憧れの職業に再挑戦!子育てのために2009年にニュージーランドに移住したHirokoさんは、日本での新卒採用でご縁が無かったキャビンアテンダント(CA)のキャリアを一度諦めた経験を持つ。しかし子育てが一区切りしたタイミングで過去の夢への再度の挑戦を決意、見事結果を出した。現在は憧れのニュージーランド航空・国際中長距離線のチームで乗務するCAとして活躍している。未経験からの挑戦で採用を勝ち取った、就職活動の方法とは?!求められる意外な応募条件や、レイオーバー(ステイ先の滞在)があるトリップでCAが現地ですることなど、ここだけの話もたっぷりご紹介する。
タイトル写真:新人研修のクラスメイトたちと、マラエで行われたポーフィリ(マオリの歓迎行事)にて
Q. ニュージーランドへ来たきっかけは何ですか?
2001年、日本に住んでいたニュージーランド人の元パートナーとの間に子どもができたのをきっかけに、妊娠中に初めてニュージーランドを訪れました。
滞在中、パートナーと二人で外出をしました。乗っていたのは左ハンドルのマニュアル車です。駐車場が混んでいたので道路で待っていましたが、彼は用事を急いで済まそうと私を一人車に置いて行きました。でもしばらく経っても彼は帰ってこず、そのうち駐車スペースも空き、後ろで待っている車もあったので、しょうがなく私が車を動かすことにしました。
日本ではマニュアルで運転免許を取っていたのですが、初めて動かす左ハンドルの車に戸惑ってしまい、そのうち後ろの車からクラクションも鳴らされ、焦りがMAXに。アクセルとクラッチがわからず車がバスンバスンと音を立て始めました。
すると、それを見ていた通行人の男性が4人ほど駆け寄って、なんと車を押して駐車スペースまで入れてくれたのです。後から帰ってきた彼は、こっぴどく叱られてましたね(笑)。
その時の人の優しさと、自然に囲まれたニュージーランドののびのびとした環境に感動し、子どもを育てるのはニュージーランドだと決めて日本に帰りました。
その後しばらくは日本で子育てしていたのですが、子どもが小学校に入学するタイミングでニュージーランドに戻っていた父親のところに送り、私はその後の2009年にニュージーランドに来ました。

Q. ニュージーランドに来る前はどんなお仕事をされていましたか?
実は私は昔からCAになりたかったのですが、新卒で受けたいくつかの国内航空会社と外資系航空会社とはご縁がなく、大学卒業後は、母に勧められたIT業界でSEになりました。その後何度か転職をし、最終的にはグローバル企業でプロジェクトマネージャーをしていました。
その会社はニュージーランドにもオフィスがあったのですが、渡航したすぐ後にはスムーズにオフィスを移ることはできず、オークランドにある日本人経営のお店で働くことになりました。そこでお世話になっている間に永住権を取り、転職活動をしていたところ、元の上司が声をかけてくれてプロジェクトマネージャーとして復職をしました。
CAに転職をしたのは、コロナ禍が落ち着きCAの再雇用が始まった2022年です。40代後半でした。子どもの父親とは別れシングルマザーとして子育てしていましたが、ちょうど子どもが成人する時期だったのと、ステイホーム中にこれからの人生について考える時間があったので、「昔やってみたかったけど途中で諦めたことを、これからはやっていこう」と決めたことがきっかけでした。
Q. CAの仕事内容について教えてください。
CAの仕事時間は、フライトによって違います。まだ日も昇らない早朝に空港に集合することもありますし、遅いフライトでは夜10時過ぎに集合し、夜通し働くこともあります。
一番長いフライト時間は17時間程度で、ミーティングやキャビンでお客様を迎え入れる準備の時間を足すとそれ以上になりますが、その間ずっと働き通しなわけではなく、機内サービスの間に交代で横になって休憩を取ることができます。
この休憩中に眠ることができるか、また次の仕事までにいかに前のフライトの疲れを取り、体調を整えることができるかが、よいパフォーマンスで仕事ができるかどうかの鍵となります。体調管理もCAの大事な仕事の一つです。
レイオーバー(ステイ先の滞在)があるトリップに出た時のCAは、皆さんは現地でおいしいものを食べて、観光して、買い物をして、と楽しんでいると思われているかもしれません。ですが意外と、空腹を満たしたらあとはホテルでのんびりしている、というクルーも多いんですよ。
仕事内容については、私たちはお客様に食事や飲み物のサービスをするだけではなく、機材ごとに違うオペレーション、具合が悪くなったお客様へのファーストエイド、安全な運行を維持するためのセキュリティー、緊急避難をはじめとした非常時の対応など、機内で何が起きても適切に対処できるようこれらに精通していなければなりません。
これらに関するトレーニングは毎年行われ、たとえ何十年もCAの仕事をしていても、テストに合格できなければ乗務資格が取り消されるというシビアなものです。でも厳しいトレーニングをパスしたクルーが乗務するからこそ、お客様に安心して飛行機に乗っていただけると思っています。
年間を通して忙しくなるのは、スクールホリデイ、クリスマス前からお正月明け、そして日本のゴールデンウィークの時期ですね。世間一般の方がお休みの期間は、航空業界の人々は忙しく働いています。
こうして書くと、CAの仕事はとても忙しいように見えるかもしれません。でも、私が働くニュージーランド航空では有給休暇が一般の企業よりも多いので、お休みはしっかりもらえていると思います。
