バスか逮捕か:飲酒運転を減らすために
オークランド交通局(Auckland Transport、以下AT)は、ニュージーランド警察およびニュージーランド交通局(NZ Transport Agency、NZTA)と協力し、飲酒後の運転を避けるために公共交通機関の利用を促すキャンペーン「Better Together」を6、7月に展開している。これは飲酒運転の減少を目指す取り組みで、今年で3年目になる。最近は呼気アルコール検査で基準値を超える運転者の割合は減ってきているが、依然として飲酒運転による重大事故や死亡事故は多く、被害者の半数以上が歩行者や自転車やバイクの利用者などの交通弱者である。警察は、検問強化により飲酒運転は捕まる可能性が高くなっているため、飲酒の予定がある人は公共交通の利用や飲酒しない運転者の事前確保をするよう呼びかけている。ATは毎日1万1,000以上の公共交通サービスを提供し、深夜バスや郊外への路線も充実している。

シティ・レール・リンク大規模プロジェクトが完成に近づく
オークランドで進行中の大型交通プロジェクト「シティ・レール・リンク(CRL)」が完成に近づいている。約55億ドルを投じたCRLは、市内を結ぶ鉄道網を強化し、都市の移動手段を抜本的に変えるとされる。通勤の利便性向上、交通渋滞の緩和、駅周辺の住宅・雇用促進といった多面的な効果が見込まれる。特にカランガアハペ(Karanga-a-Hape)駅などにはマオリ文化を取り入れたアートが施され、文化的にも魅力ある空間となっている。市は、CRLが未来志向の都市構造を実現すると強調し、国際的にも高く評価されるインフラ事業であると述べている。5~8分間隔の運行や他の交通機関との接続も改善される予定で、時刻表不要の快適な移動が可能になる。さらに、駅周辺の土地価値を高め、新たな住宅供給や経済活動の拠点としても期待されており、雇用創出や都市の生産性向上にもつながると見込まれている。

市の不用品回収予約受付開始
不要になった中古品の処分に困っているとき、状態が良ければ家族や友人に譲ったり、ネットで販売、地域のリサイクルセンターやチャリティショップに寄付したりする方法がある。しかしこれらの手段が難しい場合は、オークランド市が実施する年次不用品回収サービス(inorganic collection)を利用しよう。今後12カ月の回収予約が7月に始まった。回収は再利用可能なものと埋立て用に分けて行われ、再利用可能な品は修理や再加工のうえ、地域団体や学校、アートグループなどに無償提供される。不用品を出す際は、予約の上で回収日前夜から当日の朝に敷地内に整頓して置くのがルールだ。不用品回収は、古いノートパソコン、携帯電話、カメラなどの電子機器(e-waste)も対象だが、電子機器の不用品は指定場所に持参する必要がある。申し込み方法や回収対象品は市のウェブサイトで確認を。

ホームレス問題に取り組む新しいサービス
カウンシルのコーラウ・マティニティ社会文化経済委員会(Kōrau Mātiniti Social, Cultural and Economic Committee)は、慢性的なホームレス問題への対応を強化し、支援体制を一元化するための新たな「ホームレス調整サービス(Homeless Coordination Service)」を設立することを承認した。これにより46万ドルの資金がカウンシルから拠出される。このサービスは、ダウンタウン・コミュニティ・ミニストリー(DCM)、ウェリントン・シティ・ミッション(Wellington City Mission)、ヘ・ヘレンガ・クラ(He Herenga Kura)の3つの支援団体によって運営され、特に夜間や週末など支援が届きにくい時間帯の対応を重視する。この取り組みは、路上生活者の尊厳を守りながら、複雑な支援が必要な人々への対応を強化し、住宅・医療・社会福祉機関の連携を通じて支援の質と継続性を向上させることを目的としている。

市内のバス移動をより多く、より速くするための次のステップ
ウェリントン中心部で長年待たれていた2本目の主要バスルート計画が進行中で、8月にカウンシルと地域議会が承認を検討する予定だ。新ルートはWhitmore Street、Customhouse Quayなどウォーターフロント沿いを走ることで、Golden Mileの混雑を緩和し、公共交通の容量増加を図る。導入されれば信頼性が高く環境に優しい交通手段となり、Te PapaやQueens Wharf、Civic Squareなどの観光施設へのアクセスも改善される。ルートには既存と新設を含む12の停留所が設けられ、すべての停留所に屋根が設置されるほか、一部区間にはピーク時の専用バスレーンも設けられる予定。初期段階ではピーク時に1時間あたり約30台のバスが運行され、将来的には60台・乗客の約60%に増加する見込み。市の道路インフラの将来的需要に対応するためにも重要な一歩であり、2026年12月の運行開始を目指す。

