Good Kiwi Tucker! vol.200 今年もまだまだ極めます?真夏に冬のクリスマスケーキ

Good Kiwi Tucker! GOURMET

2022年12月号掲載

真夏のクリスマスってなんか慣れない〜!と言い続けて、いったい何年経つことか。今年もまた夏がきて、あともう少しでクリスマス。まあ、クリスマスだと思いさえしなければ、ただただ太陽サンサンの季節に合わせてバーベキューでもやって、サラダには夏の野菜をいっぱい入れるし、デザートもつみたてのベリーとかチェリーでいいじゃない?というところ…なのに、やっぱりクリスマスを意識すると、こんなふつうの夏のパーティじゃまるで雰囲気がでない。せめてクリスマスには、ちゃんとしたごちそうとケーキがないことには!しかもそれをアカアカと燃える暖炉の前で食べて、外は雪景色なのが本式じゃないか…なんて、大昔にイギリスから渡ってきたキーウィのご先祖サマたちも思ったのだろうか。たとえこの国の 月が夏でも、クリスマスにイギリス風の骨つきハムの一本まるまる焼いたのや、ずっしりしたフルーツケーキを食べる習慣は今でも残っていて、それを用意するのが当たり前になっている。ハムもフルーツケーキも、保存がきいてオーブンで何時間も焼くものだから、なーんにも新鮮なものが手に入らない北半球の冬の味だけど…。もはや生まれも育ちもニュージーランドで冬のクリスマスを経験したことがない人ですら、料理の冬っぽさに文句を言う人の方が少ないと思う。

かくいうわたしも、毎年そのド冬バージョンのごちそうをがんばって作っている。特にクリスマスケーキは、年に一回しか作らないのでなかなかパーフェクトなものが出来ず、じわじわと翌年に課題を持ち越しつつ現在に至る。去年は、フルーツケーキそのものはほぼ完成に近づいたと思う。問題はその先のデコレーションである。クリスマスケーキというと、分厚いお砂糖のアイシングをかぶせるのが一般的だけれど、前回はあえてちがうパターンで、ドライフルーツを敷きつめてジャムでつやを出す、というのをやってみたかった。

真夏だよ クリスマス!
イラスト リカ

それで、がんばりついでにオレンジやキーウィフルーツを自分でオーブンでドライにして、よりカラフルにしようなんて欲を出したのがあだになった。なぜか、出来上がったのは茶色〜い何か(フルーツでしょ の干物 で、とてもじゃないけど飾りにはならず…。不本意ながら出来合いの赤と緑のグレース・チェリーをのせて、むりやりクリスマス感を出すだけに終わってしまった。いや、それだってちゃんとキラキラしていたし、失敗には見えないものに仕上がったが、自分の中では納得いかなかった、というのが本音かもしれない。本当はもっと、見た目にときめき、味におどろきみたいなのが欲しかった。あの、みんなが好きで(わたしはそうでもない アイシングの上を行くデコレーションを極めたかったァァ!

というわけで、毎年勝手にハードルを上げながら、今年も時間をかけてクリスマスの支度をしている。約1年かけて漬け込んだドライフルーツをこれでもかと入れ、 時間かかってケーキは焼けた。これからクリスマスまで、少しずつブランデーをかけながら熟成させていく。勝負のトッピングはまだイメトレの最中だけれど、去年よりもキラッキラでカラフル〜になる予定。あっ、クリスマスの日には、フレッシュなフルーツたっぷりのパブロヴァか何かも作るから、夏、冬両方のごちそうをダブルで食べよう!この国のクリスマスは、雪景色の風情はないけど食いしん坊にはオトクなのだ!

*Tuckerとはキーウィ独特の言葉で、「食べ物」というよりは「お腹に詰め込むもの」という意味

マツザキ リカ

ニュージーランド在住26年。クライストチャーチを拠点に暮らし、心も体も豊かにするキーウィフードの探求に余念がない。おいしいものも不思議なものも、いただきます!

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