ニュージーランド: 暖冬の記録を更新

NIWA(国立大気水圏研究所)の発表によれば、6月から8月の気温は、平均気温よりも1.32度高く、1909年からの観測史上で最も暖かい冬となった。同じく平均より1.14度高くて観測史上最高だった昨年の暖冬記録を2年連続で更新したことになる。今年の冬の最高気温は、アカロアとオラリで記録した23.0度、最低気温はテカポのマイナス9.1度だった。

この暖冬の原因について、NIWAの気象学者ナバ・フェダエフ氏は、「気候変動と気候パターンの両面が考えられる」と指摘した。温暖化の要因とされる大気中の二酸化炭素濃度は、ウェリントンのバーリング岬で1970年代の観測値は320ppmだったが、現在は同412ppmに増えているという。

また、やはり記録的な暖冬となった1970年代初頭と同様の気象パターン、つまりラニーニャ現象による海水温の上昇や暖かい北東風が吹きやすくなったことも要因だとしている。この70年初頭の暖冬記録は、近年の暖冬記録にとって代わられ。今では歴代13位以下になっている。記録的な暖冬の上位10例うち、7例は2000年以降に起こっている。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が8月9日に公表した第6次評価報告書では、気温の上昇によって豪雨や洪水や干ばつなど「以前は100年に1度だけ起きていた現象が、今世紀半ばには10年に1、2回は起きるようになる。」と警告している。

参照:NIWA https://niwa.co.nz/news/its-the-warmest-winter-on-record-again