日本では、多くの人が家は一生に一度の買い物だと考えている。一度家を買うと引っ越せなくなるから賃貸の方が身軽だというのが、賃貸推奨派の大きな理由の1つになっているくらいだ。けれどニュージーランドの場合、家は生活様式の変化、家族の増減、子供の学区の為等、住み替え買い替えは日常茶飯事で、2024年時点の調査で住宅が一度売れてから次に売り出されるまでの平均的な期間はオークランドが最短の5年3カ月、カンタベリーで5年5カ月、一番長いタラナキでも6年5カ月という調査結果だった。つまりサイズや用途が今の自分(達)に合わなくなったら次の家を買う為に持ち家を売るという行為は、非常に一般的なことと言える。
買い替えの場合、問題になるのが売るのが先か買うのが先かということ。一般的には先に売った方が良いとされている。もちろん、先に売って、引渡し日までに気に入った家が見つからなかったらどうしようという問題はある。けれど、そんな場合でも気に入った家が見つかるまで家を賃貸することもできるし、少なくとも次の家を買う為の資金は手元に残るわけだ。しかし、先に買ってしまうと、焦るあまり必要以上に安価で持ち家を手放すことになりかねない。 よく広告に“ Vendors have Bought”(売手は買ってしまった)と記載されているのはその為。つまり売手は絶対に売らざるを得ない状況に追い込まれているから、安く買えるチャンスかもしれないよと謳っているわけだ。

経済的状況が許すのであれば、2軒目以降の家を買う時に持ち家を売らずに自己資本(Equity)を利用すると言う手もある。つまり、現在の持ち家を担保に入れて次の不動産を購入するという方法だ。持ち家があってもローンが残っている場合、その家の市場価値から返済残額を引いた数値が自分のEquityとなる。つまり家の市場価値が100万ドルで、ローンの残額が40万ドルであった場合、Equityは60万ドル。このEquityを使うことで手元に現金がなくても次のホームローンを組める可能性があるわけだ。実際に持ち家を売らずにローンが組めるか否かは、個人の資質・返済能力によるので、興味がある方はぜひ金融機関やモーゲージブローカー※1への相談をお勧めしたい。
※1 モーゲージブローカー
複数の金融機関の住宅ローンを比較し、利用者に合った商品を紹介してくれる仲介業者のこと。


Hiroko Jenny
イェニー浩子1994年よりオークランド在住。ツアーガイド、クレジットカード会社、ブランド店勤務を経て不動産業界12年目。YouTubeでは不動産だけではないNZ情報発信中。
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