テ・ンガカウ市民区の再開に向けた道路工事開始
ウェリントン市は、市の中心部にある「テ・ンガカウ市民区(Te Ngākau Civic Precinct)」の2026年3月再開に向け、大規模な道路工事を開始する。この工事は、カウンシルなどが連携して行うインフラ整備や改善プロジェクトであり、住民や訪問者には一部影響が出るものの、連携体制で混乱を最小限に抑える方針だ。主な工事は、7月から2026年2月にかけて、Wakefield Streetの車線規制、主要交差点の閉鎖、Amora歩道橋の撤去、Market LaneやVictoria Streetの改修、Harris Streetのアップグレードなどが予定されている。マオリ語で「心臓」を意味するTe Ngākauは、首都の主要な芸術・文化施設が集まる場所であり、中心市街地とウォーターフロントを結ぶ役割を担っている。2013年と2016年の地震で被害を受け、耐震性向上が課題だった。工事の詳細はカウンシルのウェブサイトで確認を。

クライストチャーチの新しいアルコール規制
カウンシルは、新たな「地域アルコール方針(Local Alcohol Policy、以下LAP)」を採択した。これはアルコール関連の害を減らすためのもので、対象はクライストチャーチ市とバンクス半島となる。主な内容は、(1)すべての酒類販売店(ボトルショップやスーパーなど)は10月から毎日午後9時までに販売を終了すること、(2)8月から生活困窮地域での新規酒類販売免許の発行を凍結すること、(3)同じく8月から、依存症治療施設や学校、カンタベリー大学、バスインターチェンジの近くでの新規ボトルショップ開設を制限すること、の3点だ。市長のフィル・メイジャー(Phil Mauger)氏は、「これは様々な立場の人々との意見交換を重ねた結果であり、地域の健全さを保ちつつ、住民の安全と福祉を優先する政策である」と述べている。LAPは市区内全域または一部地域に適用され、6年以内に見直される。

クライストチャーチをより歩行者に優しい街にするために
クライストチャーチを「真に歩きやすい街」にするにはどうすればよいかを考えるイベント「歩きやすいオタウタヒへのステップ(Steps to a Walkable Ōtautahi)」が、7月15日(火)にトゥランガ(Tūranga)図書館で開催された。イベントでは、交通エンジニアや公衆衛生専門の医師などの専門家によるプレゼンテーションやパネルディスカッション、質疑応答が行われた。クライストチャーチでの歩行の利点と阻害要因や改善策についての議論がなされ、市全体の暮らしやすさ向上せるために何ができるかが問われた。最近の研究によると、歩行性の向上は、幸福度の上昇、二酸化炭素排出の削減、健康の改善、地域経済の活性化、インフラコストの削減など多くの利点があるとされている。市の持続可能性基金の支援を受け、建築と都市づくりを考える団体「テ・プタヒ(Te Pūtahi)」が主催した。

バンクス半島の雨水管理の改善
カウンシルは、バンクス半島の雨水管理を改善するための計画を承認した。バンクス半島の集水域は生態学的に重要だが、流域には100以上の小川が存在し、都市活動による水質への影響が懸念されてきた。この計画では24の都市集落での雨水の汚染を減らし、排出を段階的に改善することを目指している。計画には、河川の修復、雨水処理装置の設置、開発現場での浸食防止の強化などが含まれ、この計画により汚染物質の影響が軽減され、生物多様性や水に関する文化的価値の保護にもつながるとしている。この計画は、2019年にカンタベリー環境局(Environment Canterbury)から発行された包括的雨水排出許可(CSNDC)の要件を満たすもので、テ・パタカ・オ・ラカイハウトゥ・バンクス半島コミュニティ委員会(Te Pataka o Rākaihautū Banks Peninsula Community Board)の会議で承認された。

情報提供:Auckland City Council / Christchurch City Council / Wellington City Council