独立を目指して資金集めに奮闘中の雇われシェフ。ビジネスを開業するにあたり、必要なステップは?

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「困ったときの法律駆け込み寺」日本とは勝手が違い、戸惑うことも多いニュージーランドの法律。現役弁護士がお答えします。

2018年07月号掲載

Q. 現在、独立を目指して資金集めに奮闘中の雇われシェフです。
レストランを開店することを念頭に置いていますが、異国の地でまず何から始めていいのか分かりません。ビジネスを開業するにあたり、必要なステップを教えてください。

ニュージーランドで何かビジネスを始める場合、まず法人登録を行い会社を設立することをおすすめします。会社や店の開業には場所が必要となりますが、物件を購入するよりも、大家とリース契約するのが一般的です。また、飲食業の場合は既存ビジネスを購入し、既存設備を引き継ぐことが多いようです。

ビジネスの売買を行う場合、買い手側と売り手側の2者間でのビジネス売買契約書を交わす必要があります。契約書には、購入金額とその内訳としてビジネス売買に関連した物品(機械や車両など)の有形固定資産(Tangible assets)と商標権などの無形固定資産(Intangible assets)が記載されています。契約書の大事な点として、この契約が成立するための条件が明記されており、弁護士は主にここを確認します。

注意が必要な点は、売り手のビジネスオーナーは、店舗物件を大家からリースしていることが多いため、大家は書い手である新しいテナントを審査し、拒否する権利を持っています。会社を立ち上げたばかりで会計書類を提出できないテナントには、多額の預かり金を要求してくる場合があります。

大家からのリース許可がでると、売り手が契約をしているリースを『Deed of Assignment of Lease』という書類でリースの権利を引継ぎます。そこで元になるリースの権利書(Deed of Lease)にて、十分なリース期間が残っているかどうかを確認しておく必要があります。例えば、引継ぐリースが残り1年しか残っていなければ、リース終了後に大家が新しくリースを延長してもらえないというリスクを負います。反対に、『Right of Renewal』というテナントがリース更新のできる権利が長く付いていれば、このリスクが軽減されます。ビジネス売買契約書の中で、さらなるRight of Renewalを事前に要求しておくこともできます。

ビジネスは一人ではできませんから人を雇う必要があります。この場合には、雇用法やワークビザについての知識が必要となります。このように、ニュージーランドでビジネスを成功させるためにはいくつもの法律知識が関わってきます。

弁護士 西村純一
弁護士
Junichi Nishimura
西村純一

ローズバンク法律事務所代表弁護士。オークランド大学法学部を卒業し、ニュージーランドで初の日本人弁護士となる。

Rosebank Law Barrister & Solicitor
【所】Level 1, 527B Rosebank Rd., Avondale, Auckland
【Ph】09-820-0154
【営】9: 00~17: 00【休】土・日曜
【Web】www.rosebanklaw.co.nz


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※本記事はあくまでも法律情報の提供を目的としており、法律アドバイスとして利用いただくためのものではありません。

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