春になると自然と手が伸びる、桜をも連想させるロゼワイン。
今回はそんなロゼの魅力について深掘りしましょう。
ロゼワインってどうしてピンク色なの?
「白ワインと赤ワインを混ぜているの?」そんな声を聞くこともあります。確かにブレンドして造られるロゼワインはありますが、ブレンドによって非発泡性ロゼを造ることが禁止されている国もあり、実際には「黒ブドウ」を使って造られることが多いのです。黒ブドウといえば、通常は赤ワインの原料となりますが、いくつかのテクニックによって、異なった色合いのロゼワインが生み出されています。
色素をたっぷり含むブドウの皮や、タンニンを含む種との接触をできるだけ抑えて、白ワインのように果汁のみを発酵させることによって、淡いピンク色のワインが出来上がります。ロゼの一大産地フランス・プロヴァンス地方の淡いワインは主に、直接圧搾法と呼ばれるこの方法で造られています。
また、黒ブドウの皮や種を果汁に漬け込んで造る方法もあります。赤ワインの醸造との違いは、漬け込む時間です。大幅に短く、数時間から数日だけの接触に抑え、求めるレベルの色、タンニン、フレーバーを抽出します。そうすることで、基本的には直接圧搾法よりは濃いピンク色のロゼが出来上がります。

ニュージーランド産ロゼワインの特徴
ニュージーランドでは、北から南まで多様なスタイルのロゼワインが生産されています。黒ブドウの中で生産量が一番多いピノ・ノワールから造られるスタイルが主流ではありますが、メルローやシラーなど他の品種や、白ブドウを使用したワインもみられます。大半は辛口で、残糖があっても少量なことが多く、スッキリと軽やかな飲み心地です。
万能ロゼとのペアリングを楽しもう
ロゼワインの魅力は、見た目の華やかさだけではなく、料理との相性の良さもポイントです。
たとえば、サーモンやエビなどのピンク系食材と、色を合わせて楽しむのはいかがでしょう?
春野菜のサラダやお魚料理はもちろん、アジア料理やスパイスの効いた料理などの味付けにも寄り添ってくれる頼もしい存在です。
ロゼワインのほとんどは、透明ボトルで美しい色を見せてくれています。だからこそ、「この色が好き!」という感覚で選ぶのもあり。味わう前に見た目から楽しむ、それもまたロゼワインの醍醐味です。
ワインエキスパートの理沙さんの厳選ワインをご紹介!

Two Rivers Isle of Beauty Rosé 2024
爽やかさと華やかさが重なり合う香り。
赤いベリーを思わせる果実味に、イキイキとした酸が調和し、バランスの取れた味わいを演出。
品種:ピノ・ノワール
産地:マールボロ


Man O’ War Pinque Rosé 2025
厳選された冷涼な沿岸地で育ったブドウから造られた、透明感のある1本。
ハーブのような清涼感と、ほのかな塩味が印象的。
品種:メルロー、シラー、マルベック
産地:ワイヘキ島



ダイヤー 理沙 さん
2001年からニュージーランド在住。
J.S.A ワインエキスパート。WSET Level3。
ワインの勉強をしつつ、お料理とのペアリングを考えたり、NZでのワイナリー勤務の経験、現地の視点を交えてNZワインの魅力やお役立ち情報を発信中。
Instagram: @luv.vin.nz
WEB: lovewinenz.blog
Email: info@lovewinenz.com

