ニュージーランドニュース「イケアNZ1号店、12月4日オープン:限定メニューに「パブロバ」登場」ほか

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電動スクーターBeam、ニュージーランド市場から完全撤退

10月末頃、電動スクーターサービスの「Beam」がニュージーランド市場から完全に撤退したことが明らかになった。Beamは2018年10月にニュージーランドでサービスを開始し、今年9月にはNeuron Mobilityと合併、アジア太平洋地域のマーケットリーダーになることを発表したが、同社のウェブサイトによると、現在国内では運営されていない。手軽で楽しく、手頃な交通手段で、特に若者にとって便利だったというファンからの惜しむ声が上がっている一方、批判派は、スクーターの監視が不十分であり、歩道を塞ぐ形で放置されたり、危険な運転が行われたり、川に投棄されたりするなどを問題視していた。昨年は、ウェリントンやオークランドで保有台数を過少報告したことが発覚し、営業許可を取り消されるなど、規制面および運営面での課題にも直面していたことが明らかになっている。

KiwiSaver:デフォルトの拠出額を12%に引き上げ

国民党党首のクリストファー・ラクソン(Christopher Luxon)氏は、次期総選挙に向けた最初の公約として、KiwiSaverの拠出率を引き上げる方針を発表した。これは、ニュージーランドの退職貯蓄を強化し、オーストラリアの年金制度に匹敵する水準を目指すもの。変更案では、現在のデフォルト拠出率(3%)を引き上げ、2032年までに雇用者・被雇用者双方の拠出率をそれぞれ6%(合計12%)にすることを目標としている。引き上げは、2029年から年間0.5%ずつ段階的に実施される予定だ。この変更により、現在年収65,000ドルを稼ぐ21歳の若者が退職時に約140万ドルのKiwiSaver残高を持つことになり、現行制度と比べて約40万ドル多く貯蓄できると政府は試算している。この公約の実現のためには、政府も年間数千万ドルの追加費用を負担する必要があるが、国民党はこれを既存の予算内で賄うとしている。

住宅売却者の12%が損失を計上

最新のCotality社「Pain and Gain」レポートによると、今年第3四半期に全国で売却された物件のうち、売却益が出たのは87.8%にとどまった。前期の89.4%から減少し、2013年以来最も高い損失率となる。特にオークランドでは、居住用物件売却者の18.2%、投資家物件売却者の22.8%が損失を計上しており、主要都市の中で最も高い損失率となった。他に損失率が高水準な都市にウェリントンが挙げられた。多くの地域で価格がピークを大きく下回っており、買い手が価格決定権を握っていることが原因と言われる。特にブーム期に急激な成長を経験したオークランドとウェリントンは、短期間で売却せざるを得なくなった場合に損失を被るリスクが高い。物件タイプ別では、アパートの損失率が36.2%であるのに対し、戸建て住宅は11.4%と、戸建ての方が損失を出す可能性が低い結果となった。

OCR0.25%引き下げ、2.25%に

ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は、市場の予想通り、公定金利(OCR)を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、新たな金利を2.25%とした。この発表を受け、一部の銀行は変動型住宅ローン金利の引き下げに動いた。RBNZが示したOCRの見通しでは、2026年3月に最低水準となる2.2%が予測され、今後1年間はOCRを現在の水準近くに維持すると予想している。また、家計や企業の慎重さが増していることが経済回復のペースを遅らせる可能性があるが、インフレ率は今後1年で目標範囲の中間点である2%近くまで低下し、リスクは均衡していると見込んでいる。不動産の専門家は、今回の金利引き下げが住宅市場に与える影響は限定的と見ており、来年の不動産価格は4%上昇し、販売活動も増加するという控えめな予測が示された。このニュースを受けて、NZドルは30bp上昇した。

