日本酒の魅力を広げるペアリング体験

日本酒の魅力を広げるペアリング体験 GOURMET

ジェトロ(日本貿易振興機構)主催 業界向けセミナーレポート
レストラン・バー・酒販店など、提供側のスタッフを対象に実施。
日本酒の販売拡大に向け、現場スタッフの知識と提案力向上を目的に実施された。

日本酒の楽しみ方は、料理との組み合わせによって大きく広がる。
今回、ジェトロ主催で開催された日本酒セミナーは、レストランやバー、酒販関係者など飲食業界向けに実施された。

ニュージーランドでは日本酒への関心が高まる一方で、提供側である飲食スタッフの知識や提案力に差があることが課題とされている。本セミナーは、そうした現場の理解を深め、日本酒の提供機会や販売の拡大につなげることを目的としている。

講師: 酒サムライ※の称号を持つシモーヌ・メイナード(Simone Maynard)氏。

セミナーは2日間にわたり開催され、1日目はカジュアルな業態の「NOMIYA」、2日目は本格的なレストラン「COCORO」にて実施された。異なるスタイルの店舗で行うことで、日本酒の多様な提供方法を体感できる構成となっていた。また、日本酒の基礎知識に加え、味わいの捉え方やペアリングの考え方について体系的な解説が行われた。

1日目のNOMIYAでは、唐揚げやたこ焼き、豆腐、エビチリなど、親しみやすい料理と日本酒を組み合わせたカジュアルなペアリングが紹介され、日本酒が幅広いジャンルの料理と相性の良い柔軟な飲料であることが示された。

NOMIYAでのカジュアルなペアリング
(日本酒:右から)鶏皮ポン酢/唐揚げ・たこ焼き/豆腐/スパイシーエビチリ

一方、2日目のCOCOROでは、ホタテに柚子やいくらを合わせた前菜から、鴨の燻製、デザートに至るまで、日本酒の特性に合わせて繊細に設計されたコース仕立てのペアリングが提供された。

COCOROでのコース仕立てのペアリング
久保田 千寿 吟醸 × ホタテのソテー(柚子・いくら)
獺祭 純米大吟醸45 × 唐揚げ(マヌカハニーソース)
賀茂鶴 純米吟醸 一滴入魂 × 鴨の燻製
松竹梅にごり純米 × 天ぷら
澪スパークリング日本酒 × いちごとホワイトチョコのチーズケーキ

この対比により、日本酒はカジュアルな食事から本格的なコース料理まで幅広く対応できること、そして提供する側の理解や提案力によって、その魅力の伝わり方が大きく変わることが明確に示された。

セミナーでは、味の強さを合わせる、あるいはコントラストをつけるといった考え方が共有され、日本酒は和食に限らず、肉料理やチーズ、デザートとも相性が良いことが伝えられた。日本酒は、料理とともに楽しむことで、その魅力が一層引き出される。

今回の取り組みは、現場で提供するプロフェッショナルの視点から、日本酒の新たな可能性を示す機会となった。

ジェトロ(日本貿易振興機構):日本企業の海外展開支援や、日本酒など日本産品の海外プロモーション・輸出支援を行う公的機関
酒サムライ:日本酒造青年協議会が任命する称号。海外で日本酒文化の普及に貢献した人物に与えられる。

COCORO:日本酒の種類ごとにグラスや提供温度が工夫されており、その楽しみ方はまるでワインのようだと感じられた。

NOMIYA:料理の好みと日本酒の好みがリンクするような話題も見られた。スパイシーなエビチリが好きな人は、この5本の中では辛丹波を好むなど、参加者同士の会話は大いに盛り上がりを見せていた。(編集長談)

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