ニュージーランドニュース「車検(WoF)制度が大幅緩和へ:14年未満の車両は2年に1回に」ほか

ニュージーランドニュース NZ NEWS

車検(WoF)制度が大幅緩和へ:14年未満の車両は2年に1回に

政府は、自動車の車検(Warrant of Fitness / WoF)の頻度を緩和する新たな方針を発表した。制度の変更はドライバーの経済的負担軽減を目的としており、2026年11月から順次施行される。主な変更点は以下の通り。新車は2回目の検査までの期間が「3年」から「4年」へ、登録14年未満の車両は現在の「1年に1回」から「2年に1回」へ、14年以上の旧車やバイク、レンタカーは、現在の「6ヵ月に1回」から「1年に1回」に緩和。また、検査項目に自動ブレーキなどの先進運転支援システム(ADAS)が追加される。政府は、これまでのニュージーランドの検査頻度は近隣諸国と比較して過剰であったと指摘、頻度を下げることで30年間で最大41億ドルの負担軽減が見込めるとしている。一方で自動車業界団体(MTA)は、タイヤの摩耗やブレーキの不具合を抱えた危険な車が増えるリスクを警告し、この変更に強く反対している。

オークランドの企業のウール製フィルター、NASAの月探査ミッションに採用

オークランドの企業Lanaco社のウール製エアフィルター「EcoStatic」が、NASAの有人月周回ミッション「アルテミスⅡ」に採用された。宇宙空間での火災時、従来のプラスチック製フィルターは熱で溶けたり煙や水蒸気で目詰まりしたりして、呼吸可能時間は約10分に限られていた。Lanaco社のウール素材は耐熱性が高く目詰まりもしにくいため、安全な呼吸時間を約1時間にまで劇的に延ばすことに成功。同社の技術は、2022年の無人テスト飛行ですでに性能を証明されており、将来の月面着陸時には微細で摩耗性の高い「月の砂(lunar dust)」を除去する役割も期待されている。この技術は地上の住宅用換気システムにも応用されており、山火事の煙や大気汚染、埃の除去に非常に効果的だという。NASAから打診を受けて始まったこのプロジェクトは、ニュージーランド産ウールの可能性を宇宙へと広げる大きな一歩となった。

住宅販売数3ヵ月連続減少、初回購入者が需要を牽引

2026年に入ってからの住宅市場では、不動産価格は概ね安定しているものの、販売数は1月から3月にかけて3ヵ月連続で減少した。昨年末のキャンペーンの反動と考えられていたが、3ヵ月続く低迷は、買い手が慎重になっていることを示唆している。市場全体の動きが鈍い中、初回住宅購入者は全国の購入者の約27.4%を占めており、これは長期平均の約22%を大きく上回る水準である。価格の下落、住宅ローン金利の低下、KiwiSaverの活用が後押しとなり、需要を支えているとみられる。地域別では、特に都市部で初回購入者の割合が高く、オークランドで約30%、ハミルトンで33%、ウェリントン地区では37%に達している。市場は急激な下落局面にはないものの、賃貸市場の逼迫や、世界情勢の不透明感、インフレリスクが今後の見通しに影を落としており、本格的な回復にはまだ時間がかかる見込みだ。

国民党とラクソン首相の支持率が急落、連立内対立も

4月11日〜15日に実施された1News Verian世論調査によると、国民党(National)の支持率が30%(4ポイント減)まで落ち込み、支持率37%(5ポイント増)の野党・労働党(Labour)が逆転する結果となった。国民党の支持率はラクソン(Luxon)氏が党首に就任して以来、最悪となった。議席数に換算すると、労働党・緑の党(Green Party)・マオリ党(Te Pāti Māori)の左派連合が66議席を確保し、現連立政権の58議席を上回ることになる。「好ましい首相」ランキングでもラクソン氏は16%(4ポイント減)と過去最低を記録し、19%のヒプキンス(Hipkins)労働党首に敗北。さらに背後には12%まで支持を伸ばしたNZファースト党首のピーターズ(Peters)氏も迫っている。現連立政権内で外交方針を巡る不一致が露呈し、連立パートナーとの内部対立を指摘する声もあり、連立政権にも暗雲が立ち込めている。

