海外のプログラムで伸びる生徒とは

EDUCATION
教育ナビ!in New Zealand 教育のプロに聞くニュージーランドの今日事情をご紹介

留学先で日本のように勉強を頑張っても果たして通用するのでしょうか?日本人の生徒の傾向とは。

AICのようなインターナショナル・スクールに勤めていると、さまざまな国籍の生徒の特色が見えて興味深いものです。個人的な思い込みに過ぎないかもしれませんが(笑)。今回は、日本人の生徒と、ニュージーランドのような海外で伸びる生徒の傾向をお話ししたいと思います。

IBは〝目立ってナンボ〞⁉

海外のプログラムで大事なのは、いかに自分をうまく見せるかではないかと思います。お化粧上手、とでもいいましょうか プレゼン能力やディベート力などですね。一般的に日本人はこれが苦手です。「グイグイ行くヤツ」と見られるのが嫌なのだと思います。〝目立ってナンボ〞の価値 にはなかなかついていけないですよね。日本ではそのようなトレーニングを受けていませんから、いきなり要求されても困惑するかもしれませんが、欧米系の教育システムでは、この能力は非常に強く求められる分野です。とは言うものの、この能力は海外で教育を受けることによってある程度は育つと思います。

性格でいうとどうでしょうか?当校の生徒を見る限り、日本人の生徒は〝真面目〞だと感じます。ただ、時に真面目過ぎて袋小路にハマってしまうことがありますね。〝いい加減〞でも大丈夫と言っている訳ではありませんが、特にニュージーランドはゆるーい空気感の国でもあるので、少し楽観的な性格の方が良いかもしれません。とはいえ日本人らしい心配りやきめ細やかさは友達や先生に評価されるはずですし、社会に出てからも大いに役に立つはずです。ぜひとも、失わないで欲しいですね。

この国育ちでもやっぱり日本人

当校の生徒には、ニュージーランドで育った『キーウィ日本人』の生徒もいます。私が見た限りですが、性格的な面は、日本からの留学生と大きくは違わないと思います。真面目ですし、指示したことはきちんと期限までにできます。子どもの人格形成において、家庭生活の占める役割は非常に大きいですから、やはり、親御さんがきちんと日本人としての美学を教育しておられるのではないかと思います。私も子供の親として、きちんとしなければと思っています。

Keishi Nakamura
Keishi Nakamura
中村 敬志

オークランド・インターナショナル・カレッジ(AIC)取締役。
AICはニュージーランド教育省認可の私立高校で、全生徒が世界のトップ大学への合格を目指す。

オークランド・インターナショナル・カレッジ(AIC)
【所】37 Heaphy St., Blockhouse Bay, Auckland
【Ph】09-921-4502(日本語直通)
【営】8:00~17:00【休】土・日曜
【Web】 www.aic.ac.nz



2019年5月号掲載