ウエストパックとBNZが住宅ローン金利を引き上げ
ウエストパック銀行(Westpac)、BNZが相次いで1年から5年固定タームの住宅ローン金利引き上げを発表した。背景には、ここ数週間で銀行側の資金調達コストにあたる卸売金利(wholesale rates)が大幅に上昇したことがある。BNZの2年固定は4.69%から4.89%へ、3年および4年固定は0.30%上昇し、それぞれ5.29%と5.49%になった。最も上げ幅が大きかったのは5年固定で、5.29%から5.69%へと引き上げられた。6ヵ月と1年の短期レートは変更されず、4.49%に据え置かれた。主要銀行の中で、1年固定ではBNZ、ANZ、Kiwibankが4.49%で最安値を維持。2年固定では、BNZの新レート(4.89%)がANZ、Kiwibankと並んだ。5年固定ではウエストパックの5.59%が最安値。今後他行が追随してさらなる改定を行う可能性もある。各行とも、利用者の状況に合わせた最適なプランを相談するよう呼びかけている。
労働党党首ヒプキンス氏の元妻、SNS上で元夫を告発
労働党のクリス・ヒプキンス(Chris Hipkins)党首の元妻のジェイド・ポール(Jade Paul)氏が、元夫であるヒプキンス氏に対する数々の告発をSNS上に投稿した。いずれの主張も、ヒプキンス氏が違法行為に関与したというものではなく、その後、投稿は削除されている。ヒプキンス氏は元妻の主張を「全面的に否定」すると表明、私生活に関する一方的な暴露に対し、結婚生活の破綻は個人的な問題であり、メディアやSNSという公の場で議論すべきではないと強調。子どもたちの利益を第一に考えていると涙ながらに訴え、詳細な反論の応酬は控える意向を示した。今後の選挙戦では「雇用・保健・住宅」という党の本質的な政策に集中し、私生活の問題を政治闘争に持ち込まない姿勢を示したが、元妻のポール氏は依然として自身の主張を曲げない姿勢を見せており、野党党首として困難な局面が続いている。
政府が燃料危機支援策を発表:子どものいる約14万世帯が対象
政府は、燃料危機への追加支援策として、4月7日から子どものいる約14万世帯に対し、就労税額控除(IWTC)を通じて週50ドルの追加支給を開始すると発表した。現在IRDからFamily Tax Creditなどの給付を受けている場合は、手続きなしで4月7日以降の支払日に自動的に50ドルが加算される。これまでWorking for Familiesへの登録をしていなかった世帯は新規申請が必要になる。ただし、受給条件として「親の少なくとも一方が就労していること」が定められており、主な収入を生活保護などの給付金に頼る世帯は対象外となる。政府は、就労世帯には毎日の通勤コストがかかる点を強調し、働く国民に的を絞った支援だと説明しているが、貧困層支援団体はこの除外が最貧困層をさらなる窮乏に追い込むとして、政府の決定を強く非難。全ての低所得者への支援拡大と給付水準の引き上げを求めている。
NCEA、2028年から新制度へ 政府が教育刷新を閣議決定
政府は、現在の中等教育資格NCEA(Secondary school向けの全国的な学習達成資格)を全面的に刷新し、新たな資格制度を導入することを正式に決定した。2028年からNCEAレベル1を廃止し、11年生を対象とした読み書き・計算能力に重点を置いた基礎資格「Foundational Award」を新設する。また、11年生は、現在は義務づけられていない英語と数学の履修が必須となる。12年生・13年生向けのレベル2、3についても、現在の細かな単位の積み上げ方式から、科目ベースの評価を中心とした新しい2つの資格に置き換える。現行制度は断片的で悪用されやすいとの指摘を受け、国内外で比較可能な信頼性の高い資格を目指す。教職員組合や野党からは「詳細が不明瞭」「拙速なスケジュールが現場に混乱を招く」といった批判も出ている。政府は6月に全国的な説明会を行い、評価方法の細かな設計について現場と協議を進める予定だ。
4月1日から:KiwiSaver拠出率が引き上げ