ニュージーランドとインドが自由貿易協定(FTA)締結

ニュージーランドとインドは4月27日、一世代に一度の好機となる歴史的な自由貿易協定に署名した。本協定により、ニュージーランドからインドへの輸出の95%で関税が撤廃または削減される。発効初日から羊肉、ウール、石炭、林産物の95%などの関税が即時撤廃され、ワインについても最大150%だった関税が将来的に25〜50%まで大幅に引き下げられる。インドが強く保護する乳製品市場の完全開放は見送られたが、育児用粉ミルクなどの高付加価値製品については7年間で関税が撤廃される見込み。ラクソン(Luxon)首相は、14億人の巨大市場への門戸が開かれることで国民の懐にさらなる利益をもたらすと強調。労働党は協定を支持しつつも、15年以内に340億ドルの対印投資を推進するという目標条項に懸念を示している。目標未達の場合、インド側が優遇措置を撤回する「クローバック」リスクが指摘されている。

ニュージーランドの燃料在庫微増:供給安定化に向け追加策

イランでの紛争終結やホルムズ海峡の再開が見通せない中、最新の燃料在庫状況が公表された。4月26日時点の国内在庫(輸送中を含む)は、ガソリン52.8日分、軽油46.1日分、ジェット燃料49.1日分となり、前週から微増。在庫は法定最小要件を十分に上回り、供給網も安定しているという。燃料輸入各社も7月までの発注を済ませており、供給の確実性に自信を示している。政府は供給の安定性をさらに高めるため、Zエナジー社から追加で9,000万リットルの燃料を調達する契約を締結。燃料危機による企業や地域社会の負担を軽減するため、車両規制などの一時的な停止や緩和といった規制改革も進めている。また、オーストラリア政府と燃料の安定供給に向けた協力体制を強化し、船舶スケジュールの共有やインフラの共同利用、製造・貯蔵における協力を行うことで、コスト削減と供給の確実性を高める方針だ。

社会

オークランドの慰安婦像設置計画、地方委員会が否決

オークランドのタカプナ地区にある韓国文化庭園(Korean cultural garden)内に、第二次世界大戦中の従軍慰安婦を象徴する少女像を設置する計画に対し、地元のデボンポート・タカプナ地方委員会は反対多数(4対2)で否決した。像に添えられる予定だった強い表現の碑文も議論の焦点となり、委員会は、この像が「特定のグループによる政治的声明」であると判断。公的な場においては、悲劇的な歴史の認識よりも「平和的な表現」が求められるべきだとし、計画は白紙に戻った。この件には、設置に反対する在ニュージーランド日本国大使館の意見を含む約700件の意見が寄せられた。Free Speech Unionは、外国政府の懸念が決定に過度な影響を与え、外交上の配慮が公共の議論を狭めることへの懸念を表明した。地政学アナリストは、友好国である日本・韓国双方との関係を考慮した妥協点を見つける必要性を強調している。

サイクロン・ヴァイアヌの被害

気象庁(MetService)は、南太平洋で発生したサイクロン・ヴァイアヌ(Cyclone Vaianu)が4月12日にニュージーランドに到来するのを予想して、北島全域に予備的な悪天候警報を発令した。ヴァイアヌはフィジー付近で発達した後、南下してニュージーランドに接近・上陸。特にギズボーン、ホークスベイ地方など北島の北東部に記録的な大雨を降らせ、深刻な洪水と土砂崩れを引き起こした。沿岸部では、高潮や高波、主要道路の寸断や数千世帯の停電などの影響で住民の避難や非常事態宣言が行われた地域もあった。実際の進路が予測よりわずかに東へ逸れたため、風雨のピークが海上や人口の少ない地域へ分散されたこともあり、警報の規模に比べれば被害は限定的であった。2023年のガブリエルの教訓を活かした今回の徹底した早期警戒は、災害対策がより予防的・積極的なフェーズに移行したことを示す象徴的な事例となった。