社会

ニュージーランドの人口停滞

ニュージーランドの人口動態が急激な変化を迎えている。2023年2月までの1年間では、移民の到着数が253,200人、純増数は過去最高の130,900人を記録し、人口増加率はOECD平均の0.7%を大きく上回る2.3%に達した。しかし最新の2025年9月までの1年間では、移民の到着数は138,900人に、純増数はわずか12,400人に激減、人口増加率は0.7%となった。この変化は、経済状況や国外での機会増加を背景に、出国者数が増加していることが一因とされ、特にニュージーランド国民の流出が顕著である。現在、人口増加はオークランド、ワイカト、カンタベリーなどの大都市圏に集中しており、ウェリントンやタラナキは停滞、ネルソンやホークスベイなどの一部地域では人口減少が見られる。以前は多くの人がオークランドから他地域へ流出する傾向があったが、この流出も大幅に減少した。

リコール:砂遊び用の着色砂からアスベスト検出

国内で販売されていた複数の砂遊び用の着色砂にアスベスト汚染の可能性があるとして、リコールが発表されている。リコール対象は11月末現在で少なくとも5種類以上におよび、全国のKmart、Paper Plus、Hobby Land、NZ School Shopなど複数の小売店やオンラインで販売されていた。低レベルの曝露でも高い発がんリスクがあるとされるアスベストの一種、トレモライト(tremolite)の陽性反応が出た製品も発見され、対象製品を使用していた一部の学校は、検査・洗浄のため閉鎖された。ビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)は保健省(Health NZ)や教育省(MoE)、WorkSafe、販売元と連携し、公衆の安全を確保するため、直ちに製品の回収、販売停止、消費者への勧告などの対応を取っている。消費者へは、直ちに使用を中止し、安全に除去・廃棄するために専門家のアドバイスに従うよう助言している。

子宮頸がんセルフ検査成功の一方、婦人科が逼迫

国内で2023年に子宮頸がん検診に自己スワブ検査が導入されて以来、従来の内診を伴うスメア検査を敬遠していた女性たちが検査を受ける率が上がり、検診受診率が大幅に向上した。しかしその結果として、婦人科専門医療サービスの受診予約が増え、麻痺状態に陥っている。長年未治療だった、異常を持つ患者からの子宮頚管拡大鏡検査(colposcopy)の需要が急増したことが原因とされる。現在、ハイリスクHPV陽性者に対する子宮頚管拡大鏡検査の受診期限は紹介から30日以内とされているが、多くの地域でこの期限が守られていない。保健省(Health NZ)は、需要増加を過小評価していたことを認め、90万ドルを追加投入し、今後1年間で1,650件のコルポスコピーを追加で実施する計画を発表した。長期的に見れば、HPVワクチン接種の普及と早期発見・治療により、この問題は解消に向かうと期待されている。

外来種ツマアカスズメバチの駆除を強化

バイオセキュリティ当局(Biosecurity NZ)は、オークランドのノースショア(特にGlenfieldとBirkdale周辺)で外来種であるツマアカスズメバチ(yellow-legged hornet)の駆除活動を強化している。今年10月中旬に初めて女王バチが見つかって以来、バイオセキュリティ当局は、発見地点から半径5km圏内に600以上のトラップを設置し、200km圏内で集中的な創作活動を実施しており、11月末までに女王バチ27匹、働きバチ7匹、巣17個を発見、駆除している。遺伝子検査の結果から、現在の個体群は依然として小規模で封じ込められていると判断されている。ツマアカスズメバチは在来のミツバチと競合し、蜂蜜生産に影響を与えるため、繁殖期が始まる前に拡大を阻止することが重要視されている。これまでに市民から4,000件以上の目撃情報が寄せられており、当局は引き続き情報提供を呼びかけている。

