大人の「夏の島遊び」ワイヘキワインの魅力

大人の「夏の島遊び」ワイヘキワインの魅力GOURMET

広がる丘陵地帯とブドウ畑、太陽の光を受けてキラキラと輝くビーチ…。
オークランドからフェリーでわずか40分ほどの距離に位置し、
夏のリゾート地として名高いワイヘキ島。そこには”別世界”が広がっている。

※2023年1月現在の情報であり、営業時間や価格等、最新情報をご確認ください。
※運転は飲酒していない人にしてもらうなど、飲酒運転事故防止に努めましょう。

オークランド近郊のハウラキ湾に浮かぶワイヘキ・アイランドは、面積およそ92平方キロメートルの小さな島。過ごしやすい海洋性気候で、休日になるとたくさんの人で溢れるほどの“リゾートアイランド”だ。

ワインどころのリゾート地

ワイヘキ・アイランドの魅力としてたびたび取り上げられるものの一つとして、島の各所に点在するワイナリーがある。「ニュージーランドのワインの島」としても知られており、受賞歴のある熱意溢れるワイン生産者たちにより気候と古代の土壌を生かし、固有品種の風味を持つ様々な赤ワインや白ワインが生産されている。

ドアセラーやハイクオリティなレストランを併設するワイナリーが多く、ワイナリーツアーは各地からやってくる観光客にも人気だ。それらのワイナリーの中には国際的な評価の高いものも複数存在し、ホークスベイやマールボロ地方といった国内ワインの有名どころにも負けない、上質のワインがワイヘキ・アイランドでは生産されている。

ワイン作りに適した島

ワイナリーが海に近ければより潮風が当たることになるが、これによりブドウの木につく病気の軽減や、ブドウ栽培で重要な夏場の気温上昇の抑制を促すといった効果が期待できるんだとか。ワイヘキ・アイランドのワイナリーはニュージーランド内でも群を抜いて海に近い場所に位置しているため、この“リゾートアイランド”という条件は、ワインを生産する上でも好ましい環境なのだ。

ワイヘキ・アイランドで生産されているワインのなかでも赤ワインの生産が特に多く、強い日差しと乾いた空気という島ならではの気候や土地が赤ワインに適したブドウの生産に向いている。

ワイヘキワインを味わう

そんな独自の気候を生かし、太陽の光をいっぱいに浴びて育ったワインたち。島のあちこちにあるワイナリーを巡り、併設のレストランでくつろいでもいいだろう。ブドウ畑の向こうに広がる海を眺めながら味わう地元のワインは格別だ。ワイヘキ・アイランドでしか購入できない銘柄も複数あり、日差しが気持ち良いこの季節、ワイヘキ・アイランドに直接出向き、生産者の熱意が込められたワイヘキワインの世界に浸ってみるといいだろう。この夏、洗練されたワイヘキワインを味わいに出掛けてみよう。

ワイヘキ島
写真左上:ワイヘキ島とオークランドをつなぐフェリーからの眺め。写真右上:ワイナリー「Man O’War」すぐそばのビーチ。写真左下:Onetangiビーチ。写真中下:ワイナリー「Mudbrick」敷地内のレトロな建物も可愛らしい。写真右下:ワイナリー「Mudbrick」敷地内のラベンダー畑。ワインものどかな風景も楽しめる。

オークランドの北東、約20キロ離れたところに浮かぶワイヘキ・アイランド。年中通してたくさんの人々が集うこの小さな島には、美しいビーチ、美食家たちが喜ぶレストラン、ワイナリーが点在。 エメラルドグリーンに輝く海だけでなく、アートギャラリーや可愛いショップ巡り、ハイキングなどゆっくりとした時間を堪能できる。

ワイン ぶどう

Waiheke Island

【面積】92平方キロメートル
【人口】約9400人(2022年6月時点)
【所要時間】オークランドからフェリーで約40分
【備考】オークランド〜ワイヘキ島間のフェリーは1日に20本以上が運航。ワイヘキ島への始発便は朝6時から、オークランドへの最終便は平日・土曜が24時半、日曜・祝日が23時となる。往復料金は大人46ドル、子ども23ドル。
※フェリーの運航スケジュール、料金の詳細はウェブサイトwww.fullers.co.nzを参照ください。

