植物なりの、日差しよけの裏技⁉

園芸家が見つけた季節のたより 花と野菜と庭とLIFESTYLE

2022年2月号掲載

突然ですが、皆さんは暑さやさすような日差しをどのようにしのいでいますか? 海や川、プールの冷たい水で体を冷やす? 木陰に入ったり帽子をかぶって直射を避ける? 冷たいジュースやアイスを食べて体温を下げる? 特に南半球の熱い日差しは、時として本当に危険レベルです。

さて、動けない植物。どうしているのでしょう。そもそも植物って動かないのかしら!? もちろん歩いてどこかに行くことはないけれど、実は環境に合わせて動いています。でも、急激な太陽光線を避ける技なんて、と思ったあなた。あるんです。その名も「葉の調位運動」。日差しからヒョイっと葉の向きをずらして強すぎる日差しを避けるという運動をそう言います。

我が家のカラテア(Calathea Rufibarba)。強い日差しの下に置くと葉を閉じます。

日本の山々を覆っているクズの葉やツユクサは有名ですが、ピーナッツやインゲンなどの豆科もこの動きをする植物が多くあります。葉をペタンと折り曲げたり、くるっと丸めたり植物によって色々な動きをします。観葉植物のカラテアも、普段開いている葉っぱが30分ほど日に当たると葉が閉じたようになって、葉裏の赤紫が見えてきます。

すべての植物がこれをするわけではないけれど、ほかにも夜になると葉や花を閉じ、明るくなるとそれを広げる睡眠運動をする植物は知っている人もいるでしょう。植物って本当に賢い生き物です。さて、私はと言えば、長袖長ズボンにツバの広い帽子で日差しよけ。真夏はこれに尽きます。日差しよけはもちろんだけど虫よけにもなります。ガーデニングする時には水分補給も忘れずに!

Naomiさんとネコ先生
Naomi Goto Garrett
五嶋ガレット直美

日本でガーデンデザイナー、イラストレーターとして活動。
園芸雑誌や新聞へのコラム執筆、デザイナー向け講演も行う。
現在クライストチャーチ近郊に在住。

【ブログ】naomigarden8.com