カラダメンテ:ストレス解消!肩こり改善に!

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ストレス解消のための子どものポーズと牛のポーズ

今月は、呼吸のリズムに合わせ、ゆったりとそれぞれのポーズを交互に行うことによって心と身体に安らぎを与える、ストレス解消のためのフローです。

子どものポーズと牛のポーズ

子どものポーズは、太もも、股関節および足首のストレッチのほか、上半身を前に倒すことで、首、肩、背中、腰の筋肉をリラックスさせて、脳を休め、自律神経のバランスを整えます。高ぶった気持ちを鎮め、ストレスや疲労を軽減する効果があり、就寝前に特にお勧めのポーズです。

牛のポーズは、胴体の前側(恥骨から喉に向けて)を伸ばすことにより、背骨と腹部組織をマッサージし、月経中の不調緩和や姿勢改善にも効果的です。

❶足の親指が重ならない程度に近づけ、ひざは腰幅程度に開き正座をします。背筋を伸ばしながら両手を前方の床につき、息を吐きながら骨盤から上半身を前に倒して、おでこをそっと床につけます。
おでこが床に届かない、あるいはめまいがする場合は、拳または手を重ねてその上におでこを載せます。お尻がかかとに届かなくても気にせず、背骨が楽に伸びて、尾骨がかかと方向へ向かおうとする感覚を味わいます。首や肩の力は抜き、背中や腰は丸くなった状態で柔らかく保ちます。

❷❶の状態で十分に息を吐き切ったら、両手をしっかりと床に付け、吸う息で前腕とひざ下部分が床についている状態まで体を起こします。一旦背筋を伸ばし、顎は若干引き気味にして、腰から首までが一直線になるのをイメージし、一呼吸置きます。

❸大きく息を吸いながら、坐骨を持ち上げ、胸を上腕の間に通すように、前に上にと引き上げます。
頭頂は天井方向、おなかは床方向、視線は楽に前方方向へ。この際、鎖骨を開き、肩はなるべく耳から遠ざけることを意識すると、首への負担が軽減できます。この後、ゆっくりと息を吐きながら、上半身を再度太腿まで降ろし、子どものポーズに戻る、数呼吸置いてから、上体を起こし四つん這いに戻る、をゆったりと繰り返しましょう。

子どものポーズ
①正座をして、背筋を伸ばしながら両手を前方の床につきます。息を吐きながら、骨盤から上半身を前に倒していきます。(子どものポーズ)
両手をしっかりと床に付け、吸う息 で、体を起こします
②両手をしっかりと床に付け、吸う息で、体を起こします。一旦背筋を伸ばし、腰から首までが一直線になるのをイメージして。
牛のポーズ
③大きく息を吸いながら、坐骨を持ち上げ、胸を上腕の間に通すように、前に上にと引き上げます。頭頂は天井方向、視線は前方へ。(牛のポーズ)

子どものポーズは胸部・腹部に圧がかかり、息を吸う時背中が膨らむのを感じ取れます。上半身全体を使って呼吸する感覚を身につけましょう。

肩こり改善に、手を組んで前屈するポーズ

パソコン作業、車の運転、家事、育児など日常の動作の中で、肩・首・頭の位置や傾きは正しいポジションからズレてしまいがちです。背中が丸まっていたり、顔が突き出ていたりすると、頭部を支える筋肉に過剰な負担がかかり、首の筋肉が硬直してしまうため、血流やリンパの流れが妨げられ、老廃物が滞って肩こりを引き起こします。

肩こりを長期間放っておくと、もんだり叩いたり、鍼治療や温冷治療などを行ったりしても、一時的に症状が緩和するのみで、頭痛や、首、腰や腕の痛みやしびれを引き起こす可能性があります。肩こりを改善するには、普段から首や肩の位置を正しく保ち、姿勢に注意を向けながら、意識的に首や肩の筋肉の負担を和らげていく必要があります。

そこで今回は、肩こり体質を改善していくための、手を組んで前屈するポーズをご紹介します。

ウタナーサナ・バリエーション

このポーズは、上腕部から肩甲骨にかけての関節や筋肉をリラックスさせるためのストレッチです。肩から背中にかけての緊張や張りを和らげることで、美しい姿勢が保てるようになり、肩の負担も軽減し、肩こりの改善が期待できます。さらに、程よく筋肉が刺激され、腕や首筋ラインのスリムアップにも効果的です。

❶足を腰幅に開いて立ち、後ろでしっかりと手を組みます。腕を伸ばし手の甲部分を床方向に下ろし、大きく息を吸いながら胸部を開き、天井に引き上げます。この際、顎は若干引き気味にします。

❷吐く息で、ひざを大きく曲げながら、上体を前に倒し、おなかを太ももの上に乗せていきます。

❸吸う息でお尻を天井へ引き上げ、脚の後ろが伸びるのを感じます。無理のない程度に手を前方向に伸ばしてみましょう。吐く息で首の力を抜き、頭頂を床に向け、腕を伸ばしながら手の甲を天井へ引き上げます。この状態で、楽に数呼吸。吐く息で、足裏で地面を強く押し、ゆっくりと立ち位置に戻ります。額、頬、あごの筋肉を緩めて行いましょう。

腕を伸ばし手の甲部分を床 方向に下ろし、息を吸いながら胸部 を開き、天井に引き上げます
①足を腰幅に開いて、後ろで手を組みます。腕を伸ばし手の甲部分を床方向に下ろし、息を吸いながら胸部を開き、天井に引き上げます。
吐く息で、ひざを大きく曲げながら、 上体を前に倒します
②吐く息で、ひざを大きく曲げながら、上体を前に倒します。この時、背筋を伸ばし、おなかを太ももの上に乗せていきます。
吐く息で頭 頂を床に向け、腕を伸ばしながら手 の甲を天井へ引き上げま
③吸う息でお尻を天井へ引き上げ、脚の後ろを伸ばします。吐く息で頭頂を床に向け、腕を伸ばしながら手の甲を天井へ引き上げます。

眉間にしわを寄せたり、歯を食いしばったりせずできる範囲で行うこと。痛気持ちいい程度で、ゆったりとした気持ちで呼吸に注意を向けて。

※本コラムで紹介する情報はあくまでも補助的なものです。既存の症状がある場合は、まず専門医を受診することをおすすめします。

Misato Radovanovich
Misato Radovanovich
ラドヴァノヴィッチ京(井上 京)

十代のころにヨガに目覚め、衣食住含め生活の節々にその哲学を取り入れる。RYT500認定ヨガ講師。

YOGA WEST、Unity Studiosほか
マタニティヨガ、産後ヨガ、ハタヨガ、リストラティブ、陰ヨガ、瞑想及びマインドフルネス、ヴィニヤサ、体質及び姿勢改善ヨガなどの多彩なプログラムを担当。
【Web】yogabliss.theblog.me


2021年1月/3月号掲載