Vol.045 冬大根〜 アオテアロアの冬の台所から

ニュージーランドの食材で作れる!アオテアロアの恵みレシピ! GOURMET

気温が下がり、いよいよ冬本番という時期になると、大根が恋しくなります。

日本では昔から、角切りにした大根にはちみつをかけ、そこから出てきたシロップを冬の喉のケア(喉の痛みと咳の緩和)として用いる知恵がありました。

ニュージーランドで暮らす今、加える蜂蜜にもさまざまな選択肢があります。 

日本の大根の知恵と、アオテアロアの蜂蜜文化。その二つが出会い、この土地ならではの冬のレメディーになります。高価な蜂蜜である必要はなく、普段使いのお好みのものやブレンド・ハニーでも十分。“薬”というより、昔から台所にあった家庭の知恵を、遠く離れた土地でも育てている、そんな感覚が、冬の台所にはあります。 

小さくカット(又はスライス)した大根(約 100g)にお好みの蜂蜜(40~50g)をまとわらせ、しばらくおいておくと、大根から水気が出て甘い液体になります。ニュージーランドの蜂蜜はコクがあり液体というよりも固いペーストに近い状態ですが、大根の一部に触れているだけで、数時間後には大根から出たエキスと自然に溶け合っていきます。

実際に数種類の蜂蜜で試してみると、出来上がったシロップの風味は少しずつ異なりました。ワイルドハニー(マルチフローラル)は軽やかなバランスに、KAMAHI のクリームハニーはやさしい甘さに、マヌカハニーは少し薬草を思わせる深みのある味わいに。大根が、それぞれの蜂蜜の個性をやさしく引き出してくれるようでした。

また、大根の上部(葉に近い部分)を使えばやさしくマイルドに、下部を使えば少しピリッとした風味になり、喉に心地よく感じられます。

シロップは、喉が乾燥する時にそのまま少しなめても、お湯に溶かしても。

ほんのり甘くなった大根のほうも、そのまま食べたり、きんぴらや浅漬けなどに活用したりと、冬の台所で小さく楽しむことができます。

***蜂蜜大根は冷蔵保存の上、一週間以内を目安にお召し上がりください。

蜂蜜自体は保存性の高い食材ですが、大根の水分と合わさることで、冬の短い時間の中で楽しむ、やさしい台所のレメディーになります。

体を整える一杯 ~ 大根のポタージュ・スープ

冬の大根は、喉を潤すだけでなく、火を通すことで甘さを引き出し、体を内側から静かに整えてくれる食材です。大根のやさしい甘みを軸に、脇役として合わせるのは、ニュージーランドで親しまれている冬野菜。リークを加えれば穏やかなコクが生まれ、クマラを合わせれば土の温かみを感じるポタージュになります 。

さらに、生姜をほんの少し加えることで、体の芯からじんわりと温まる一杯に。効かせすぎず、あくまでやさしく寄り添う程度が、このスープにはよく合います。

仕上げは、生クリームで少しコクを添えても、豆乳で軽やかにまとめても。その日の気分や体調に合わせて変化させることができます。

冬のはじまりに、体を整え、静かに温める一杯として楽しんでみてください。

仕上げ例1
クリームとオリーブオイルでコクのある仕上がり
仕上げ例2
豆乳を加えた優しい仕上がり

材料

大根:400g(一本の半分程度)
リーク(白い部分):100g~150g またはレッドクマラ 100g~150g
(お好みで)生姜すりおろし:3g〜5g
昆布だし:300ml(300ml の水に粉末だし小さじ 1/2〜1を合わせてもよい)
白味噌:大さじ2〜3(味噌の塩気により調整)

オプションとして
豆乳:100ml前後(お好みで調整)
生クリーム:少々
オリーブオイル:少々

作り方

①皮を剥いた大根は、薄いいちょう切りにする。リークを使う場合は、粗みじん切りにする。クマラを使う場合は、皮を剥いて小さめにスライスする。生姜はすりおろす。

②鍋に少量のオイルを入れ、大根をゆっくり炒める。大根が透き通ってきたらリーク(又はクマラ)を加えてさらに1〜2分炒める。(中弱火で焦がさないように注意)

③昆布だしを入れ、お好みですりおろし生姜を加えて、15 分ほど煮込む。大根が完全にやわらかくなったら火を止める。

④ブレンダーでなめらかにし、味噌を加えて味を調える。

(長期保存する場合は、ここで冷めたら冷凍可能)

⑤鍋に戻し入れて温める。

⑥仕上げ

例1:温めたスープを器にそそぎ、生クリームとエキストラ・バージン・オリーブオイルを少量回しかける

例2:豆乳を加える前のスープとして、トッピング用に少量取り分けておく。 残りのスープに豆乳を少量ずつ加えながら温め、まろやかに仕上げる。器にそそぎ、中央に取り置いた元のスープをスプーンでのせ、青みを飾る。

佐々木由美
佐々木由美さん
料理家

ワナカでローカル向けの和食料理教室を毎月開催して今年で14年目。地元だけでなく北島・南島からの参加者もいる教室は今やワナカのアクティビティの1つに。ニュージーランドの旬を取り入れ、日本の文化や風習とともに紹介する季節のレシピを軸に、遊び心ある融合スタイルも提案。ベジタリアン・オプションやグルテン・フリーにも対応。

【Email】japanese.cuisine.wanaka@gmail.com
【FB】Japanese cuisine cooking class @wanaka お料理教室の情報
【IG】yumi.matcha.wanaka 創作和菓子とお茶 / wa.table.wanaka 季節の料理

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