Vol.008 キクイモとリークの和風ポタージュ・スープ

ニュージーランドの食材で作れる!アオテアロアの恵みレシピ!GOURMET


キクイモ Jerusalem artichoke

身体に嬉しい栄養素や効能

晩秋から冬にニュージーランドでも出回るJerusalem artichoke (日本名:キクイモ)はまるで生姜のような姿。原産は北米で、ヨーロッパ・アジア・オセアニアでも広く栽培されています。秋に菊に似た花を咲かせ、開花後に塊茎が肥大化して晩秋の霜が降りる時期にその塊茎が収穫されます。

塊茎に含まれる主成分は炭水化物ですが、他の芋類と異なりデンプンはほどんどなく、大部分がイヌリンを含む食物繊維であり含有量は晩秋のころに最高となります。イヌリンはキク科植物(キクイモ・ゴボウ・チコリなど)に特有の貯蔵多糖類で、糖の吸収を抑制し血糖値の上昇を抑える働きがあり、糖尿病予防に効果的です。また、善玉菌を増やし、老廃物の排出を促すため、腸内の環境を整える効果も持っています。

楽しみ方はいろいろ、今回はクリーミーで温かく

キクイモは生食も可能で、サラダに加えたり浅漬けや味噌漬けなどでサクサクした歯ざわりを愉しめます。加熱するとホクホクした食感になり、同じキク科のゴボウにも似た滋味深い香りがあるので、豚汁・けんちん汁などの煮物・汁物や、チップス・天ぷらなどの揚物の具材にと重宝します。

温かいスープが嬉しい季節、キクイモ同様、この時期に美味しいリークもスープ食材として活躍します。両方の食材をオイルで炒めてコクが出たところへ昆布だし(または野菜だし)で煮込み、ブレンダーでクリーミーな食感にします。白味噌と豆乳でまろやかに仕上げてください。

キクイモとリークの和風ポタージュ・スープ

材料

キクイモ:300g
リーク(白い部分):200g
オリーブオイル:大さじ1
昆布水:350ml(又は水350ml+昆布だしか野菜だしの粉末小さじ1/4を合わせる)
塩:小さじ1/4
白味噌:大さじ2~3(味噌の塩気により調節してください)
豆乳:250ml(牛乳などほかのミルクでも代用可)
浮き実(お好みのもの):適量

作り方

❶キクイモはタワシ等で洗い、皮つきのまま1cm幅に切る。リークは5mm幅にスライスする。

❷オリーブオイルを熱した鍋に、リーク、キクイモを入れて3分ほど炒める。昆布水と塩を加え、キクイモがやわらかくなるまで煮る。

❸白味噌を加え、ブレンダー又はミキサーで攪拌する。(あればハンドブレンダーがお手軽です)

❹滑らかになったら豆乳を加えて味を整え、ゆっくり火にかけて温める。(沸騰させると風味が飛び、豆乳が分離するので注意)

❺器によそい、お好みの浮き実をのせる。

*ポタージュ・スープは、浮き実があると魅力的な見た目になり、また食感の変化も楽しめます。クルトンやハーブ類、カリッと炒めたベーコンビッツや刻んだローストナッツも美味しいです。写真では、マッシュルーム・刻みネギ・銀杏を一緒にのせました。

佐々木由美
佐々木由美さん
料理家

ワナカでローカル向けの和食料理教室を毎月開催して今年で12年目。地元だけでなく北島・南島からの参加者もいる教室は今やワナカのアクティビティの1つに。NZの旬を取り入れ、日本の文化や風習とともに紹介する季節のレシピを軸に、遊び心ある融合スタイルも提案。ベジタリアン・オプションやグルテン・フリーにも対応。宿・ささの木も経営する。

【Web】japanesedinnertable.blog.fc2.com
【FB】Japanese cuisine cooking class @wanaka
【IG】yumi.matcha.wanaka

 2023年5月号掲載