薬剤師の役割を拡大:処方箋なしでも一部の公費補助薬が提供可能に

政府は、薬剤師が一部の一般的な病気に対して、医師の処方箋なしで公費補助対象の薬を直接提供できる新たな案を発表した。6月から全国で導入される予定だ。対象となる疾患は、疥癬(かいせん)、頭しらみ、結膜炎、痛みや発熱、脱水症状、合併症なしの尿路感染症、緊急避妊薬など。患者は医師の診察を待たずに治療薬を受け取れる上、今までは高額な市販薬を買わなければならなかったケースでも、今後は処方薬と同様の低価格(1件5ドル程度)で入手可能になる。導入の背景には、一般医(GP)の予約が取りにくい現状があり、特に地方や医療ニーズの高い地域でのアクセス改善が急務となっている。ニュージーランド薬剤師会(PSNZ)もこの決定を歓迎しているが、一方で、現場からは「人材確保やインフラ整備などの適切なサポートがなければ、地方までサービスを届けるのは難しい」という懸念の声も上がっている。

生活

イケアがオーストラリア・ニュージーランドで返品規定を厳格化

家具大手のイケア(IKEA)が、オーストラリアとニュージーランドにおける返品ポリシーの変更を発表した。主な変更点として、組み立て済み商品を実際に自宅で試用できる「テスト&トライ」制度の期限を、購入から60日以内に短縮。返品には外箱の保持が必要になる。未開封の商品は、未使用かつ再販可能な状態であれば、従来通り365日間の返品が可能。イギリスの公式サイトでは、組み立て後でも365日間返品可能とされており、今回の変更によりオーストラリア・ニュージーランド市場での規定が厳格化された形となる。イケアの広報担当者は、この変更は顧客の安心感と柔軟性を維持するための計画的な変更であり、返品された商品のトラブルなどが原因ではないと説明している。2025年末に待望のニュージーランド1号店がオープンしたばかりだが、利用者は今後、組み立て後の返品期限に注意する必要がある。

2026年に最も需要が高まる10の仕事は

求人サイト大手Seekが2025年9月〜2026年2月の最新データを発表し、ニュージーランドで今最も求められている職種が明らかになった。最も需要が急増したのは自動化エンジニアで、前年同期比184.8%増。企業の効率化に向けた自動化投資の加速が背景にあり、テックリード(リードエンジニア)も大幅に増加した。2位には販売職(145.5%増)、3位にはトラック運転手(126.1%増)がランクイン。また、空調技術者、設計者、屋根職人、重機オペレーターといった建設・技能系職種がトップ10の多くを占めた。AI関係の職種は、求人広告内での言及は伸びてはいるものの、全体に占める求人の割合はまだ2.9%に留まっている。専門家は、現在の労働市場は、実用的な専門技能を基盤としつつ、テクノロジー主導の未来へ移行するバランスの取れた状態と分析。求人総数も前年比13%増と、堅調な回復を見せている。

Uberがワイヘキ島でサービス開始、地元からは懸念の声も

配車・宅配サービス大手のUberが、オークランドのワイヘキ島(Waiheke Island)を含む国内8地域で新たにサービスを開始した。同社は、地元住民や観光客に安全で信頼性の高い移動手段を提供し、地域経済の活性化に貢献できると強調。新規ドライバー向けにボーナスを提示するなど、人材確保に力を入れている。一方で地元観光団体Waiheke Island Tourism Incは、数年前の参入失敗を例に挙げ、ワイヘキ島における国内最高水準のガソリン代や、シーズンによる需要の激しい変動が、ドライバーの安定雇用を阻む大きな壁になると指摘、慎重な姿勢を見せている。島内のタクシー業者は地元との繋がりが強く、今回の参入を大きな脅威とは捉えていない。利益の海外への流出や、ギグワークによる運転手の待遇悪化に懸念を示す声もある。独自の文化と高いコストの中で、Uberが定着できるかが注目されている。

