その家、誰の?うっかり同棲要注意

プロが教える!ニュージーランド不動産 LIFESTYLE

ニュージーランドでは法的に結婚していなくても、3年一緒に住んだカップルは、デファクト(de facto)と言って婚姻関係にあるカップルとほぼ同様の扱いを受けることになる。これは男女間だけでなく、男性同士・女性同士のカップルでも同様。年齢的には18歳以上からが対象になるが、16歳、17歳の場合も家庭裁判所が認めればデファクト関係は成立する。

つまりこれは、結婚していなくても、同棲して3年経った後、別れることになった場合、財産の半分を元パートナーに持って行かれるリスクがあるということだ。もちろん、相手の財産の半分が自分の物になると考えることもできなくはない。

こういう時、夫婦同様に生活していたのだから当然だと、大抵持っていない方が主張するものだが、果たして本当にそうだろうか?どちらか一方だけがデポジット(頭金)を支払い、モーゲージを返し、更には生活費から家事の一切をも負担していたとしたら?

何も出さず何もして来ず、ただ家に転がり込んで来ただけの元パートナーが、3年一緒に暮らしていたという理由だけで財産の半分を自分の物だと主張できてしまう、別れの原因がどちらにあるかなど全く関係なく、財産を折半せよというのが、この国の法律なのである。故に、付き合い始めた頃には想像もつかなかった様な悲劇が起こることもあり得るのだ。

だが、この惨劇を回避できる方法はある。それがアセットプロテクションだ。アセットプロテクションとは、将来的に起こりえる別居・離婚・債権者リスク等に備えて、法的に資産の持ち方を設計するということ。これをしておかないと、例え独身時に買った家でも、3年一緒に住んだだけの同棲相手に半分の権利を持って行かれる可能性がある。故に不動産の場合は、関係財産契約(relationship property agreement) を作成しておくことが推奨されている。

同棲を決めた初期段階で、別れを想定して誰が何を所有しているかリスト化しているカップルも多いと聞く。例え今独り身でも不動産の様な大きな買い物をしようとしているのなら要注意。将来のパートナーとのトラブルを避ける為にも、専門家に相談し、しっかりアセットプロテクションしておくことをお勧めしたい。

※デファクト(de facto)
法律上の結婚をしていなくても、夫婦同様の共同生活を送っている関係のこと。 ニュージーランドでは一定期間以上の同居や生活実態などが認められると、財産分与などにおいて婚姻関係にある夫婦とほぼ同様の扱いを受ける場合がある。

※モーゲージ(Mortgage)
住宅購入のために金融機関から借りる住宅ローンのこと。一般的に購入者は頭金(デポジット)を支払い、残額についてモーゲージを組んで長期間にわたり返済していく。

※デポジット(Deposit)
住宅購入時に購入者が自己資金として支払う頭金。

※アセットプロテクション(Asset Protection)
将来の別居・離婚・事業上の債務・訴訟などのリスクに備え、資産を守るための法的な対策の総称。不動産や預金などの資産について、契約書や信託(トラスト)などを活用して所有権や権利関係を明確にしておくことを指す。

※関係財産契約(Relationship Property Agreement)
夫婦やデファクト関係にあるカップルが、将来の財産分与について事前に取り決めておく契約。別居や離婚の際のトラブル防止を目的として作成される。

Hiroko Jenny
イェニー浩子

1994年よりオークランド在住。ツアーガイド、クレジットカード会社、ブランド店勤務を経て不動産業界12年目。YouTubeでは不動産だけではないNZ情報発信中。

ブログ:https://ameblo.jp/harcourts-auckland/
YouTube:https://www.youtube.com/@hirokojenny7464

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