生活

消費者団体が「Yeah Nah」アワードを発表

ニュージーランドの消費者団体「Consumer NZ」は、誤解を招く表示や性能不備、隠された費用など、消費者に不利益をもたらす製品やサービスを浮き彫りにするための「Yeah Nah」アワードの結果を発表した。主な受賞者は、Pamsの絆創膏、HelloFresh、Harvey Norman、Barkersなど。絆創膏の粘着力が期待される時間持続しなかったり、食事キットサービスの解約手続きが非常に煩雑であったり、「特別価格」「特大セール」などの表現を使用した誇大広告を常時打っていたり、オンライン返品ポリシーが消費者保証法に基づく顧客の権利を不当に制限していたりするのが受賞の理由だという。CEOのジョン・ダフィー(Jon Duffy)氏は、消費者が不利な取引を強いられている現状を懸念しており、また、多国籍企業のやり方がニュージーランドの法律に適合しない問題も発生していると述べている。

イケアNZ1号店、12月4日オープン:限定メニューに「パブロバ」登場

スウェーデンの家具大手イケア(Ikea)が、12月4日にオークランドのSylvia Parkにニュージーランド初の店舗をオープンする。「空腹の顧客は買い物が減る」という創業者の哲学に基づき、店舗内のレストランでは現地の食文化に合わせた独自のメニューが提供される。最も注目されているのは、ニュージーランド限定のデザート「リンゴンベリー・パブロバ(lingonberry pavlova)」(4ドル)。常設メニューには、国産ホキを使った「フィッシュ・アンド・チップス(fish and chips)」(14ドル)や、地元のラム肉とクマラを詰めた「NZラムパイ(NZ Lamb Pie)」(6.50ドル)などが並ぶ。500軒の家庭訪問を通じた調査で、地元で最も人気のある料理としてこれらを採用した。また、世界初の試みとして、肉、植物性、野菜のミートボールを食べ比べできる「イートボール・メドレー(Eatball Medley)」を導入した。

2025年のオークランドのレストランTop 50は

ニュージーランドのライフスタイル総合メディア『Viva』が、今年のオークランドのベストレストランのリストを発表した。オークランドなどの主要都市において、その年で最も革新的で、料理の質が高く、総合的なダイニング体験が優れている50軒のレストランを選出する目的で2020年に始まった。審査員たちは専門知識と情熱を結集し、街の食体験を形作るレストランを発掘している。今回の審査はVivaの外食エディター、ジェシー・マリガン(Jesse Mulligan)とフードライターのケリー・ギブニー(Kelly Gibney)が担当した。トップを飾ったのはParnellにあるサモア料理レストランの「Tala」。日本食レストランではPonsonbyの「Cocoro」、Ponsonby・Mission Bayに支店を持つ「Azabu」がTop 50にランクインした。

フォンテラ、世界的な供給増で生乳価格予測を引き下げ

ニュージーランドの乳業大手フォンテラは、世界的な生乳供給量の増加を理由に、今シーズンのファームゲート生乳価格予測を下方修正した。予想価格の範囲は乳固形分1kgあたり9.00ドル~11.00ドルから9.00ドル~10.00ドルに絞られ、中央値は10.00ドルから9.50ドルに引き下げられた。ニュージーランド国内外で生乳生産が好調であり、その供給増が世界的な乳製品の商品価格に下方圧力をかけているいう。直近のGDT(世界乳製品取引)では7回連続で価格が下落している。最高経営責任者(CEO)のマイルズ・ハレル氏は、新たな中央値9.50ドルは依然として今シーズンとしては「強い予測」であり、価格リスク管理や製品構成の最適化などを通じて、農家株主へのリターン最大化に引き続き注力すると述べている。フォンテラは、2025/26シーズンの生乳収集予測も、15億2,500万kgから15億4,500万kgへ上方修正している。

