事業を始める前に確認 税務手続きの流れ 

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働く人、事業を行う人へ『税務手続きのてびき』ニュージーランドで働く方や事業を行う方へ、公認会計士が税務情報をお届けします。

ニュージーランドで事業を行う事業主体に義務付けられたPAYEやGSTといった税金の支払いについて確認しておこう。

ニュージーランドで事業を始める場合、まずは経営する体制について考えましょう。事業体制には法人、個人事業、トラスト、パートナーシップなどがあり、事業内容や体制により利点が異なります。詳細は専門家へ問い合わせるとよいでしょう。事業体制が決まれば、その事業体をIRD(Inland Revenue Depart ment日本の国税庁に相当)へ登録するため、IRD番号を取得しましょう(個人のIRD番号を使う場合もあります)。

スタッフのPAYEを支払う

スタッフを雇用する場合、雇用主はスタッフの給料よりPAYE(Pay As You Earn 累進源泉課税)を差し引きIRDへ支払う事が義務付けられています。IRDサイトのmyIRから雇用者登録(Employer Re gistration)をしておきましょう。IRDへのPAYEの支払い方法は、まずスタッフより提出された税コード申請書(IR330)の税コードを基に、給料より差し引くPAYEの金額計算を行います。そして、給料を支払った日から2日間以内にmyIR上で給料支払い詳細の申告を行い、翌月の20日までにIRDへ支払う必要があります。給料計算ソフトの中には、自動的にIRDへ申告が行われる機能をはじめ、ホリデーペイ(休暇計算)や、シックリーブ(病気休暇)、そしてキウィセイバーなどの管理機能が付いたものもあるため、利用すると便利でしょう。

GST申告について

ニュージーランドで事業を行い、12カ月間の売り上げが6万ドル以上の場合は、GST登録が義務付けられています(6万ドル以下の場合、GST登録は可能だが義務ではない)。GST申告の頻度は、売上に伴って選択する事ができ(1カ月、2カ月、6カ月おき)、GSTのベースも、インボイスベースもしくはペイメントベースを選択する事ができます。GST申告と支払いの期限は、申告期間の翌月28日となります。

経費にかかるGST計算について、銀行手数料や利子支払いなどにはGSTが含まれないほか、スタッフへの給料もGSTのクレームを行う事ができませんので気を付けましょう。

松堂 英斗
公認会計士 (Chartered Accountant)
Hideto Matsudo
松堂  英斗

オークランド大学商業部卒(会計学専攻)。
MGIオークランド公認会計事務所にて税務コンプライアンスサービスを提供。

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2020年4月号掲載