ニュージーランドの年金積立制度「KiwiSaver」のデフォルト拠出率が、2028年の4%到達に向けた段階的措置の一環として、2026年4月1日より、従来の3%から3.5%に引き上げられる。長期的には、拠出率の引き上げにより、老後の蓄えが数万ドル単位で増えるというメリットがあるが、手取り額は実質的に減少し、物価高や住宅ローン金利の上昇が続く中、短期的には家計の負担増となる。現状、年金(Superannuation)だけでは引退後の生活費を賄いきれないため、将来の安心材料になるだろう。この変更は自動的に適用されるため、特別な手続きは不要だ。負担増が厳しい場合は、3ヵ月から1年間の「一時的な拠出率引き下げ(3%を維持)」を申請することも可能。ただし、その場合は雇用主側の拠出も3%に下がる可能性がある。将来の資産形成と現在の生活費のバランスを考慮し、必要に応じて申請を検討する必要がある。
社会
Bunnings、治安悪化対策で顔認証技術を導入へ
ホームセンター大手バニングス(Bunnings Warehouse)は、急増する万引きや店舗スタッフへの脅迫行為に対抗するため、顔認証技術(FRT)の導入を決定した。店舗入り口で全客の顔の特徴をスキャンし、過去にトラブルを起こした人物のデータと照合する。再犯者を特定することで、従業員や顧客を暴力や暴言から守るのが狙いで、不一致のデータは即座に破棄される。同社によると、脅迫事件の34%が再犯者によるもので、店舗での被害はこの4年で倍増している。4月よりハミルトンなどの2店舗で試験導入を開始し、順次全国へ拡大する予定。プライバシー保護については、2025年の個人情報保護監督官(OPC)による指針に基づき、プライバシーと安全のバランスを考慮した段階的なアプローチをとるとしている。マオリの専門家とも協議を行い、マオリの慣習・規範(Tikanga Māori)の原則を運用に取り入れた。
南オークランドに新病院建設へ
保健相のシメオン・ブラウン(Simeon Brown)氏は3月下旬、慢性的な医療不足に悩む南オークランド地域において、新しい病院の建設を本格的に開始したと発表した。保健局(Health New Zealand)がオークランド南部のドゥルーリー(Drury)地区の地主に対し、病院建設に適した大規模な土地の提案依頼(RFP)を発行、具体的な購入プロセスに移行する。南オークランドおよび北ワイカト地域は国内で最も人口増加が著しく、既存のミドルモア病院は南半球で最も多忙な救急部門を抱える。過去には病院の過密状態が原因で患者が死亡する事案も発生しており、インフラ整備が急務となっていた。新病院は2030年代の完成を目指しており、交通の便が良いドゥルーリーを拠点とすることで、患者やスタッフのアクセス向上を図る。将来的には、総合病院を含む大規模な医療特区としての発展が期待されている。
インフル猛威の予測:複数ウイルス同時流行で長引く体調不良に注意
ニュージーランド全土で、インフルエンザを含む複数の呼吸器感染症が同時に流行しており、専門家は2026年のインフルエンザシーズンが深刻になると予測し、警戒を呼びかけている。現在、新型コロナ(SARS-CoV2)、ライノウイルスやRSウイルスなどの一般的な風邪ウイルスが混在して流行している。特に昨年から確認されているインフルエンザA型の変異株(K系統)は、免疫を回避しやすく、昨シーズンの長期化を招いた。専門家は、抗生物質が効かないウイルス性疾患には特効薬はないため、これらのウイルスにから身を守るには、十分な睡眠、禁煙、日光浴によるビタミンD維持、新鮮な野菜・果物の摂取といった栄養管理が最善策であると強調している。ワクチン接種も重症化予防の有効な手段だ。昨シーズンの変異株に対応した最新のインフルエンザ・ワクチンの摂取は4月1日から開始されてる。
生活
「ソーセージの首都」が選んだ、ニュージーランド最高のソーセージ