芸能・スポーツ

2025年オークランドマラソン開催:女子新記録樹立

11月2日、2025年オークランドマラソンが開催され、17,000人以上が参加した。最年少は5歳、最年長は89歳の著名実業家ガース・バーフット(Garth Barfoot)氏だった。男子フルマラソンでは、ダニエル・バルチン(Daniel Balchin)選手が2時間19分55秒で優勝。バルチン選手は2023年に続く2度目のタイトル獲得となった。女子フルマラソンでは、昨年の優勝者であるブリジット・デネヒー(Brigid Dennehy)選手が2時間38分10秒でフィニッシュし、大会女子新記録を樹立した。これは従来の記録を3分以上更新する快挙。他に、2児の出産を経て2年ぶりに復帰した元チャンピオンのアリス・メイソン選手が、ブランクにもかかわらず女子2位に入賞し、注目を集めた。また、79歳のロッド・ギル(Rod Gill)選手はキャリア200回目のハーフマラソンを完走し、年齢に関わらず挑戦するランナーの象徴となった。

NZ歌手キャシー・ヘンダーソン『ザ・ヴォイス』準優勝

ニュージーランド出身のポップ歌手キャシー・ヘンダーソン(Cassie Henderson)が、オーストラリアで行われた『ザ・ヴォイス(The Voice Australia)』のグランドフィナーレに進出し、惜しくも優勝は逃したものの、準優勝を飾った。クライストチャーチ生まれのヘンダーソンは、14歳で『Xファクター・ニュージーランド』の準々決勝に進出し、2025年のアオテアロア・ミュージック・アワードで「ベスト・ポップ・アクト」を受賞するなど、国内では既に実績がある。2024年8月にはリリースしたシングル『Seconds to Midnight』が、ニュージーランドのラジオチャートで15週間にわたって1位を維持するほどの成功を収めた。今大会の優勝者はオーストラリアのティーンエイジャー、アリッサ・デルポポロ(Alyssa Delpopolo)で、優勝賞金10万豪ドルと、シドニーでのレコーディング開発パッケージを獲得した。

エマ・トゥイッグがローイング・ビーチスプリント世界大会で優勝

元オリンピックチャンピオンのエマ・トゥイッグ(Emma Twigg)が、11月初旬にトルコで開催された世界ローイング・ビーチスプリント・ファイナルの女子シングルスで優勝し、金メダルを獲得した。トゥイッグ選手は、前回王者のオーストリアのマグダレーナ・ロブニグ(Magdalena Lobnig)選手を決勝で破り、2022年以来となるタイトルを奪還。この勝利により、トゥイッグ選手は2028年のロサンゼルス・オリンピック出場に向けて大きな弾みをつけることになった。トゥイッグ選手は、平水ローイングではこれまで5度のオリンピックに出場し、2021年に金、2024年に銀メダルを獲得している。その他のニュージーランド勢では、男子シングルスのフィン・ハミル(Finn Hamill)選手と、混合ダブルスのエリン・ジェームズ(Erin James)/マット・ダナム(Matt Dunham)組は、いずれも初戦で敗退した。

ゴルフボール素手キャッチ:元NZ代表選手らが世界記録を非公式樹立

元クリケットNZ代表のバッター、ルー・ヴィンセント(Lou Vincent)氏と、ノーザン・ディストリクツのオールラウンダー、ジョーイ・ヨヴィッチ(Joey Yovich)氏とデビッド・マラン(David Mullan)氏のトリオが、ゴルフボールをティーから打ち出し、素手でキャッチする最長距離のギネス世界記録に非公式ながら挑戦し、記録を更新した。この挑戦はノースランド地方のパインズ・ゴルフクラブ(Pines Golf Club)で行われ、100人以上の観客が見守る中、3回の試行で、これまでの記録(214メートル)を上回る261メートルを記録した。マラン氏がボールを打ち、ヴィンセント氏が弾道確認、ヨヴィッチ氏がキャッチを担当した。高額な費用をかけて公式審査員を招くことが難しかったため、現在は非公式記録の段階だが、今後、ビデオ、目撃者証言、測量報告などの全ての証拠を提出し、ギネスの公式認証を待つことになる。

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