報告:オークランド経済懇談会(二水会)担当役員・PwC New Zealand・花本聡子
コンテスト名称
2025 JSANZ Tertiary Japanese Language Speech Contest
コンテスト参加者所属大学
University of Auckland
Victoria University of Wellington
IPU New Zealand Tertiary Institution
University of Canterbury
University of Otago

コンテスト採点方式(審査期間:2025年9月)
スピーチのビデオを3名の審査員がオンライン上で視聴して採点(各審査員持ち点:最高100点)
全国の大学から参加のため、審査はオンライン形式をとる
主な評価・採点内容
プレゼンテーション力、マナー、記憶力(カンペを見ない)、スピーチ内容、メッセージ力、語学・語彙力、正確さ、流暢さ、コミュニケーション力など
コンテスト上位入賞者結果発表・名前(所属大学)・「スピーチタイトル」
1位 Mariam Sesiashvili(University of Auckland)「いろいろな文化について学ぶことの大切さ」
2位 Sean Niederer(University of Otago)「寝ることって、時間の無駄なのか?」
3位 An Grace(University of Auckland)「自分の花を咲かせよう」
※各入賞者のコンテストスピーチは、各リンクよりYouTubeにてご覧いただけます。
二水会が本イベントを支援する背景
他言語(第二外国語)を話すことは、その国の文化を知り、その国民とのコミュニケーションには欠かせない。また特に、日本語を話す若いニュージーランド人世代が増えることは、将来の日本とニュージーランドの文化・経済交流が活性・拡大し、双方にとって有益だ。これは二水会の活動方針と合致するため、本イベントへの支援を2018年から開始・継続中。 二水会は上位入賞者に「二水会賞」、その他参加者に「参加賞」を贈呈。

総括
今年もJSANZ主催、大学生部門日本語スピーチコンテストが開催され、例年通りニュージーランド全国の大学から参加者があり、関心の高さがうかがえました。参加者の皆さんは、英語を第一言語としない国からの出身者が多く、英語や日本語に加えて第三、第四の言語を流暢に使いこなしているようでした。さらに、大学卒業後に他国で活躍したいという国際的な視点を持ち、語学学習への情熱を感じさせました。
入賞者のスピーチ内容は、自分の将来の夢や、異文化交流の大切さ、ソーシャルメディアがもたらす影響等、現代の社会課についての洞察が含まれていました。
異文化を学ぶ際、良い面・悪い面をフェアに捉える視点を養うことの大切さ(Mariamさん)
寝不足が脳や自身の精神状態に与える影響(Seanさん)
SNSなど周りの影響を受けず、自分は自分ペースで生きることが大切(Anさん)
入賞者以外のスピーチは「幼少期に受けた日本語教育」、「外交官への夢を実現するための努力」、「言語学習を通じて新しい文化や歴史を理解すること」など、多岐にわたり、特に第二・第三言語や異文化を学ぶことへの熱意を感じられるトピックスでした。参加者の皆さんは、日本語の学習を通して得た洞察を多角的な視点の形成に役立て、単なる語学の枠を超えた豊かな人生経験を積んでいることが伺えました。

過去のスピーチコンテスト参加者のその後について
今年3位入賞者のAnさんについては、2018年度の高校生部門のコンテストの優勝者であり、この優勝経験は彼女にとって強い自信となり、その後大学でも日本語を勉強する道を選択したきっかけとなる経験であったとのことでした。
また、去年の1位入賞者のAndréさんは、コンテスト後、日本の大学へ短期留学し、その後も継続的に日本語を学習されているとのことです。他にも、2018年度の高校生部門のスピーチコンテストで2位を獲得されたKittyさんは、その後Auckland大学にて日本語を専攻され、2022年度の大学生部門に出場し、2位を獲得されました。
このように、本コンテストでの体験は参加者の成長に貢献する貴重な機会となっております。また、日本の文化とニュージーランドとの交流を促進し続けています。今後もこのコンテストを通じて、さらに多くの学生が自信を持てるように願っております。
JSANZ(Japanese Studies Aotearoa New Zealand)
ニュージーランド日本研究学会(JSANZ)は、日本語教育と日本研究の連携・発展を目的に設立され、国際学会発表、出版など多様な活動を展開しています。コロナ禍後の社会変化や生成AIの普及により人文学を取り巻く環境が厳しさを増す中でも、「Vision」「Value」「Visibility」の三つのVを軸に活動を継続しています。国際交流基金や二水会をはじめとする支援により開催されてきた全国日本語スピーチコンテストは、大学生にとって日本語運用能力を高める貴重な学びの場となっています。世界12団体が加盟する日本語教育グローバル・ネットワークの一員として、国内外との連携を深め、未来の日本語教育と日本研究を切り拓いてまいります。今後ともご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

JSANZ会長代理 荻野雅由