2月、自称「ニュージーランドのソーセージの首都」である南島の町トゥアタペレ(Tuatapere)にて、国内のスーパーマーケット「New World」の精肉部門ナンバーワンを決定する「Sausage Showdown」の決勝戦が開催された。全国から選ばれた5人のファイナリストが自慢の逸品を競い、オタゴ地方にあるNew World Alexandraのトーマス・レメイジ(Thomas Ramage)氏が手掛けた「ビーフ・チーズバーガー・ソーセージ(Beef Cheeseburger sausage)」が見事優勝を飾った。審査は専門家ではなく、ソーセージに対して並々ならぬ誇りとこだわりを持つ400人の地元住民たちのブラインドテストにて行われた。優勝したソーセージは、牛肉にチーズ、ピクルス、さらに隠し味のピクルスジュースを加え、一口食べれば「マクドナルドのチーズバーガーを食べているよう」な懐かしくも革新的な味わいが評価された。
ニュージーランドで2025年に却下された「命名」リスト
内務省(Department of Internal Affairs)は、2025年に申請された赤ちゃんの名前のうち、不適切と判断された51件の却下リストを公開した。却下された名前で最も多かったのは「King(キング)」の8件で、次いで「Prince(プリンス)」の7件、「Princess(プリンセス)」の6件と、王室関連の称号が上位を占めた。他にも「Justice(裁判官/正義)」や「Major(少佐)」といった公的な役職・階級に類似する名前、大麻の品種名である「Indica(インディカ)」や「Sativa(サティバ)」、悪魔を指す「Lucifer(ルシファー)」、ナチスを連想させる「Heil(ハイル)」などが却下された。名前は、法律に基づき「公序良俗に反しない」「不当に長くない」「正当な理由なく公的な称号や階級に類似しない」という基準で審査される。申請が却下され、不服がある場合は、28営業日以内に家庭裁判所へ提訴することも可能だ。
オークランドのレストラン「Tala」、タイム誌の「世界で最も素晴らしい場所」に選出
オークランドにあるモダン・サモア料理レストラン「Tala」が、タイム誌の2026年版「世界で最も素晴らしい場所100選」の一つに選ばれた。2023年のオープン以来、Talaはサモアの食文化と美しさを世界に広めることを目標としている。地元のレストラン賞「Viva Top 50」で最高賞に輝いた際には「シェフの自宅に招かれたような温かさがある」と絶賛され、オーナーシェフのヘンリー・オネセモ(Henry Onesemo)氏は、昨年ミラノで開催された「The Best Chef Awards」でサモア人シェフとして初めて受賞を果たすなど、国内外で高い評価を受けている。タイム誌は、ニュージーランドにおける文化特化型のダイニングの先駆けとなった点や、食後の伝統的な手洗い儀式(apa fafano)といった体験的要素、そして「尊敬・奉仕・感謝」という指針を高く評価した。Talaの特集を含むタイム誌の特別号は、7月末に発行される予定だ。
牛肉価格が過去最高の上昇、生活インフラコストも増大
ニュージーランド統計局(Stats NZ)は、2026年2月までの1年間のニュージーランドにおける食品価格および生活コストに関する統計を発表した。発表によると、食品価格は1年間で4.5%上昇。特に肉類や野菜の値上がりが顕著で、牛ひき肉は前年比で1キロあたり4.60ドル値上がりし、2006年の統計開始以来最大の年間上昇幅を記録した。サーロインステーキも21.5%上昇し、1キロあたり約44.71ドルに達している。インフラ系では、電気代(13.2%増)やガス代(13.1%増)が大幅に上昇、国内航空運賃も前年比10.6%増と大きく跳ね上がった。家賃は新規契約分が前年比2.1%下落するなど、一部でコストが抑制される傾向も見られた。燃料費については、イラン紛争勃発前には、ガソリン・ディーゼル燃料の価格はともに下落傾向にあり、月間ベースで1.4%ずつ値下がり、前年比で見ると約6%下落していた。
芸能・スポーツ
ゴルフ:ジャパン・オーストラレイジア選手権でNZ勢が活躍
