幼児期の食のヒント② 食べない子への対応 

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食生活のヒント さまざまな食文化を楽しめるニュージーランド。ヘルシーに違いを楽しむコツをご紹介。

2〜4歳ごろのイヤイヤ期。頭ごなしに叱らずに食べてもらうためにはどうすれば良いのでしょうか。

楽しい雰囲気づくりが大切

幼児期の子どもは、周囲の人が美味しそうに食事をしていると素直に興味を持ちますが、思うように食べてくれないことも増えてきます。

チャイルドケアセンターでも、2歳未満のグループはみんな毎食ほぼ完食してくれますが、2歳〜3歳未満のグループでは、誰かが「やあだ〜食べたくない!」と言い出すと、数人は影響されて食べなくなってしまいます。しかしその時に先生が「う〜ん、国子が作るごはんはおいしいね!」などと女優さながらにグルメレポートを始めると、あら不思議。お友達に影響されていた子どもが食ベ出すこともあるんです。日本に住んでいたら照れるような表現方法ですが、ここはニュージーランド。「何で食べないの!食べなきゃダメでしょう!」と叱る代わりに使える女優技をぜひお試しください。

子どもにかける言葉にも気を付けてみてください。誰かが「これ苦手」とか「好きじゃないのよね」などと言うと、その食べ物はおいしくないという先入観が子どもの中に根付きやすく。一緒に食事を取る大人は、苦手な食べ物があっても笑顔で!子どもは大好きなあなたをよく見ています。また、「Aちゃんはこれ嫌いだから食べないのね、好きじゃないのね」という言葉も、私ってこの食べ物が嫌いなんだー!食べなくていいんだ!という思い込みを素直な子供の中に生まれやすくします。食べなくても「今は食べたくないのね」とサラリと流し、次回も気にせずに食卓へ登場させましょう。

子供に合わせた対応を

作り手として食べてもらえない時は残念ですが、その事で子どもに罰を与えてはいけないと思います。食が細く小柄な子には、その子が食べられる物を準備し、普段よく食べている子には、食べなければお腹が空いて困ることを感じてもらうために特に何もしないなど、大人が子どもの成長段階や性格、体調に合わせて対応していくのが良いでしょう。

私は幼いころ、保育園で昼食後に胸やけがしてお昼寝できず、先生によく注意を受けていました。子どもが食べない時は、なぜ食べないのか聞いてあげるのも―つの方法です。また大人と同じく子どもも食欲がわかない時もあることをお忘れなく。

Kuniko Maruyama
Kuniko Maruyama
丸山 国子

チャイルドケアセンターで食事ケアに携わる。
東京の糖尿病専門病院に管理栄養士として勤務後、2015年よりNZ在住。

【Web】https://www.umamilife.net/
【Facebook】うま味ライフ

2020年10月号掲載