初めてこの国で不動産を購入しようと思っている方や、買い替えたいが何から始めれば良いか分からないという方の為に、今回は基本に戻ってみる。通常は、購入したい物件の20%に相当する頭金があればホームローンを組めるとされている。しかし、預金額から計算して銀行からこれ位は借りられるはずと、皮算用で物件探しを始めるのは危険な行為。預金が充分でもNZ国内における収入が不足している場合は、計算通りに行かないこともあるのだ。

一方、20%の頭金は、絶対条件ではない。ファーストホームバイヤーや6カ月以内に完成予定の新築購入の場合等は、頭金が10%で良いとされることも。これは、何れも各自の経済的バックグラウンド等から貸し手が判断する事なので、自分の予算を知る為にも、銀行もしくはモーゲージブローカー※1等に相談すると良い。
また、一つの銀行に聞いてローンを断られても、諦める必要はない。同一人物が全く同じ書類を提出したとしても、銀行により判断はマチマチ、限度額の数値にも開きがある。
むしろ直接銀行に聞くよりモーゲージブローカーを使った方が良いことも。多くの金融機関にパイプを持つモーゲージブローカーを通せば、より良い条件のローンを引き出す事ができるからだ。また、ブローカーを使っても、余計な費用は通常一切かからない。彼らにコミッションを支払うのは、銀行の役目だからである。但し、ごく稀に手数料を請求するブローカーもいるそうなので、サービス利用の際は、念の為ご確認を。
自分の予算の限度額が分かったら、それに合わせて物件を探し始めるのが吉。皮算用で探し始め、思った程借りれないと分かってから物件のレベルを下げて行くのは、時間を無駄にするだけでなく、ストレスや落胆も大きい。
買い替えの場合は、「売るのが先か?買うのが先か?本当に先に売らないと買えないのか?」と言った疑問が一般的だと思うが、まずは本当に売らなければならない場合なら、先に売ることをお勧めしたい。順番を逆にする人もいるが、充分な資産があるならそれでも良い。但し、売らないと買えない状況の場合は、先に買ってしまうことで、必要以上のプレッシャーの下で売却を迫られ、売り急ぐあまりに安価で不動産を売却してしまうこともある。
また、自宅をエクイティ※2としてキープし、2軒目の家を買うという方法もあるが、長くなるので続きは、また次回に。
※1 モーゲージブローカーとは?
複数の金融機関の住宅ローンを比較し、利用者に合った商品を紹介してくれる仲介業者のこと。
※2 エクイティを活用して2軒目を購入するとは?
住宅ローンの返済などにより増えた自宅のエクイティ(持ち分)を担保にして、新たなローンを組み、2軒目の家を購入する手法のこと。
このように、自分の持っている資産を元に、より大きな資産を動かすことを「レバレッジ(てこの原理)」と呼びます。


Hiroko Jenny
イェニー浩子1994年よりオークランド在住。ツアーガイド、クレジットカード会社、ブランド店勤務を経て不動産業界12年目。YouTubeでは不動産だけではないNZ情報発信中。
ブログ:https://ameblo.jp/harcourts-auckland/
YouTube:https://www.youtube.com/@hirokojenny7464
