ニュージーランドの保険制度 車両保険編

ニュージーランドの保険制度:車両保険編 IMMIGRATION

夏を迎え、本格的な行楽シーズンがスタートしたニュージーランド。
車で出かける機会も増える楽しい季節である反面、多くの人々がホリデーを取るため、事故が増える傾向がある。

それでなくともニュージーランドの交通事故率は日本の約3倍と高め。
万一の事故に備え、この国の保険制度(車両保険、ACC)について知っておこう。

「人を守るか」「物を守るか」

ニュージーランドの保険は基本的に「人を守るか」「物を守るか」に分けられている。
事故でケガをした際に「人を守る」のがACC(Accident Compensation Corporation)。 ACCは、ニュージーランド国内で起きた事故に伴うケガの治療費や補償金をカバーする政府機関のこと。事故の原因や過失の有無に関わらず補償を受けられる「No-fault cover」が採用されていることが特徴だ。居住者はもちろん、旅行者の事故にも対応するが、車両の破損といった対物は補償されない。

そして、事故や災害などで車がダメージを受けた際に補償が受けられるのが車両保険(Car Insurance)。こちらは「物を守る」ための保険で、対人補償は含まれていない。

車両保険の基礎知識

保険のプランは3種類

ami、AA、STATE、TOWERなど保険会社によって補償内容は異なるが、大きく分けて以下の3種類のプランがある。

● Comprehensive(総合保険)
自分の車、他人の車と財産、盗難、災害によるダメージなど幅広く補償するフルカバー保険。

● Third Party, Fire & Theft(第三者、火災&盗難)
他人の車と財産、自分の車の火災と盗難を補償。事故によって自分の車が損害を受けた場合は、対象外。

● Third Party(第三者)
他人の車や財産のみをカバーする最もベーシックなプラン。自分の車の損害は基本的に対象外。

<補償内容の一例(amiの場合)>
ComprehensiveThird Party,
Fire & Theft
Third Party
Theft of your car
自車の盗難
◯◯✕
Accidental damage to windscreens and windows
ガラス補償
◯✕✕
Accidental loss or damage to your car
自車の損失・損傷
◯✕✕
Fire damage to your car
自車の火災
◯
◯
✕
Accidental damage caused by flood or storm
洪水・嵐による自車の損傷
◯✕✕
Vandalism of your car
自車への破壊行為
◯✕✕
Guarantee on repairs by our preferred repairers for covered claims
指定修理業者による修理の保証
◯◯◯
Damage caused by uninsured drivers of another vehicle
無保険車両との事故による損害
◯最高5000ドルまで最高5000ドルまで
Damaging someone else’s car
or property (up to $20million)
他人の車と財産への損害(最高2000万ドルまで)
◯◯◯
Injuries you cause when using your car (up to $1million)
自車使用中に自身が起こした傷害(最高100万ドルまで)
◯◯◯
New car replacement (If your car is written off, we’ll replace some newer cars with a brand new car)
新車と交換(車両全損の場合)
◯✕✕
Transport home if your car is stolen or damaged
車が盗難または損傷した際の自宅までの交通手配
◯盗難の場合のみ✕
Replacement keys and locks
鍵の交換
◯✕✕
Children’s car seats
チャイルドシート
◯◯✕
Towing
レッカー費用
◯◯✕

プラン選びのチェックポイント

フルカバーのComprehensiveは心強いが、その分保険料は高くなる。車の年式や車種、走行距離、ドライバーの年齢などによっても保険料が変わるので数社から見積もりを取り、比較検討するのがおすすめだ。その際、免責金額(Excess)や特約もチェックすること。頻繁に車を使う人なら、修理中に代車の用意が可能かも確認したい。

 「ガラス補償」の項目も要確認。ニュージーランドは砂利道が多く、飛び石でフロントガラスにヒビが入ったり割れたりするのでカバーされていると安心だ。プランに含まれていなくてもオプションで付けられる場合もある。

主要保険会社の特徴を知ろう

車両保険を扱う主な保険会社をピックアップ。それぞれの特徴を知って保険選びの参考にしてほしい。

ami
  • 約100年の歴史を持つ信頼度の高い大手
  • 公式サイトやアプリで手続きができる
  • 窓口でも相談しやすい
  • Comprehensiveプランに無料のロードサービスが含まれている
  • Third Partyでもロードサービスや免責なしのガラス補償の
  • オプションが付けられる
AA
  • 日本のJAFに相当する機関 Automobile Associationの保険会社
  • AA会員は保険料が割り引きされる
  • ロードサービスの対応が迅速
  • オンラインで手続きできる
  • 年中無休/24時間のサポートが受けられる
  • Agreed Valueが選べる(Comprehensive、Third Party、Fire & Theftのみ)
  • オートバイやクラシックカー向けプランあり
  • Third Partyの場合は免責なしのガラス補償オプション不可
  • 補償内容がわかりやすく、初心者向き
  • 公式サイトやアプリで手続きができる
  • 1年間$39で年中無休/24時間のロードサービスが可能
  • 電気自動車(EV)向けプランあり
  • Third Partyでも免責なしのガラス補償のオプションが付けられる
  • 自然災害に関する補償内容が充実
  • オンラインで手続きできる
  • 車両補償額をMerket ValueとAgreed Valueから選べる(Comprehensiveのみ)
  • 年中無休/24時間のロードサービスがオプションで可能
  • 電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリット車向けプランあり
  • Third Partyの場合は免責なしのガラス補償オプション不可

保険会社選びのチェックポイント

保険料や補償内容をチェックし、自分の車やライフスタイルに合うかを考えよう。保険料は年間で支払った方が月払いや週払いよりも10~15%割安になることが多いのであわせて確認を。また、事故を起こすると更新時に保険料が上がる可能性が高い。保険会社のプランやサービスは随時変わるので毎年見直して比較検討するとよい。

25歳未満は保険料や免責金額が高くなる

ニュージーランドでは若年層(25歳未満)の交通事故率が高い。そのため、25歳未満のドライバーが車両保険に加入する際の保険料や免責金額は、25歳以上よりも高く設定されている。若年層の車両保険料は性別でも異なり、男性のほうが女性よりも高い。

また、25歳未満では加入そのものが不可な保険会社もあるので注意が必要。保護者と車を共有する予定なら、保護者の既存の保険に若年層ドライバーを追加することができる。その場合、保険料や免責額が変わるのでチェックを忘れずに。

車両保険の用語解説
● Market Value/Agreed Value
Merket Valueとは事故時点での中古車市場における同クラスの車両の取引価格、Agreed Valueとは保険契約時に同意した固定額を差す。Merket Valueの補償額は年数や車の状態によって変動し、想定より低くなることもあるが、保険料は概ね安くなる。Agreed Valueの場合、補償額に変動はないが、保険料が割高になることも。
● Excess
自己負担する必要のある免責金額。保険金を請求した際、保険会社からは損害額から免責金額を差し引いた額が支払われる。特約で免責なしにすることもできる。免責金額が高いほど保険料は下がり、低いほど上がるのが一般的。

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