芸能・スポーツ

アーダーン氏のドキュメンタリー映画『Prime Minister』がエミー賞にノミネート

ニュージーランドの元首相ジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)氏の在任期間を追ったドキュメンタリー映画『Prime Minister』が、ニュース&ドキュメンタリー・エミー賞(News and Documentary Emmy Awards)において「最優秀ドキュメンタリー賞(Best Documentary)」を含む2部門にノミネートされた。アーダーン氏の夫であり、自らカメラを回して撮影も行ったクラーク・ゲイフォード(Clarke Gayford)氏は、「信じられないニュースだ」と映画が評価されたことに感銘を受けている。同作はリンジー・ウッツ(Lindsay Utz)とミシェル・ウォルシュ(Michelle Walshe)が監督を務め、2025年のサンダンス映画祭(Sundance Film Festival)で観客賞を受賞。国内でも、地元ドキュメンタリーとして過去7年間で最高の興行収入を記録する大ヒットとなった。エミー賞の授賞式は5月28日にニューヨークで開催される。

サーフィンWSL:NZの若手がワイルドカード出場権を獲得

ラグランのマヌ・ベイで開催されたサーフィン大会「King and Queen of the Point」にて、地元ラグラン出身の15歳アラニ・モース(Alani Morse)と、タラナキ出身の24歳トム・バトランド(Tom Butland)が優勝し、来月同地で開催されるWSL(World Surf League Raglan)世界ツアーの主催者推薦枠であるワイルドカードを獲得した。男子部門ではバトランドが112名の選手の中から勝利。女子部門では、最年少ファイナリストのモースが終了間際のラストライディングで4位から1位へ大逆転し、「世界の強豪に挑戦できる絶好の機会」と意気込みを見せた。両名は、すでに代表入りしている地元ラグランの英雄ビリー・ステアマンド(Billy Stairmand)と共に、世界最高峰の舞台に挑む。世界トップ60名のサーファーが集結するWSLは、5月15日から25日にかけて開催。地元ファンの期待を背負った若き才能の活躍に注目が集まっている。

2027年のSailGP、オークランド開催は見送り

世界最高峰のフォイリング・ヨットレース「SailGP」が、2027年の開催地にニュージーランドのオークランドを含めないことを正式に発表した。ニュージーランド政府は当初、2027年3月開催の世界一周レースThe Ocean Raceとの日程重複を避けることを条件に支援を提案していたが、「外国人観光客の誘致や経済効果が基準に達していない」と判断し、現時点での投資を却下。オークランド当局は開催に向け尽力したものの、政府支援なしでの実施は不可能と判断した。SailGP側は、これまでのニュージーランド大会の成功と熱狂的なファンに感謝を述べ、2027年は開催の合意に至らなかったものの、2028年以降の復帰に向けて対話を続ける意向を示した。ニュージーランド代表の「ブラック・フォイルズ(Black Foils)」も、ホームでのレースがなくなることに失望を示しつつも、リーグの世界展開を支持する姿勢でいる。

ニュージーランド人女性初のUFC選手、世界ランク入りへ

総合格闘技UFCのミシェル・モンタギュー(Michelle Montague)選手が、4月にラスベガスで開催されたUFC Fight Night 274で、女子バンタム級12位のマイラ・ブエノ・シルバ(Mayra Bueno Silva)選手に判定勝ちを収め、プロ戦績8勝0敗と無敗を維持した。モンタギュー選手は、開始早々にテイクダウンを奪い、圧倒的なフィジカルで第1ラウンドを支配。第2ラウンドでは元王座挑戦者のシルバ選手の打撃に苦しむ場面もあったが、巧みなグラップリング技術で優位を保った。勝負の第3ラウンドでも開始30秒でテイクダウンに成功し、トップコントロールを維持したまま試合を締めくくり、判定で勝利。これにより、ランキングで同階級のトップ15入りを果たす見通しだ。モンタギュー選手はマタマタ出身の32歳。ラグビーとレスリング経験を持ち、ニュージーランド人女性として格闘技界の頂点へ向けた躍進を続けている。

タイトルとURLをコピーしました