ニュージーランドニュース「女子ラグビー世界杯優勝」ほか

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2022年12月号掲載

COP欠席APEC出席

アーダーン首相は、先月中旬にエジプトで開催された国連気候変動枠組条約第27回締結国会議(COP27)への参加を見送り、同時期に開催された東アジアサミット︵EAS)とアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議に出席した。COP27へはショー環境大臣が出席した。この欠席についてアーダーン首相は「わが国が気候変動について真剣に取り組んでいるのは周知の事実で、私の欠席は影響しない」と述べた。COP27では途上国への支援基金の創設が決議されたが、政府はすでにサモアに対して1500万ドルの気候変動支援を発表している。タイのバンコクで開催されたAPECでは、コロナ後の経済回復と持続可能な成長について議論がなされ共同声明が発表された。

選挙年齢引き下げを判示

最高裁判所は先月、投票年齢を16歳に引き下げることを是認する判断をした。投票年齢を16歳に引き下げることを求めて提訴していたのは「メイク・イット16」という若者団体で、16歳は働いて税金を払うこともできるし、車の運転や銃砲も扱え、性的同意も認められるなど成人と同様にできることが多い。それなのに、投票ができないのは権利章典の矛盾であり年齢による差別で不当だと主張した。同団体は2年前に高裁に提訴したが却下され、控訴院でも棄却されたが最高裁で判断が覆った。政府は投票年齢を引き下げる法改正に前向きだが、国会で75%以上の賛成を得るか国民投票で過半数の賛成を得ることが必要であり、来年の選挙には間に合わない見込みだ。

どうする若年犯罪の処遇

オークランドをはじめ大都市では、10代の若者が盗難車などで商店に突入し物品を奪う犯罪が頻発している。事業主にとっては商品の損失だけでなく損壊された店舗の修理にも時間と費用を要するためダメージが大きい。オークランドでは今年5〜9月までの間に1036件の容疑で10代の若者142人が逮捕された。犯行を重ねるグループが存在する。今年6月末までの1年間に審判に付された10〜17歳の少年犯は1300人。その内訳はマオリ63%、白人26%、パシフィカ7%、アジア人1%で、マオリの比率が突出する一方、アジア人は極めて少ない。国民党は累犯少年の教化矯正のために軍隊式カリキュラムを義務付ける提案をしたが、その有効性については賛否がある。

女子ラグビー世界杯優勝

先月オークランドで開催されたラグビーワールドカップ2021女子大会決勝戦で、ブラックファーンズは世界ランキング1位のイングランド女子代表に34対31で競り勝った。同大会はコロナ禍のため1年延期されていた。チケット完売となりイーデンパークを埋めた4万余りの大観衆は、試合前にブラックファーンズが演じたハカに息をのみ、ホーム優勝に大歓声を上げた。政府はこの優勝を祝うイベントを今月13日(火)に議事堂前広場でウェリントン市とラグビーNZと協力して行うと発表した。アーダーン首相は、ブラックファーンズの偉業を讃えると共に、来年7月から8月にかけて豪州と共同開催することになっているFIFA女子ワールドカップへの期待を表明した。

Text:Kazzy Matsuzaki