ビーツ Beetroot
秋から冬にかけて旬を迎えるビーツは、ニュージーランドでは3月から8月頃に多く出回ります。気温が下がると甘みが増す根菜として、寒い季節の滋養強壮にもぴったりです。
色鮮やかな赤紫色の根は「食べる宝石」とも呼ばれ、その美しさと栄養価の高さが魅力です。鉄分・葉酸・抗酸化成分が豊富なビーツは、根だけでなく葉にも高い栄養価があり、ヨーロッパでは古くから薬草として利用されてきました。
街のカフェではビートルートバーガーやディップが人気メニューとして親しまれ、家庭ではローストに添える副菜としても定番です。
自然が与えてくれる色と滋養を「内なる彩り」として、この冬の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
長期保存や冷凍保存ができる
ビーツは長期保存が可能な野菜です。丸ごとのままなら新聞紙やペーパータオルで包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で1か月間程度保存することができます。使いかけのビーツは冷凍保存に。使いやすい大きさに切ってから生のまま冷凍用保存袋に入れて冷凍しておくと、凍ったままスープなどに入れて調理することができ便利です。
ビーツをおいしく効率よく摂るためのポイント
寒い日に食べたい、栄養満点の煮込み「ボルシチ」
ビーツに根菜、肉類、トマトやレモン汁などの酸味、そしてサワークリームの発酵の力が合わさって、冬にぴったりの理想的な一皿が出来上がります。煮込みは翌日・翌々日に再度火を入れることで味がしみ込み、味に深みが生まれ美味しさが増すので、多めに作って数日かけて楽しむのもおすすめです。
お好みのパンをカリッとトーストして添えたり、赤ワインと一緒にサーブすれば、心も体も満たされる冬のディナーになります。

材料(5~6人分)
牛肉シチュー用(Beef Chuck Stewing steak):400g
ストック(または水+コンソメキューブ):800ml
あれば赤ワイン:50ml
ベイリーフ:2枚
ガーリック:2~3個
にんじん:1本(150g)
セロリ又はタマネギ:100~150g
ジャガイモ:1~2個(300g)
キャベツ:300g
チックピー缶:一缶
トマトペースト:大さじ1 (トマト缶 ½ 缶、又はトマト1~2個でも代用可)
塩:小さじ1
醤油(又はウスターソース):小さじ1~2
ビーツ:1個(300g~350g)
レモン汁:少々
サワークリーム:適宜
ディル・パセリなどの生ハーブ

作り方
❶ 一口大に切った牛肉を、オイル(大さじ1)を入れた厚手の鍋で強火で焼く。表面に焦げ目がついたらストック(又は水)を入れ、沸騰したらあくを取り除き、赤ワインとベイリーフを入れ弱火で40分ほど煮込む。水を使用した場合はここでコンソメキューブを入れる。
❷ 野菜は適当な大きさに切り、フライパンにオイル少量を入れ、ガーリック、にんじん、セロリ(又はタマネギ)、ジャガイモ、キャベツを順に炒めては煮込んだ①の鍋に追加していく。
❸ チックピー(缶詰)とトマトペーストを追加し材料全てが柔らかくなるまで煮込む。
❹ 皮を剥いて細切り(または細長くすりおろした)ビーツを加え5分~6分煮て、塩、黒こしょう、醤油、ウスターソース、レモン汁少々で味を整える。
❺ 器によそい、サワークリームとディルやパセリを散らす。


佐々木由美さん
料理家ワナカでローカル向けの和食料理教室を毎月開催して今年で14年目。地元だけでなく北島・南島からの参加者もいる教室は今やワナカのアクティビティの1つに。ニュージーランドの旬を取り入れ、日本の文化や風習とともに紹介する季節のレシピを軸に、遊び心ある融合スタイルも提案。ベジタリアン・オプションやグルテン・フリーにも対応。
【Email】japanese.cuisine.wanaka@gmail.com
【FB】Japanese cuisine cooking class @wanaka
【IG】yumi.matcha.wanaka 創作和菓子とお茶 / wa.table.wanaka 季節の料理