ミシュラン日本人シェフ・桑木野恵子が「Wellington on a Plate」にやってくる!

ミシュラン日本人シェフ・桑木野恵子が「Wellington on a Plate」にやってくる! GOURMET

ハンギがつないだ日本とニュージーランド

マオリの伝統的な蒸し焼き料理「ハンギ(Hāngī)」

日本のミシュラン1つ星レストラン「早苗饗(SANABURI)」の総料理長、桑木野恵子氏は、高校時代に交換留学生としてニュージーランドで過ごした際に体験したマオリの伝統的な蒸し焼き料理「ハンギ(Hāngī)」を今でも覚えている。そしてその時のニュージーランド滞在が現在の自分を形作ったと考えている。

「滞在中にハンギをごちそうになる機会がありました。森の香り、土の温もり、そして私たちを迎えるために長い時間をかけて料理を準備してくださった方々の温かさを、今でも鮮明に覚えています。」

当時、桑木野氏は自分が料理人になるとは思っていなかった。しかしシェフとして活躍する現在、マオリのもてなしの精神は、彼女の仕事に響き続けているという。桑木野氏の料理は、山菜や季節の植物、土地と自然に深く結びついた「里山料理」を基盤としている。

「私は縄文遺跡が数多く残る新潟の山間部で料理をしています。この地域でも地下の穴を使って調理していた痕跡があり、時折その古代技法を再現することがあります。そのたびに、ニュージーランドでの体験を思い出すのです。」

「異なる歴史や文化、民族であっても、食や自然、共同体を理解する方法には共通点があることを感じます。食文化がどのように発展し、人類が歴史を通じて土地から学んできたのかを考えさせられます。」

桑木野恵子さん

日本とニュージーランドの食文化が出会う一夜

著名なマオリ料理シェフ、ジョー・マクロード(Joe McLeod)氏

この8月、桑木野氏は高校時代の留学以来初めてニュージーランドを訪れ、南半球で最も大胆なフードフェスティバル「Wellington On a Plate」に参加する。

タッグを組むのは、著名なマオリ料理シェフ、ジョー・マクロード(Joe McLeod)氏。マクロード氏は、先住民食材やマオリの知識体系、そして食を通じた文化継承を推進する活動で知られている。

太平洋の両端から来た2人のシェフが、マオリの都市型集会所「ピピテア・マラエ(Pipitea Marae)」で夢の共演を果たし、日本とマオリの食文化のつながりを祝って、オールインクルーシブの6コースディナーを一夜限りでお届けする。

桑木野氏とマクロード氏は、食材や採集の知識を次世代へ伝えること、そして食を通じて土地とつながることの重要性について共通した哲学を持っている。

食を通じて築く文化の架け橋

このイベントは、ウェリントン地方に伝統的な拠点を持つマオリの部族「テ・アティ・アワ(Te Āti Awa)」と、伝統的なマオリの食文化の次世代継承プロジェクト「エ・カイ・マオリ(E Kai Māori)」の協同企画で、ニュージーランド政府のイベント振興助成金を受けて実現した。

テ・アティ・アワの クラ・モエアフ(Kura Moeahu)氏は、このイベントは単に二人のシェフを引き合わせる以上の意味を持つと語る。

「食は、私たちが何者であるかを伝える最も力強い方法の一つです。そこには物語、土地とのつながり、価値観、そして世代を超えて受け継がれてきた知識が込められています。」

「この先住民料理交流のために、桑木野恵子シェフをピピテア・マラエに迎えられることを光栄に思います。マオリと日本は世界の異なる場所に由来する文化ですが、人々や環境、そして食が共同体を結びつける役割に対する深い敬意を共有しています。」

「このイベントは、食を通じて真の関係を築き、先住民の卓越性を称え、参加者が一皿一皿の背景にある物語や伝統、価値観への理解を深めて帰る機会となるでしょう。」

桑木野恵子シェフ

Wellington On a Plate のフェスティバルディレクター、ベス・ブラッシュ(Beth Brash)氏は、英語教師として日本で1年間暮らした経験から、このイベントには特別な意味があると語る。

「日本での経験を通じて、日本文化と、食が人々を土地・歴史・共同体と結びつける役割への深い理解を得ました。若い交換留学生としてマオリのもてなしを体験した人が、数十年後に日本を代表するシェフの一人として戻ってくるというのは、実に感慨深い巡り合わせです。」

「また、それは今年のテーマ『口コミ(Word of Mouth)』を美しく体現しています。食文化は、物語を通じ、人を通じ、そして私たちが持ち続ける経験を通じて受け継がれていくのです。」

終わらない交流を願って

長い年月を経てニュージーランドに戻るにあたり、桑木野氏は、この経験が一夜限りで終わらないことを願っている。

「何よりも、皆さんのお話を聞き、学ぶことを楽しみにしています。これほど長い年月を経てニュージーランドに戻ることは、とても特別なことです。若い頃、この国は私に深い印象を残しました。そして人生のまったく異なる段階で再び訪れる機会をいただけたことに感謝しています。」

「この経験が単なるディナーではなく、私たちのコミュニティの間に長期的な関係と文化交流を築く始まりになることを願っています。」

イベント情報
Keiko Kuwakino + Joe McLeod
【所】Pipitea Marae (55-59 Thorndon Quay, Pipitea, Wellington)
【時】8月29日(土)6pm ~ 10:30pm
【料】350ドル
【Web】https://visawoap.com/venue/pipitea-marae/7106

ディナープログラム「Keiko Kuwakino + Joe McLeod」の母体となるイベント「Wellington On a Plate」は、2026年8月いっぱい開催。今年は100以上のイベントと、地域全体で240種類以上のバーガーが登場する予定だ。詳細はこちらから。チケットはオンライン販売中。

Keiko Kuwakino + Joe McLeod
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