自宅の購入をされる方のほとんどは、銀行ローンを組まれると思います。事前に銀行と連絡を取り、購入を考えている物件の詳細を知らせたり、ご自身の収入を証明することで銀行の審査を受けます。
物件の売買契約書にもFinancial conditionと言う項目があり、これにチェックを入れておくと、万が一、銀行からローンを受けられないとなったとしても、正式に売買契約をキャンセルできます。結果としてすべてのデポジットも戻ってきていわゆる損をすることはありません。
正式にローンを受けられるようになると、様々なローン書類とともに銀行に提出しなければならないのが、家の保険に加入している証明(Certificate of Crrency)です。これから家を買うという時に想像したくないことだとは思いますが、敢えて言いますと銀行がお金を貸した後に火事もしくは災害で家の立て直しが必要となったとします。たいていの場合、家主にこのお金を捻出する余裕などなく、銀行から見ますと貸したお金を取り戻せなくなります。
これを防ぐために銀行は家主(ローンを借りる人)に保険を入ることをローンのための必要条件としています。以前でしたら一年間で1,000ドル以下の保険料でしたので、家の購入を考える人には再考を必要とするような金額ではありませんでした。
しかし、最近は地震、洪水、地滑りや浸食などの自然災害で多くの保険金を支払わねばならなかった保険会社が保険料を上げています。家の価値にもよりますが保険料がとても高くなっています。統計局の最新データによると、保険料は3年前と比べると28.8%高くなっています。住宅保険料の上昇幅が最も大きく、過去1年で5.6%、過去3年で56%増加したそうです。ぎりぎりの予算で家の購入を考えている人は、月々の銀行への支払い以外に保険料の支払いも予算に入れておく必要があります。
これだけでは、ありません。ある保険会社では、リスクが大きいと判断した物件への保険適用を拒否することも起こっています。すなわち銀行ローンの申請が承認されたので、売買は成立したとほっとしていたら『保険料がとても高すぎる』あるいは、最悪の場合には『保険が適用されない』と言うことが起こるかも知れないのです。このことがなぜ深刻な問題かと言いますと、売り手に対してローンの条件が満たされたと連絡していると、契約上は売買契約が成立しています。法律上買わなければいけないのに銀行からはローンがおりないと言うことが起こる可能性があると言うことです。したがって保険会社と連絡を取り合うことが、とても重要になってきたかと思われます。

ローズバンク法律事務所
弁護士 西村純一
オークランド大学法学部卒業後、ニュージーランドで初の日本人弁護士となる。
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