【CNCマシニスト】移住後2週間で採用された秘訣とは?スキルと経験を活かし、週休3日で家族との時間も大切に- Tatsuさん

CNCマシニスト/【Auckland】Tatsuさん BUSINESS

海外旅行が好きで、いつか海外に移住したいと思っていたというTatsuさんは、日本で工作機械オペレータ―として経験を積み、ニュージーランドに移住後2週間で仕事をゲットした。経験とスキルがあれば仕事を見つけることが比較的容易な工作機械オペレータ―だが、たった2週間で採用されたのにはちょっとした秘訣があったという。ニュージーランドの自然を満喫しながら自分らしく働くTatsuさんに、移住前の準備やニュージーランドの職場で重視されていること、日本人だとちょっと得する業界のヒミツについてお話を伺った。

Q. ニュージーランドへ来たきっかけは何ですか?

ニュージーランドに来たのは2017年2月です。当初はオーストラリアに行く予定でワーホリビザを申請していたのですが諸事情で行けなくなり、次の候補として挙がったのがニュージーランドでした。調べているうちに日本人には移住しやすい国だと言うことがわかり、ニュージーランド行きを決めました。

Q. 工作機械オペレータの主な仕事内容について教えてください。

今勤めている会社では、CNCマシニスト兼プログラマーとして働いています。

CNCとはコンピューター数値制御のことで、CNCにより運転を行う工作機械の加工プログラムを作成し、それをもとに機械を操作して金属材料を加工します。医療機器や潜水スーツのマスクなど、精密加工が必要な部品を製作しています。

就業時間は朝6時から16時半までの1日10時間勤務で月曜日から木曜日まで、そして金土日は休みの週休3日です。

Q. ニュージーランドでの仕事はどのように探しましたか?

ニュージーランドに来て初めて働いた会社は、Trade Meで求人を出していたローカルの金属加工会社でした。移住直後は時間だけはあったので、メールを送った後、返事が来る前に会社に直接訪問してみたら、すぐに面接をしてくれることになりました。日本でも同じ仕事をしていたので、その経験とスキルを評価され、採用が決まりました。ニュージーランドに着いて2週間という短期間で仕事をゲットできたので、今思えばラッキーだったなと思います。

当時のボスになぜ僕を採用したのかを聞いてみたら「しっかり経験があることが確認できたから」と言っていましたが、僕は、上手く行ったポイントは直接会社に出向いたことではないかと思っています。ニュージーランドの会社には国内だけでなく国外からの応募もよくありますし、一般的にCVには顔写真を載せないので、会社は応募者がどんな人なのか評価するのが難しいことが多いのです。そんな中、僕は自ら訪問したことが好印象に繋がり、経験やスキルに加えて評価されたのかもしれません。

ウェリントンにあるその会社で7年働いた後、同業他社に転職して、今はオークランドで働いています。この会社はSeekで見つけました。何社かに応募してなかなか返事が返って来ない中、すぐ返信してくれたのが今の会社でした。最初に電話面接、技術面を見るテクニカル面接を経て、最後は直接会社へ出向いての最終面接の計3つの面接をクリアして、晴れて採用となりました。

ちなみに、CVは全部AIに作ってもらいました。自分で作るより圧倒的に良いものが出来るからです。また、自分のインスタにアップした画像や動画を面接でシェアすることで、今までやってきたことを上手くアピールすることができたと思います。

Q.ニュージーランドで工作機械オペレーターとして働くために必要な資格、あった方がいい経験などがあれば教えてください。

工作機械オペレータ―としてニュージーランドで働くには、やはりその業界での経験が必要です。僕はもともと日本でこの仕事をしていたので特に資格などを提示した記憶はありませんが、ニュージーランドで勉強する場合は、見習い期間を終えるとその分野のTrade Qualification(技能資格)が貰えます。

