ニュージーランドニュース「ごみ分別2割以上不徹底」ほか

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若者と女性が大躍進

今回の選挙で注目されたのは若手女性の活躍だ。グリーン党は、クロエ・スウォーブリック議員の再選に加え、ウェリントン中央では市議から転じたタマサ・ポール候補が初当選、ロンゴタイ選挙区でもジュリー・アン・ジェンター候補が選挙区初勝利で5選を飾った。従来は比例区頼みだったグリーン党は、選挙区選挙で前例のない3議席を女性候補が確保した。またマオリ党では、21歳のハナ・ラフィティ・マイピ・クラーク候補がマオリ選挙区で労働党のナナイア・マフタ外相に競り勝った。同党は比例区では2.6%の得票だが、マオリ選挙区7議席のうち4議席を確保した。ACTもブルック・ヴァン・フェルデン副党首が、選挙区で勝利する強さを見せた。

残るクリス、去るリトル

労働党のヒプキンス代表は、党代表に留まる。二大政党では選挙に敗れると党代表が交代するのが普通なので、25人以上が落選する大敗で留任は珍しい。党代表をアーダーン氏から引き継いだ時点で労働党の支持率は低迷していたので、敗北をヒプキンス代表の責めに帰さず、再起を期す。一方、当選4回のリトル議員は、ヒプキンス代表の留任を支持しつつ自らは引退を表明した。比例名簿7位の同氏の引退によって当選が1人繰り上がる。野党時代の労働党を支え2017年選挙の直前にアーダーン氏と代表を交代して政権交代へ道を開いたリトル氏の引退に際し、国民党のラクソン代表は「長年に渡り卓越した能力を示した。その貢献に最大限の賛辞をおくる」と述べた。

来訪者コロナ前の7割に

統計局が発表した、8月までの年間来訪者数は269万5,000人で、コロナ前のピークだった約400万人の7割弱に戻った。8月に限れば同82%に回復している。豪州やシンガポールなど早いペースで来訪者数が増える国がある一方、中国や日本からの来訪者数は回復が遅れている。コロナ前は45万人を数えた中国からの来訪者はまだ9万弱で最盛期の2割しかない。日本からの来訪者も留学やワーキングホリデーが先行し、観光客がなかなか増えないが、これは円安や物価上昇も一因とみられる。その一方、20年前に19位だったインドからの来訪者は年間7万人に増え、中国に次ぐ5位になった。本格的な観光シーズンを迎え、日本や中国からの来訪者の回復が期待されている。

ごみ分別2割以上不徹底

オークランドの南にあるリサイクル処理施設では、50 万世帯から毎週トラック1000台分のリサイクルごみを受け入れるが、その25%は再利用できず、一般ごみとして埋設処分場に再輸送されている。その一方、埋設処分場に搬入される一般ごみには、リサイクル可能なものが約30%混入している。同施設のリサイクル責任者のナタリア氏は「リサイクルごみの中に一般ごみが、一般ごみの中にリサイクルごみが混ざりすぎる」と、ごみ処理についてさらなる理解と協力の必要性を強調した。一般ごみとリサイクルごみの混入率は地域で異なる。クライストチャーチは11%で模範的、次いでウェリントンが15%、タウランガ23%、ハミルトン35%となっている。

Text:Kazzy Matsuzaki 

2023年11月号掲載