カウンシルとニュージーランド警察が覚書に署名
6月13日、カウンシルとニュージーランド警察(NZ Police)は、オークランドの安全確保に向けた協力関係を強化するための覚書(Memorandum of Understanding、以下MOU)を締結した。MOUには、相互の善意と協力に基づく関係の構築と共通の目標達成のための協働が明記されている。これにより、両機関は今後も継続的かつ協調的に連携し、市民や訪問者の安心・安全を守る体制をさらに強固にすることができる。両者は近年の犯罪減少は連携の成果だとし、長年の実績ある関係を正式に文書化できたことを歓迎した。今後は特に市中心部での治安対策や脆弱な立場にある市民の支援に力を入れると強調。近年多発するラムレイドや強盗といった犯罪には、単一組織では対応しきれないとし、両者の協力強化が不可欠であるとしている。今後の治安維持と地域の発展に向けた重要な一歩となる。MOUは5年以内に見直す予定。

オークランド全域の水質改善を支援
カウンシルは、地域水路保護基金(Regional Waterway Protection Fund、以下RWPF)および農村地域水確保支援基金(Making Space for Rural Water Fund)の助成申請を6月16日から7月27日まで受け付けている。両基金は、淡水の水質改善や生物多様性の回復に取り組む農村地の土地所有者に対し、最大80万ドルの助成金を提供するもの。RWPFは今年で10年目を迎え、水質改善と水生生態系の保護を目指している。助成は50/50のパートナーシップ方式で、カウンシルが資金と技術支援を、土地所有者が現金または労働力を提供する。対象地域にはパパクラ・ストリーム、マタカナ川、アーフィツ集水域、グレート・バリア島が含まれ、魚道整備や家畜用水源の代替確保なども支援対象となる。プロジェクトは、環境効果、実現可能性、地域の関与、マオリの価値観との整合性などを基準に評価される。申し込みはこちらから。

オークランド地方選挙立候補受付開始
2025年10月のオークランド地方選挙に向け、7月4日から立候補の受付が始まる。市長1名、地域評議員、ローカルボードメンバーなど計171名のポジションが対象だが、6月現在、立候補を公表している人はわずかだ。立候補者が少ない地域は当選しやすく、候補者が1人だけの場合は無投票当選となることもある。立候補者がいない場合、2026年3月に補欠選挙が行われることになるが、補欠選挙には多額の費用がかかるため、今回の選挙により多くの市民が参加することが望まれている。選挙に立候補することは地域に貢献する大きな機会で、地域への情熱があれば挑戦する価値がある。2022年の地方選挙では、466人が立候補し、そのうち23人が市長選に、65人が区議会議員選に、378人が地方議会議員選に立候補した。住民でなくても、地域の有権者2人の推薦があれば立候補可能。詳細は「Vote Auckland」のウェブサイトで確認を。

カウンシルとプレデターフリー・ウェリントンが地方自治体優秀賞受賞
カウンシルと「プレデター・フリー・ウェリントン(Predator Free Wellington、以下PFW)」は、地方自治体の優れた取り組みを表彰する「ローカルガバメント・エクセレンス・アワード(LGFA Taituarā)」において、環境リーダーシップ部門(Environmental Leadership)の最優秀賞および最高賞(Supreme Award)を受賞した。PFWはネズミやオコジョ類の駆除を進めるプロジェクトで、地域住民・ボランティア・自治体の協働により、生物多様性の保全に大きな成果を上げている。また、ボランティアの力で荒地を自然豊かなレクリエーションエリアに変えた「Mākara Peak Mountain Bike Park」と、カウンシルの意思決定過程を市民にわかりやすく公開するデジタルシステム「TrackDem」の2つのプロジェクトでもノミネートされた。これらの取り組みは、住民参加と透明性、そして自然保護における市の先進性を示している。

自転車プロジェクトでウェリントンの排出量削減に貢献
市の「気候・持続可能性基金(Climate and Sustainability Fund)」の支援を受けた「Switched on Bikes」と「EkeRua ReBicycle」は、自転車の活用支援と、多様な層への低炭素移動手段の提供を行っている。「Switched on Bikes」は、子ども向けの長期無料貸出制度や、週16ドルでの電動自転車リース、企業向けの試用制度を実施。また、障がい者向けに電動三輪リカンベント自転車も導入し、自立的な通勤手段を提供している。「EkeRua ReBicycle」は廃棄予定の自転車を修理・再利用し、社会福祉団体から紹介された人々に無償または低価格で提供する。修理や整備はボランティアが行い、ライトやヘルメットなども支給される。また、地域向けの整備講座も開催しており、すでに100人以上が受講している。交通部門が市の温室効果ガス排出の56.2%を占める中、こうした草の根の取り組みが環境改善と地域の自立を支えている。