プランに合わせて選べる巡り方

レンタルバイク/レンタカー

黄緑色に輝く丘に真っ青な海と空が続く島の自然を思う存分に感じられるのが魅力。フェリー乗り場周辺に自転車や車のレンタルショップが並んでいるので、 目的に合わせてそれぞれレンタルすると良いだろう。

路線バス

黄島内のバスはオークランド本土と同じくAT(オークランド・トランスポート)が運営しており、AT HOPカードで支払える。4本の路線バスが島内の主要道路を各路線30分につき1本の間隔で運行しており、移動手段としてとても便利。

ワイナリーツアー

ツアー会社が厳選する有名ワイナリーを巡り、ワインテイスティングを体験でき、専門ガイドがワインや島の各所を解説してくれる。時間や送迎を気にせず、島全体を満喫できる。

マイカー

フェリーで自家用車を運び、時間に縛られず自由に行動できる。ただし、車両の運搬費用が高いため、長期滞在予定の方におすすめ。(その他、バン、キャンピングカー、バイク等の持ち込みも可能)

ワイナリー巡りの途中で素敵な絶景に会いに行こう
Stony Batter Historic Reserve

ワイヘキ・アイランドの東端に位置し、オポポ湾が一望できるスポット。人里離れたここは第二次世界大戦時代に沿岸防衛基地として選ばれ、敵を見張れるほどに位置するこの丘からの景色は圧巻。現在はウォーキングコースとなっており、歴史や自然を感じながらワイヘキを堪能できる。

Stony Batter Historic Reserve
ワイヘキ島のおすすワイナリー

Mudbrick Vineyard & Restaurant
ワイヘキ島の美しい景色を一望

ハウラキ湾を望む高台に建つその眺望や景観の美しさから、ワイヘキのワイナリー巡りには外せない場所の一つ。メルローやシラーなど赤ワイン用のブドウを中心に栽培しており、滑らかなタンニンとハーブやカシスが凝縮した味わいが特徴的。敷地内には自社菜園もあり、そこで収穫された食材やニュージーランド産の食材を使った高級感溢れる食事も素晴らしい。レストランから見渡せる大パノラマの景色は圧巻で、創業当初の1992年から変わらず手入れが行き届いたブドウ園とガーデンの美しい眺めは心を癒してくれるだろう。併設されているショップではブドウ果肉入りの石鹸などが販売されている。

Mudbrick Vineyard & Restaurant
【所】126 Church Bay Rd, Oneroa, Waiheke Is, Auckland
【時】10:00〜 (ランチ11:30〜/ディナー18:00〜)
【Web】mudbrick.co.nz

★おすすめワイン★

Velvet 2020 Waiheke Island
濃い紫色をしたこの赤ワインは、熟したベリーの果実、プラム、スパイスなどのフレーバーが凝縮されたエレガントなワイン。カベルネ・ソーヴィニヨンの風味が特徴的で長い余韻が楽しめる。
タイプ:赤 値段:$150

Velvet 2020 Waiheke Island

Man O’War Vineyards
これぞリゾートアイランドのワイナリー

ワイヘキ・アイランドの東端に位置するこのワイナリーは、島内で最も広大なブドウ園を持っている。ニュージーランドが誇るカウリの木で造られた一軒家がそのままワインテイスティングルームになっている。ワイヘキ・アイランドで唯一、海に面しており、ビーチフロントでのテイスティング体験ができる。樽熟成されたソーヴィニヨンやピノグリをはじめ、人気の飲みやすいロゼなどが味わえ、比較的手の届きやすい価格帯のワインも揃えている。車で40分かかるため行きにくさはあるが、落ち着いた雰囲気のなか広々とした芝生でコロマンデルの海岸線を見渡しながらワインやランチを楽しむことができる一度は訪れたいワイナリー。

Man O’War Vineyards
【所】725 Man O’War Bay Road, Waiheke Is, Auckland
【時】11:00〜17:00
【Web】www.manowar.co.nz