3月上旬にオークランドのRoyal Auckland and Grange Golf Clubで開催された、日本ゴルフツアー機構とオーストラリアPGAツアーの共催大会「ジャパン・オーストラレイジア選手権(ISPS HANDA Japan-Australasia Championship)」で、ニュージーランドのカズマ・コボリ(小堀一磨)が6位タイという好成績で大会を終えた。コボリは初日を首位と1打差の5アンダーで2位タイにつけ、安定したプレーを見せつつも、最終的にはスコアを伸ばしきれず優勝争いから後退、12アンダーで6位タイに終わった。優勝したのはオーストラリアのトラビス・スマイス(Travis Smyth)で、通算15アンダーで並んだジャック・トンプソン(Jack Thompson)との6ホールに及ぶプレーオフを制して初代王者に輝いた。日本勢では、木下稜介が13アンダーで4位タイにつけ、惜しくも優勝には届かなかったが、トップ5入りを果たした。
第98回アカデミー賞:NZ勢が受賞
3月15日にロサンゼルスで開催された第98回アカデミー賞授賞式において、ニュージーランド勢が主要部門で輝かしい成果を収めた。衣装デザイン賞では、ニュージーランド出身のケイト・ホーリー(Kate Hawley)氏が、モンスター映画『フランケンシュタイン』で自身初となるオスカーを手にした。英国アカデミー賞(BAFTA)に続く快挙であり、会場ではスタンディングオベーションで祝福された。視覚効果賞では、ウェリントンの「Wētā FX」チームがジェームズ・キャメロン監督の『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』で受賞。同チームにとって通算8度目のオスカーとなり、業界の最前線を走る実力を改めて証明した。その他、作品賞を含む最多6部門を制覇した『One Battle After Another』や、K-POP史上初の歌曲賞を受賞した『KPop Demon Hunters』の楽曲「Golden」などが話題を呼んだ。
世界室内陸上:トム・ウォルシュが4度目の王者に
3月後半にポーランドのトルンで開催された世界室内陸上競技選手権大会(World Athletics Indoor Championships)において、ニュージーランドの砲丸投げの重鎮、トム・ウォルシュ(Tom Walsh)選手が、自身4度目となる世界室内選手権の金メダルを獲得した。ウォルシュ選手は2位の選手に18cmの差をつける圧巻のパフォーマンスで優勝。2014年の同大会での銅メダル獲得以来、全大会でメダルを手にしており、「若手相手にまだやれることを証明できて嬉しい」と喜びを語った。同大会で、女子棒高跳びのイモジェン・アイリス(Imogen Ayris)選手は、4.70mまでをすべて1回でクリアする完璧な試技を見せ、銅メダルを獲得し、ニュージーランドに2つ目のメダルをもたらした。同じく女子棒高跳びに出場したエリザ・マッカートニー(Eliza McCartney)選手も4.70mをクリアしたが、惜しくも6位入賞に終わった。
ハリウッド大作にマオリ語の歌声
アンディ・ウィアーの小説を映画化したSF大作『プロジェクト・ヘイル・メアリー(Project Hail Mary)』がニュージーランドで公開され、今年最大のヒットを記録している中、劇中で使用されているマオリ語の合唱曲「Pō Atarau」が注目を集めている。使用曲は、1976年にトゥラキナ・マオリ女子校合唱団(Turakina Māori Girls’ College Choir)によって録音されたもの。1913年のスイスの旋律に由来するが、第一次・第二次世界大戦中に戦地へ赴く兵士を見送る歌としてマオリのコミュニティで定着した。戦後、ニュージーランドを訪れたキリスト教の伝道師が歌詞を付けてアレンジしたことで賛美歌のメロディとしてアメリカに広まったという。気候変動などの国際課題では太平洋諸島の人々が最前線にいる一方で、物語の主役として描かれる機会は少ない。今回の起用は先住民族の存在感を示す重要な一歩と受け止められている。
