を訴追するには法改正が必要なため今は訴追されないが、本格的に導入されると検挙件数は現行のスピードカメラの3倍になると予想されている。

記録的に暑い夏の予感

気象研究所(NIWA)は、この夏は記録的な高気温になる可能性があると発表した。これは周辺海域の表面温度が平年より高いためで、その結果気温も上昇するという。地域によって干ばつや水不足が生じたり、熱帯低気圧が通りやすくなることで大雨や洪水が発生する可能性が高まるという。NIWAの気象学者のメイヤーズ博士は、この時期に海水表面温度が平年より1.3度高いのは異例のことで、それが地球温暖化の影響なのか、それとも独立した気象現象なのかは、即断しかねると説明した。ニュージーランドの7月の降水量は観測史上最大を記録し、各地で洪水の被害が生じた。昨年も洪水が頻発しており、100年に一度レベルの極端な気候現象が増えている。

Text:Kazzy Matsuzaki