【WEB限定スペシャルインタビュー】女優・フリーダイバー福本幸子さん

Pacific MotherLIFESTYLE

ポジティブなお産に挑む、海と女性たちの物語を世界に発信

女優・フリーダイバーとしてグローバルに活動する福本幸子さん。2019年にパートナーの故郷ニュージーランドで、自宅での水中出産を経験。その様子を綴った短編ドキュメンタリー『Water Baby』は800万回以上再生され、数々の映画賞に輝きました。今年、第2子出産のために再びこの国に滞在中の幸子さんに、出産先進国といわれるニュージーランドのシステムと、続編となる日本&NZ合作の長編映画『Pacific Mother』についてお話を伺いました。

NZでは助産師のサポートのもと、母親主体のお産が行われる

お産場所にNZを選んだ経緯を教えてください。

第1子の長女を妊娠した当初は、海中出産や地元沖縄でなるべく自然に近い形でお産したいと考えていました。しかし、高齢出産ということもあってそれが叶いそうもなく、悩んでいた時、多くの助産師さんからNZでの出産を薦められたのです。NZには助産師主導で妊娠・出産を継続的にケアするLMC制度(Lead Maternity Care)があると知り、NZで産もうと決めました。結果として最高のお産ができたので、第2子も絶対にNZで産みたいと思ったのです。

LMC制度やNZのお産事情はどのように優れていると思いますか?

西洋医学ではお産は安全第一。また、病院のシステムもあってさまざまな決まりや制約が存在します。もちろんそれは必要なことですが、NZで助産師さんと話をした時、私が投げかけたすべての質問に「あなたはどうしたいの?あなたのお産だからあなたがしたいようにしましょう」と答えてくれたのです。母親主体にお産を考え、あらゆる選択肢を与えてくれることに感動しました。また、ずっと同じ助産師さんがサポートしてくれるので、信頼関係が築ける点も素晴らしいと思います。

お産にはさまざまな選択肢があることを伝えたい

映画『Pacific Mother』制作のきっかけを教えてください。

前作『Water Baby』をリリースした後、世界中の女性たちから多くの反響をいただき、お産に関して制約があるのは日本だけではないということを知りました。私はLMC制度の素晴らしさを、身をもって体験したので、世界中の母親にお産の方法には選択肢があることを伝えたい。また、広い意味で私たち全員を生み出した母親である“海”の物語も描きたいと考えました。

『Water Baby』

『Pacific Mother』にはどのような母親たちが登場しますか?

前回に引き続き、私が主人公を務めるほか、ハワイ、タヒチ、クック諸島、日本といった太平洋諸島各地で、海とともに生きる女性たちのバースストーリーを紹介します。タヒチの自宅前にあるラグーンで出産したアーティスト、自然分娩を望んでいたけれど最終的に帝王切開を選んだハワイのプロスピアフィッシャーなど、物語はさまざま。みんな、とても幸せでポジティブなお産を体験しています。

『Pacific Mother』のリリースはいつ頃ですか?

2022年9月頃を目指しています。現在、制作に向けてフラウドファンディングを行っているので、ぜひチェックしてみてください。

福本幸子
福本幸子
女優・フリーダイバー

沖縄県出身。13歳でモデルとして芸能活動をスタート。広告、ランウェイの他に、ラジオ、作曲、執筆と幅広くグローバルに活動。渡航国40カ国以上。近年は女優業に加え、監督として水中映像制作に携わる。パートナーはニュージーランド出身のフリーダイバー、ウィリアム・トゥルブリッジ氏。

【instagram】instagram.com/okinawajudy/

取材・文 Miko Grooby