全くの未経験からスタートして経験を積んでいくことも可能ですが、ワーホリビザでは難しいかもしれません。この仕事は通常、資格を取るまで3、4年の研修期間が必要なので、その期間を補えるビザが取得できるかが問題になってきます。日本である程度経験を積んでから一人前の技術者としてニュージーランドに来る方が理想的ですね。

英語については、もちろん最低限は必要ですが、会社は英語よりも「スキルがあって仕事を終わらせられる人」を探してることが多いので、英語のレベルはそこまで見ていません。しっかりコミュニケーションさえとれれば大丈夫でしょう。

Q. 工作機械オペレーターとして働くうえで、日本人であることのメリットを感じることはありますか?

特にないですね。時々日本製の機械や工具があるので、日本語の説明書を翻訳してほしいと頼まれるくらいでしょうか笑

移住当初は、「日本人は勤勉で細かい仕事が出来る」と思われてるから採用に有利に働くかなと思っていましたが、そういうことを言われたことはありません。移住してから気づきましたが、ニュージーランド人でもよく働き、手先が器用な人は沢山いるんです。

Q. 「ニュージーランドで働く」ならではの楽しさや魅力、やりがいについて教えてください。

やはり定時で帰れて家族との時間をしっかり取れるところがいいですね。有給休暇は取るのが当たり前で、調整さえできていれば、1カ月まとめて休んでも誰も文句を言いません。「休みをとって旅行に行った話を職場で楽しくできる」という経験は、日本では無かったと思います。

また、転職することによって給料やキャリアアップをはかるのが一般的なので、仕事を辞めることにネガティブな印象がないのも働きやすい要因の一つだと思います。

Q.また反対に大変なことや難しいと感じる部分はありますか?

やはり言語と文化の違いが一番難しいですかね。

日本語だと上手く説明できるのに!という場面は沢山あり、色々と悔しい思いもしましたが、最近になって少なくなってきたかなーという感じです。

文化の違いはある程度覚悟して、柔軟な対応をしていかないといけないかなと思います。

Q. ニュージーランドと日本での働き方の違いなどはありますか? 

僕の個人的な印象ですが、ニュージーランドでは職場でのコミニュケーションを重視していているように思います。何か問題が起きたりすると、何が起こったのか、現状はどうなっているのか、そして考えられる原因は何かを、それぞれの立場から率直に話し合うのです。とにかく「聞く」「話す」ことを日本より頻繁にしているなという印象です。

Q. オフの日や仕事終わりの過ごし方はどのような感じですか?

ニュージーランドは、都会のオークランドであっても近くにビーチや自然が多いので、時間があれば2歳の息子を出来るだけ連れ出して色々と経験させるようにしてます。良いキャンプ場も沢山あるので、夏の過ごしやすい時期はよくキャンプに出掛けます。

Q. 最後に、これからニュージーランドで工作機械オペレータとして働きたいと考えている方に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。

ニュージーランドでは、業界に関係なくスキルや経験さえあればしっかり評価してくれます。日本ではなかなか給料があがらないものづくり業界ですが、ニュージーランドでは定時で帰っても食べていけるくらいの待遇は期待できますし、さらに経験を積んでいけば最近だとシニアマシニストであれば年収10万ドルの求人広告もちらほら出てきました。もし海外移住に興味があるなら、是非スキルや経験をつけてから一歩踏み出してほしいですね。


CNCマシニスト/【Auckland】Tatsuさん

CNCマシニスト/【Auckland】
Tatsuさん

大阪府出身。ニュージーランド在住8年。日本では工作機械オペレーターとして7年経験を積んだあとニュージーランドに渡航。趣味はドライブ、キャンプ、家族の時間。海外旅行が好きで、いつかは海外移住したいという思いがありました。英語を勉強する為にフィリピンへ短期留学したこともあります。

[X] https://x.com/TatsuNz
[IG] https://www.instagram.com/tatsunz/
[youtube] https://www.youtube.com/@TatsuNZ

取材・編集 GekkanNZ

この記事の内容は個人の過去の体験談です。必要な場合は、最新の情報をご確認ください。

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