就労ビザ(Accredited Employer Work Visa)や居住権(Residence Visa)の審査において重要ポイントとなるのが職種のスキルレベルです。
現在イミグレーションは、従来のANZSCO (Australia and New Zealand Standard Classification of Occupations )と新しいNOL(National Occupation List)の2つの異なる「ものさし」を使って職種のスキルレベルを審査しています。将来的に職種のスキルレベルの審査にはNOLが使われる様になりますが、現在は移行期間にあり職種のスキルレベルを査定する際に十分な注意が必要です。
NOLの導入により起こった変化
NOLでは、Duty Manager、Shift Manager、Food and Beverage Supervisorといった職種に対して5年間の就労ビザを発給しています。これらの職種は過去にANZSCOのスキルレベル4(例:Retail SupervisorやWaiter)に格下げされることが多かったのですが、現在ではスキルレベル2-3に分類されています。
その他にも、居住権取得の道筋が難しく、役職・組織図・給与水準が基準に合わない場合に格下げされてきた「境界線上の職種」があります。例えば、Office Manager(一般事務に格下げ)、Quality Assurance Manager(品質管理検査員に格下げ)、Chef(Cookに格下げ)などです。
こうした境界線上の職種の多くは、NOLで格上げされたか、新たにスキルレベル3の新しい職種として認定されています。
NOLの導入により、今までより多くの職種がスキルレベル1-3と認定され、5年間の就労ビザを持つパートナーはより自由に働けるようになり、学生ビザを持つ子どもは現地校生と同じ授業料で学べるようになったりと、家族にとって非常に有益になりました。また、雇用側もより長い期間働き手をキープできる様になった為、トレーニングコストの削減にもつながり、働き手不足解決の一歩を踏み出しました。
しかし、NOLでスキルレベルが格上げされたこれらの職種全てがANZSCOに反映されているわけではない為、就労ビザから居住権の申請を行う際、これが大きな落とし穴となりかねます。
NOLかANZSCOか?
現在、NOLは就労ビザのスキルレベルの査定に利用され、ANZSCOは居住権のスキルレベルの審査に利用されます。
申請するビザのカテゴリーにより、異なるものさしを利用してスキルレベルを図っている為、就労ビザが5年間発給されたからといって、居住権申請の際にその職種がスキルレベル1−3と審査されるという確証にはなりません。
例えNOLスキルレベル2の職種に3年間ついてその間の給与が中央賃金より上であったとしても、居住権審査時の際に実際の実務内容によってANZSCOスキルレベル4と審査されてしまった場合、3年間の就労期間は居住権のポイントに全く加算されない、というシナリオが出来上がってしまうのです。
英文ですが、今回提示した問題点に関するRNZのニュース記事はこちらより
今後の課題
冒頭で、「将来的に職種のスキルレベルの審査にはNOLが使われる様になる」と言及しましたが、実際いつ完璧に移行されるのか不明です。来年8月から居住権の移民政策が変わる予定ですが、スキルレベルの査定にANZSCOが利用されることには依然として変わりがないため、上記のようなシナリオが起こってしまう事は一目瞭然です。
Minister of Immigrationは「短期滞在ビザはあくまで短期滞在を目的としたもの」という立場を一貫しており、このままでは一定数の就労ビザ保有者が、何年も働いた末に居住権の要件を満たせず、就労ビザを延期することも出来ないという失望に直面してしまいます。雇用側も、居住権申請のために市場価格以上の賃金を何年も払ってきたのに、NOLとANZSCOのスキルレベルのギャップで自らのスタッフの移住計画が頓挫したと知れば不満の声が上がる事でしょう。
ニュージーランド経済の回復の兆しが見えている中、労働力不足は急速に進んでおり、国外から技術や知識を持った働き手を国内に定着させる必要があります。何年も働かせておいてこのような政策のギャップのせいで国としての評判を落とすような政策は改善されるべきであり、就労ビザと居住権の道のりを再びきちんと整合させるような政策が必要不可欠です。そして、家族移住の計画の際には、就職が決まったその時からNOLとANZSCOの両方を確認しておくことが非常に重要なステップとなります。
UVISA
ニュージーランドを拠点とする複数名のニュージーランド政府公認移民アドバイザーから成る会社です。
最初の相談からビザの最終結果が出るまで一貫して国家資格保有者であるアドバイザーが担当します。永住権に繋がる学校選びから、卒業後の就職、起業、投資、移住まで、お客様のニーズに合わせた様々なビザカテゴリーに精通しています。
【営】月曜日から金曜日(祝日を除く)8:30〜17:00
【E-mail】contact@uvisa.co.nz
【Phone】+64 7 777 5035
【Web】https://uvisa.co.nz/japan/



Tobias Tohill
Director and Licensed Immigration Adviser #201601002

大島芽生
Licensed Immigration Adviser (Provisional) #202400021

