家族でのニュージーランド移住は、ビザだけでなく、仕事や教育、将来の永住権まで見据えて計画することが大切です。
最終回となる今回は、実際によくある失敗例をもとに、家族移住を成功させるための考え方や事前にできる準備についてご紹介します。シリーズ全体のまとめとして、「後悔しない家族移住」を実現するためのポイントをわかりやすく解説します。
家族移住の落とし穴:よくある失敗とその回避法
これまで5回にわたり、ニュージーランドへの家族移住に関するさまざまなビザ制度についてご紹介してきました。
実際にご相談を受ける中で、「もっと早く知っていればよかった」「最初にしっかり計画しておけば違った結果になっていた」というケースは少なくありません。ビザ制度そのものは理解していても、家族全体のライフプランまで見据えて準備できていなかったことが原因となることも多くあります。
家族移住では、一つひとつのビザを個別に考えるのではなく、「今」と「将来」の両方を見据えた計画を立てることが大切です。
よくある失敗①
目の前のビザだけで考えてしまう
「まずは就労ビザを取得したい」「子どもをニュージーランドの学校へ通わせたい」など、現在必要なビザだけを考えてしまうケースがあります。
しかし、その後に家族を呼び寄せたいのか、ニュージーランドで長く生活したいのか、将来的に永住権を目指すのかによって、最初に選ぶビザや働き方が変わることもあります。
ビザは一つひとつが独立しているように見えても、その後の選択肢につながっています。長期的な視点でライフプランを考えながら準備を進めることが重要です。
よくある失敗②
家族全員の条件を確認していない
家族移住では、主申請者だけでなく、パートナーや子どもの条件も重要になります。
例えば、
- パートナーが就労できるか
- 子どもがDomestic Studentとして扱われるか
- 家族を扶養家族として申請に含められるか
- 将来的に家族全員で永住権を目指せるか
など、家族一人ひとりの状況によって必要な準備は異なります。
よくあるケース
Gさん一家は、ご主人が就労ビザを取得すれば家族全員が問題なく生活できると考えていました。しかし、パートナーの就労条件や子どものビザについて十分に確認しておらず、渡航直前になって当初の生活設計では難しいことが分かりました。
その後、家族全体の状況を整理し、ビザの組み合わせや今後の計画を見直したことで、希望していたライフプランに近い形で移住を実現することができました。
このように、家族移住では一人だけではなく、「家族全員」を一つの単位として考えることが大切です。
制度は変わることもある
ニュージーランドのビザ制度は、社会情勢や政府の方針などにより変更されることがあります。
実際に、本シリーズでもご紹介したAEWVでは近年制度の見直しが続いており、また、Skilled Migrant Category(SMC)についても2026年8月24日から制度変更が予定されています。制度は社会情勢などに応じて見直されることがあるため、申請時には最新の情報を確認することが重要です。
インターネット上には古い制度をもとにした情報が残っていることも少なくないため、申請時には最新の情報を確認し、自分や家族に合った制度を選択することが重要です。
家族移住を成功させるために
家族移住では、ビザを取得すること自体がゴールではありません。
「どのような暮らしをしたいのか」「子どもにどのような教育を受けさせたいのか」「将来的に永住権を目指すのか」など、家族全体の将来像を描きながら、一つひとつのビザを選択していくことが、安心して生活をスタートするための第一歩になります。
また、ビザ制度は一人ひとりの状況によって適した選択肢が異なります。家族構成や就労状況、子どもの年齢、将来のライフプランなどを総合的に考えることで、より自分たちに合った移住計画を立てることができます。
疑問や不安がある場合は、早い段階で専門家へ相談することで、自分たちに合った選択肢を整理し、将来を見据えた移住計画を立てやすくなるでしょう。
ポイントまとめ
- ビザは将来のライフプランまで見据えて選ぶ
- 家族全員の条件を事前に確認する
- 制度変更も踏まえて最新情報を確認する
- 家族移住は長期的な視点で計画する
- 不安や疑問があれば早めに専門家へ相談する
これまで全6回にわたり、ニュージーランドへの家族移住についてご紹介してきました。
家族移住は、一つのビザを取得すれば終わりではなく、ご家族それぞれの状況や将来設計に合わせて計画を立てていくことが大切です。本シリーズが、ニュージーランドでの新しい生活を考える皆さまにとって、その第一歩となれば幸いです。
次回予告
次回からは新シリーズ「ビザ申請の実践ガイド」をスタートします。
「どのビザを選べばいいのか」「申請にはどんな書類が必要なのか」「申請後はどのような流れで審査が進むのか」など、実際にビザを申請する際に知っておきたいポイントを、より具体的に解説していきます。
申請準備から結果が出るまでの流れを一つずつ整理し、初めてビザを申請する方にもわかりやすい内容をお届けします。
三浦サリー / Power In Numbers Ltd.
ニュージーランド・オークランドで生まれ育ち、高校受験を機に日本で3年間生活した経験があります。NZと日本、どちらの国のことも理解しているからこそ、両方の視点から安心してご相談いただけるのが強みです。
2015年に Power In Numbers Ltd. を設立し、ニュージーランド政府公認イミグレーションアドバイザーとして活動。リーズナブルで質の高いサポートを提供し、移住を希望される方々のライフプランや現地での暮らしに寄り添ったアドバイスを行っています。
プライベートでは子育てをしながら、多様なライフスタイルに触れてきた経験を活かし、家族での移住を考える方から単身で挑戦される方まで、幅広いご相談に親身に対応しています。
【E-mail】enquire@powerinnumbersltd.com
【Web】https://www.pin-nz.com
Immigration Adviser #201700259