★おすすめワイン★

Exiled Pinot Gris
新鮮なネクタリンとアプリコットのしっかりした酸味が魅力の一本。フルーツの自然な甘さと深い味わいが口いっぱいに広がる甘みあるワイン。よく冷やしてから召し上がると良い。
タイプ:白 値段:$29.90

Exiled Pinot Gris

Stonyridge Vineyards
その評価を世界的に知らしめたワイヘキ島の”赤ワイン”

そのクオリティの高さから、ワイヘキ・アイランドのカベルネ・ブレンドを世界に知らしめた老舗ワイナリー。オーガニック農法でブドウを栽培し、伝統的な技術を用いて丁寧に高品質ワインを造り続けている。その自慢の赤ワインは世界有数のレストランで扱われており、一度は訪れたい、世界のトップ10のワイナリーにも選ばれている。輝くオリーブの木とブドウ園に囲まれたベランダの席は、ブドウ畑を抜ける爽やかな風や香り、雰囲気が南フランスを感じさせるとても開放感溢れるロマンティックな空間だ。ニュージーランドらしいゆったりとした時間を過ごせること間違いなし。

Stonyridge Vineyards
【所】 80 Onetangi Rd, Waiheke Is, Auckland
【時】11:30〜17:00
【Web】www.stonyridge.com

★おすすめワイン★

Stonyridge Pilgrim 2020
ブラックベリーとボイセンベリーの強い香りが特徴。熟したタンニンとしなやかなアロマの香りを持つクラシックで究極のワイン。赤肉料理との相性が抜群。
タイプ:赤 値段:$85.00
※写真は2019年のもの

Stonyridge Pilgrim 2020

Te Motu Vineyard
長い歴史に裏打ちされたワインを楽しめる

ワイヘキ・アイランドでは古いワイナリーの一つでブドウ園の中にあるモダンな雰囲気のワイナリー。カベルネソーヴィニヨンとメルローを主体としたブレンドからなる、ボルドースタイルのワインが特徴的。ブドウ作りでは土壌の質にこだわっており、ワインを口に含んだ時の風味の広がり方や滑らかさがより美味しさを引き立たせてくれる。レストランも併設されており、ニュージーランド各地で生産された食材を使用し、季節ごとに変わるメニューはより一層ワインを引き立たせてくれる。

Te Motu Vineyard
【所】 76 Onetangi Road, Onetangi, Waiheke Is, Auckland
【時】11:00〜17:00(ランチ12:00〜/金・土のみディナー18:00〜)
【Web】temotu.co.nz

★おすすめワイン★

Dunleavy ‘The Shed’ Rose 2020
太陽の光が降り注ぐ広大なブドウ園で栽培されたメルロー100%のロゼ。ストロベリーやバニラの香りが詰まった華やかな品質。食事と一緒に楽しむのがベスト。
タイプ:ロゼ 値段:$35.00

Dunleavy ‘The Shed’ Rose 2020

Kennedy Point Vineyard
ワイヘキ島ではパイオニア的存在

家族経営のワイナリーで、樹齢300年のポフツカワの木々に囲まれている木造の小さなセラードアがおしゃれで可愛らしい雰囲気。はちみつやオリーブオイルも生産し、ドアセラーで赤白両方のワインを楽しむことができる。世界の頂点を極めたエレガントで透明感ある味わいのシラーはぜひトライしてもらいたい。特に白ワインは充実している。ワインテイスティングでは、自慢のワインと合う地元の牡蠣やスモークサーモン、チーズもいただけるなど極上のワイン体験ができる。オリーブ畑にあるピクニックエリアで海を眺めながら日常を離れてみてはいかが。

Kennedy Point Vineyard
【所】44 Donald Bruce Road, Waiheke Is, Auckland
【時】11:00〜16:00
【Web】www.kennedypointvineyard.com

★おすすめワイン★

Kennedy Point Syrah 2020
2007年ヴィンテージがロンドンで行われたワインコンペティションで金メダルを受賞。オーガニック栽培されたブドウによる透明感のある味わいが特徴で、ワイヘキを代表するワイン。
タイプ:赤 値段:$59.00
※写真は2019年のもの

Kennedy Point Syrah 2020

2023年1月号掲載
取材・文 GekkanNZ