ニュージーランドにとって、日本は第４位の貿易相手国であり、日本からの投資額は第４位。多くの日本企業が、ニュージーランドに投資していたり、貿易の取引先となっていたりと、ニュージーランドの地方の雇用や経済成長に貢献してきました。今回は、日本のニュージーランドの主要な経済面での結びつきについて、大澤大使のこれまでの出張の様子とともにご紹介します。
１. 農林漁業
ニュージーランドの輸出額の７割は農林水産物。加工、運送などの関連産業とともに、地方部の経済活動を支えています。日本企業は、ニュージーランドの第一次産業に、何十年も前から投資し、日本をはじめ世界中に製品を輸出。施設等を視察させていただくと、規模や、マーケットの考え方の違いに毎回驚かされます。ニュージーランドは、農産物のほとんど（牛肉、乳製品、キウイフルーツは生産の約９割！）が輸出されるので、常に世界市場を意識しています。
２. 再生可能エネルギー
ニュージーランドは、国内総電力の88％が再生可能エネルギー由来。最近では、水力に加え、地熱、風力、太陽光等の新たな再エネ開発が進められています。昨年、日本企業が受注したタウハラ地熱発電所が完成。ラクソン首相も開所式に駆け付けました。また、再エネ電力をもとに作られたグリーン水素の活用（水素ステーション建設、水素自動車のカーシェア等）にも、日本企業が投資しています。
３. 航空宇宙産業
ニュージーランドは、実は、世界４位のロケット打ち上げ数を誇っていて、日本製の人工衛星も、ニュージーランドから数多く打ち上げられています。また、ニュージーランドの宇宙ベンチャー企業へ日本企業が出資しています。昨年は、日本のJAXAの理事長がクライストチャーチ、オークランドの関連施設を初めて視察。更なる協力関係の強化が期待されます。
４. 終わりに
伝統的な農林水産業だけでなく、再エネや宇宙といった、新たな分野でも二国間の協力が着実に進んでいます。このような経済面での関係強化をお手伝いすることが、大使館経済班のお仕事ですので、何かあればいつでもご相談下さい。
最後に一言。視察させていただく各施設の皆様には、いつも非常に丁寧にご対応いただき、大使、随行者ともども大変勉強になっており、改めて感謝申し上げます。
これからもよろしくお願いします。
大使館 経済班 神廣書記官
日本国大使館、こんな仕事もやっています
短い夏が終わってしまいました。皆さんは今年何回海に行きましたか？
ウェリントンの海は冷た過ぎて、入るのにかなり勇気がいるんです！！
さて、今回はサッカーイベントのお話です。
まだまだ休みモードだった1月末、大使館では広報事業第一弾「Cross Pitch Conversations – Insights into NZ & Japanese Football（フェニックス日本人選手に語ってもらおう！ニュージーランドと日本のサッカー文化の違い）」を行い、プロサッカーチーム「ウェリントン・フェニックス」に所属する長澤選手、石毛選手、田中選手がそれぞれ日本人選手としてニュージーランドでの生活、ニュージーランドのサッカーをどう見ているかや、文化の違いに基づく発見や学びを紹介してくれました。
ニュージーランドの夏休みはしっかり、長く、が基本。人が来てくれるのか不安でしたが、いつもピッチで活躍しているプロ選手の話が間近で聞けるとあって、ニュージーランドのサッカー関係者、スポーツや教育に従事している指導者、若い世代の方々、約100名の大盛況。
サッカースタイルの違いについては、ニュージーランドの選手は、身体的な強さと速さが魅力、一対一ではかなわない、一方日本人選手は技術力・戦略が強みなので、それを生かして、ニュージーランド選手をかわすことができるよう試行錯誤しているそう。試合以外の気づきとして、「ニュージーランド選手は親切でおおらか、自分を家族のように見てくれて、とても居心地の良い環境」 「性別や人種、年齢にとらわれず、共に練習する多様性のある環境は日本になく、良い部分」「チーム内にヒエラルキーがなく、選手・スタッフが対等に意見を出し合ってコミュニケーションできることによるチームの一体感・家族感は素晴らしい」「自分が若かったときと比べると練習量は少なく感じる」「日本では4日練習して試合だったのが、ニュージーランドでは3日練習して試合なのでコンディション調整が難しい」等、非常に興味深いお話が聞けました。
長澤選手は美味しいコーヒー、石毛選手は豊かな自然、田中選手はチームメイトが連れていってくれる夕焼けのきれいな海岸が気に入っているそう。3選手がそろって驚いているのはウェリントン名物、強い風。でも皆さんそれぞれニュージーランドでの生活を満喫されているようで、すてきな笑顔を見せてくれました。益々のご活躍をお祈りしています。頑張れ、フェニックス！
大使館 広報担当 田口
