ニュージー到着!就労開始前に行う手続き 

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働く人、事業を行う人へ『税務手続きのてびき』ニュージーランドで働く方や事業を行う方へ、公認会計士が税務情報をお届けします。

ニュージーランドで働く時に避けて通れない税金関係。働く人全員に必要な税番号と税コードについて知っておこう。

まずはIRD番号の取得から

ニュージーランドで就労するにはまず税番号(IRD番号)を取得する必要があります。日本からニュージーランドに到着されたばかりの方は、日本での国税庁に相当するInland Revenue Department(IRD)に税番号を発行してもらうよう申請しましょう。IRDのサイトからダウンロードして、IRD番号申請書(個人)(IR742)という申請用紙を入手し、それに記入して提出します。提出する際は以下の書類も準備しましょう。

  • 写真付きのID(パスポートなど)
  • 居住住所証明書(電気代などの請求書や、銀行口座を開設した際に送られてくるレターなど)
  • 居住国の税番号(日本のマイナンバーなど)
  • IRD番号を申請する理由の証明書(ビザのコピーや雇用契約など)
  • ニュージーランドの銀行明細書(別額にて入金、引き出しが記載されている必要がある)

ニュージーランドの銀行口座は早めに開設しておくと良いでしょう。

税率を決めるコードを選択

仕事が決まり、就労を開始する前には、雇用者より税コード申請書(IR330)と、キウィセーバー関連の書類提出を求められます。税コード申請とは、税率を決定するためのコードを雇用主に申告するもので、仕事を2つ以上掛け持ちしているかや、学生ローンがあるかなどが基準となります。雇用主は税コードを基に給料からPAYE(ピーエーワイイー)と呼ばれる所得税を天引きします。キウィセーバーはニュージーランド永住権や市民権保持者のみ適用です。ニュージーランドでも、個人の所得へは日本と同じく累進課税となっており、年間の収入を基にPAYEが計算されています。累進課税では収入が高ければ税率も上がっていくシステムのため、二つ以上仕事を掛け持ちしている場合は、二つ目以降の仕事から得られる収入には高めの税率でPAYEが差し引かれる事となります。掛け持ちする場合は一つ目と二つ目の仕事では税コードが異なってくるため注意しましょう。

松堂 英斗
公認会計士 (Chartered Accountant)
Hideto Matsudo
松堂  英斗

オークランド大学商業部卒(会計学専攻)。
MGIオークランド公認会計事務所にて税務コンプライアンスサービスを提供。

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2020年3月号掲載