子どもの教育を目的としたニュージーランド移住では、「学生ビザ」と「保護者(ガーディアン)ビザ」の組み合わせを正しく理解することが欠かせません。
今回は、子どもが留学生としてニュージーランドに滞在し、それに付き添って保護者が同行するケースを中心に、ビザの仕組みや就労の考え方、計画時の注意点を整理します。教育移住ならではの前提を押さえることで、現実的で無理のない移住計画が立てられます。
学生ビザとガーディアンビザ:子ども中心のNZ移住
ニュージーランドで「子どもを現地の学校に通わせたい」と考える家族に多く選ばれているのが、子どもが学生ビザを取得し、保護者がガーディアンビザで同行するという移住スタイルです。このルートでは、移住の軸はあくまで子どもの就学にあり、就労を目的とした移住とは制度の考え方が異なります。そのため、ビザごとの役割と制限を正しく理解しておくことが重要です。
子どもの学生ビザ(Fee Paying Student Visa)
子どもが留学生としてニュージーランドの学校に通う場合、Fee Paying Student Visa(留学生ビザ)を申請します。このビザは教育を目的としたものであり、小学校・中学校・高校といった義務教育段階であっても、原則として留学生授業料が発生します。
よく混同されがちなDependent Child Student Visa(一定の条件を満たす場合に授業料が免除されるdomestic扱い)とは、制度の前提が異なります。今回のコラムで扱うのは、子どもが留学生として来て、親はその子どもに付き添う立場で滞在するという教育移住の形です。
ガーディアンビザ(Guardian Visitor Visa)とは
Guardian Visitor Visa(ガーディアン・ビジター・ビザ)は、未成年の留学生に付き添い、生活や就学をサポートすることを目的としたビザです。このビザは就労を主目的とするものではなく、子どもの監護・付き添いが前提となります。滞在期間は、基本的に子どもの就学期間に連動します。
ガーディアンビザと就労について
ガーディアンビザは、就労が自動的に付与されるビザではありません。ただし、ガーディアンビザ申請時、またはビザ取得後に条件変更の申請を行い、就労先が内定しており、その内容を具体的に申告・立証できる場合には、就労条件が付いた状態でビザが認められる制度があります。
就労が認められる場合の時間・曜日
ガーディアンビザで就労が認められる場合、働き方には明確な制限があります。一般的には、平日(月〜金)のみ、午前9時30分〜午後2時30分の間で、フルタイム不可のパートタイム就労という条件で認められることが多いです。この時間帯は、子どもが学校に通っている時間内での就労を想定したものです。
申請時・条件変更申請時の考え方
就労条件は、ガーディアンビザの申請時、またはビザ取得後の条件変更申請時のいずれの場合でも、以下の条件を前提に判断されます。
- 就労先が内定していること
- 職種・勤務時間・曜日が明確であること
- 就労時間枠(平日9:30〜14:30)に収まっていること
ガーディアンビザ ケーススタディ
Dさん親子(母+中学生)は、子どもを留学生としてニュージーランドの学校に入学させ、母親がガーディアンビザで同行しました。申請時点で、すでに母親にはパートタイムの就労内定があり、勤務時間は平日9:30〜14:30の範囲内で設定されていました。その結果、就労条件が付いたガーディアンビザが発給され、子どもの就学を最優先にしながら、生活面でも安定した滞在が実現しました。
教育移住で押さえておきたいポイント
教育目的の移住では、いくつかの点を整理しておくことが大切です。子どもは留学生(Fee Paying Student Visa)として渡航し、保護者はガーディアンビザで同行する形になります。ガーディアンビザは就労ビザではありませんが、条件を満たせば就労条件付きでの滞在が認められる場合があります。就労を行う場合は、勤務時間や曜日が明確に定められた前提で計画する必要があります。
まとめ
- 教育移住は子どもの就学が中心
- ガーディアンビザは監護・付き添いを目的
- 就労は自動的に認められるものではないが、制度として用意されている
- 申請時・条件変更のいずれにも対応可能
- 事前にビザ設計をしておくことで、滞在のしやすさが大きく変化
次回予告
次回は、すでにニュージーランドに永住者・市民がいる場合の家族呼び寄せビザについて解説します。
三浦サリー / Power In Numbers Ltd.
ニュージーランド・オークランドで生まれ育ち、高校受験を機に日本で3年間生活した経験があります。NZと日本、どちらの国のことも理解しているからこそ、両方の視点から安心してご相談いただけるのが強みです。
2015年に Power In Numbers Ltd. を設立し、ニュージーランド政府公認イミグレーションアドバイザーとして活動。リーズナブルで質の高いサポートを提供し、移住を希望される方々のライフプランや現地での暮らしに寄り添ったアドバイスを行っています。
プライベートでは子育てをしながら、多様なライフスタイルに触れてきた経験を活かし、家族での移住を考える方から単身で挑戦される方まで、幅広いご相談に親身に対応しています。
【E-mail】enquire@powerinnumbersltd.com
【Web】https://www.pin-nz.com
Immigration Adviser #201700259