ウェリントン初の完全バリアフリートイレがオープン
ニュージーランドには約2万人、適切なトイレ設備がないために外出できない人がいる。重度障がい者の娘を持つジェン・フーパー(Jenn Hooper)氏は、この問題に直面し、2017年に「Changing Places NZ」を設立。外出先でも介護が安全・衛生的に行える特別なトイレを全国に設置する活動を続けている。通常のバリアフリートイレとは異なり、Changing Placesのトイレには介助者が両側から補助できる調整式トイレ、シャワー兼用の大型チェンジベッド、天井リフト、調整式洗面台などを完備。現在北島に10カ所設置され、アクセスには生涯会員登録(150ドル〜)が必要。このトイレが最近ウェリントンの中心部にも設置され、フーパー氏の娘チャーリー(Charley)も滞在が可能に。各施設にはチャーリーの写真が飾られ、彼女の存在が活動の原点であることを示している。市も今後さらにアクセシビリティ向上を目指している。

バス停、道路、市庁舎別館のアップグレード
市では現在、いくつかのインフラのアップグレードが行われている。新しいバス停のシェルターは、政府の「気候非常事態対応基金(Climate Emergency Response Fund)」を活用し、市東部の利用頻度が高い60のバス停に設置される。対象は主に学校ルート周辺のバス停で、1日2,000人以上の乗客が恩恵を受ける見込み。点字ブロックやベンチの設置、バス停の新設や移設など利便性向上も図られており、9月末までに終了予定だ。一方、ブロムリー地区では、主に学校周辺の安全向上のため6月23日から地区の道路改修を開始。速度抑制や歩行者の安全強化を目的とし、スピードバンプや標識、横断歩道の舗装改良などを約2~3週間かけて実施する予定でいる。また、市庁舎別館は耐震補強工事を実施する。市庁舎本館は新耐震基準100%だが、別館の床接続部は40%で、大地震時に急激な破損の可能性があるという。この工事は最大6カ月を予定している。

愛犬の登録7月末まで
犬の飼い主に対し、迷子犬の早期発見と返還のため、犬の登録を忘れずに行うよう呼びかけが行われている。登録通知は6月末に発送され、登録料の支払い期限は7月末だ。通知はメールまたは郵送で届き、支払いには通知に記載された顧客番号と支払参照番号が必要となる。支払いはオンラインまたは市の窓口で行うことができる。通知を受け取った際、自身および犬の登録情報に間違いがないか確認してほしい。登録情報の更新はオンラインでも可能だ。特に、1年以内に住所変更をした人は注意が必要だという。登録料は、市によるマイクロチップの無償提供や教育プログラム、犬の保護施設、公園、犬の監視業務などに使われる。毎年早期登録を続けると「責任ある飼い主」と認定され、登録料が割引される制度もある。9月1日までに登録しないと延滞料が発生し、登録を怠ると300ドルの罰金が科される可能性がある。

地域アルコール方針策定の最終段階
カウンシルは現在、地域におけるアルコール販売・供給に関する地域住民の意見を検討している。これは地域アルコール方針(Local Alcohol Policy、以下LAP)策定の最終段階となる。今年4月、カウンシルはLAP草案を公開し、アルコール関連の害に対処するための主要な提案を示した。提案は(1)すべてのオフライセンス小売店のアルコール販売時間を毎日午後9時までとする、(2)貧困度の高い地域で新規オフライセンスの凍結する、(3)新規ボトルショップの依存症治療・リハビリ施設、小中学校付近への設置を制限する、の3つ。市に提出された415件の意見書からは、アルコールへのアクセスが容易であることや、弱い立場の人々に不均衡な影響を与えることへの市民の懸念が示されている。カウンシルはあらゆる視点を考慮し、2025年10月の地方選挙までにクライストチャーチのニーズに合った方針を決定するとしている。

情報提供:Auckland City Council / Christchurch City Council / Wellington City Council