いざというとき、どうする?知っておきたい、医療・緊急サービスの基礎知識

いざというとき、どうする?知っておきたい、医療・緊急サービスの基礎知識 IMMIGRATION

どんなに健康に気をつけていても、急に病気になったり、事故でけがしたりすることもある。
そんなときに慌てないよう、ニュージーランドの医療・緊急サービス事情を知っておきたい。
永住者・長期滞在者はもちろん、ワーキングホリデーメーカーや短期滞在者が利用できる制度も充実しているので、覚えておこう。

ニュージーランドの医療システム

ニュージーランドの医療システムは一次医療と二次医療の2段階に分かれている。病気でもけがでも医師の診断が必要な場合は、緊急時を除き、まずGP(General Practitioner=一般医)と呼ばれる一次医療機関に相談する。GPが専門医に診てもらう必要があると判断した場合のみGPの紹介状を持って二次医療に進むという仕組みだ。GPは日本でいうかかりつけ医。義務ではないが、自身のGPを決めてPHO(一次医療サービス機関)登録しておくことがおすすめ。PHO登録するとGPに掛かる診察費が割引される。
GPは予約制で、診療費は通常$60~80程度(PHO登録している場合)、13歳以下の子供は無料。最寄りのGPはHealth Pointのウェブサイトで検索できる。

薬について

風邪薬や頭痛薬など一般的な市販薬はスーパーマーケットや薬局で購入できる。そのほかの薬剤を入手するには医師の処方箋が必要。ほとんどの処方箋薬は1品$5。

診療時間外・緊急時はどうする?

GPの診療時間は一般的に月~金曜の9:00~17:00。夜間や週末に診てもらいたい場合は、GPの診療時間外に対応するAfter Hours Clinicへ。After Hours Clinicの多くは予約不要で受診可能だが、PHO登録していても料金が発生する。目安は大人$50~100前後、子供は無料または割引あり。
After Hours Clinicは発熱、軽いけがなど緊急度は低いがすぐに受診したいときに利用するクリニック。症状が深刻で急を要するときはAccident & Medical Clinicまたは公立の総合病院緊急科(ED=Emergency Department/ER=Emergency Room)へ直接行くか、救急車(111)を呼ぶこと。Accident & Medical Clinicは基本的に夜は20:00頃までオープンしており、週末や祝日でも診察してもらえる。
ED/ERは24時間対応しており、ニュージーランド市民・永住者・ワークビザ保持者であれば原則として無料。ただし、緊急度で優先順位がつけられるため、軽症と判断されると診察までに長時間待つ可能性が高い。
緊急時に備えて、あらかじめ近くのAfter Hours ClinicやED/ERを調べておくと安心。Googleなどで「after hours clinic + 地名」や「urgent care + 地名」で検索したり、Health Pointの公式サイト内の「Service type」で“Urgent Care / After Hours”を選び、「Location」に地名を入力して調べることができる。

主要都市にある主なAfter Hours ClinicとEmergency(ED/ER)施設

オークランド

住所:52 St Lukes Rd., St. Lukes
対応時間:8:00~20:00、無休、予約不要

住所:Park Road, Grafton
対応時間:24時間、無休

ウェリントン

住所:17 Adelaide Rd., Mount Cook
対応時間:8:00~21:00、無休

住所:Riddiford Street, Newtown
対応時間:24時間、無休

クライストチャーチ

住所:401 Madras St, Christchurch Central
対応時間:24時間、無休

住所:2 Riccarton Ave
対応時間:24時間、無休

After Hours ClinicとED/ER、どちらに行くべきか迷ったら…
命の危険がある(意識喪失、激しい胸痛、呼吸困難など)
 →Emergency(ED/ER)へ、または救急車を呼ぶ
急な高熱、軽度のけが、吐き気、頭痛など→After Hours Clinicへ
子供が発熱したが夜でGPが開いていない→After Hours Clinicが便利
交通事故やスポーツ中のねんざ・骨折など→After Hours Clinic or ED/ER(どちらも後述のACC対象)

救急車サービス

ニュージーランドで救急サービスを提供しているのはSt. John Ambulance。病院にも政府にも属さない慈善信託機関で、救急車を呼ぶと搬送費用がかかる。ニュージーランド居住者(市民、永住者、2年以上のワークビザ保持者など)が救急車サービスを利用した際の費用は$125(2025年8月現在)。事故(ACC対象)の場合は無料になることもある。St. Johnの救急車会員は搬送費用が不要なので、心配な人は加入しておこう。会費は年間1人$70、2人$96、家族で加入すると$115(2025年10月1日現在)。なお、ワーキングホリデーメーカーや短期滞在者が救急車を呼んだ場合は全額負担の$800がチャージされる。海外旅行傷害保険に必ず入り、補償内容を確認しておこう。

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