Q. ニュージーランドでの仕事はどのように探しましたか?
ニュージーランドでCAになるために就活した時のことをお話しします。まず求人情報に関しては、TrademeやSEEKなどの求人サイトも見ましたが、行きたい会社から直接情報を得るのが一番確実だと感じました。
会社によっては、キャビンクルーの求人を知らせてくれるようにメールアドレスを登録しておける場合もあります。募集が出たらすぐに応募できるよう、CVとカバーレターは事前に準備しておきました。
CVに関しては、見出しなどにその会社のカンパニーカラーを使って担当者の目を引くように工夫しました。ここに自分の学歴、職歴、語学力などを書くわけですが、職歴に関しては私はオフィスワークが長かったので、サービス業の経験もアピールするため学生時代にしたアルバイトも追加しました。ボランティアの経験がある場合も書いた方がよいかと思います。CAの募集要項に条件がある場合(例えば、就労できるビザがあるかなど)もCVに書きました。
カバーレターは、CVに書ききれなかったけれど伝えたい事、たとえばなぜその会社で働きたいのか、サービス業とオフィスワークではそれぞれ何を学んだか、それをCAという仕事にどう活かせるのか、自分の性格がCAの仕事にどう合うのか、などについて書きました。
CAの応募に必要な書類で他の業界と違うのは、自分の写真を提出することでしょうか。第一印象が大切な仕事なので、日本の履歴書に使うような真面目な顔の写真ではなく、笑顔で良い印象を与える顔写真を使いました。全身写真は、先輩のアドバイスを聞きシンプルで清潔感がある服装にしました。
また、面接の想定問答を事前に練っておきました。聞かれそうな質問に関しては、CAの先輩に聞いたり、YouTubeで日本語・英語問わず情報をたくさん集めました。海外の企業面接では、CAの面接に限らず「こういう場合、あなたはどのように対処しましたか」という行動ベースの質問が多いと知ったので、過去の自分の経験を基にいくつも質問を用意し、スラスラ答えられるように練習しました。その結果、その想定問答集は18ページにもなってしまいました。
同時に、体力作りにも精を入れました。ある一定の基準で泳げるかどうかも応募条件の一つだったからです。もともと水泳はできたのですが、一週間に何度か市民プールに通い、コロナ中に落ちた体力を戻す努力をしました。
その結果、いくつかの航空会社に応募した中で一番働きたかったニュージーランド航空でCAとして採用されることとなりました。私の場合はまず、Short Haul(ショートホール)と呼ばれる短距離線から飛び始め、現在はWide Body(ワイドボディー)と呼ばれる国際中長距離線のチームで乗務しています。
CA受験をする際にお世話になった先輩と、最初にいた短距離線チームでの日本人クルーの先輩方には、航空業界の右も左もわからない中、本当にいろいろ教えていただきました。今でも感謝で頭が上がりません。
Q.ニュージーランドでCAとして働くために必要な資格、あった方がいい経験などがあれば教えてください。
それぞれの航空会社でCAへの応募条件は違いますが、ニュージーランド航空ではニュージーランドに市民権または永住権を持っていることが必要です。私の場合は幸いなことに永住権を取得しており、他のすべての条件も満たしていました。
英語を読む・話す・理解する能力も必要ですが、正式な資格は必要ありません。でも、私は過去にいくつかの英語能力判定試験を受けていたので、一応そのスコアをCVに書きました。英語で行われるいくつもの面接や認知テストをなんとかパスし、晴れて採用となった訳ですが、航空業界用語など覚える事が多すぎて、英語のネイティブスピーカーでも泣き出すような新人研修をすべて英語でこなすのは、本当に大変でした。
エンジン音がうるさい機内で忙しくサービスをする中、チームでうまく仕事をこなすためには、英語での的確なコミュニケーション力が必須です。なので、英語力は乗務を始めてからかなり鍛えられましたね。今でも毎回のフライトで、こういう言い方があるんだ、次は真似してみよう、という勉強の連続です。
フライトの度に国籍や文化の異なるクルー、またお客様もさまざまな国籍の方々が搭乗されるので、過去にグローバル企業で世界中の人々と仕事をした経験が、文化の違いを理解する事に役に立っていると思います。
また、お客様ごとに違う理由で飛行機に乗って来られます。ビジネスが目的で乗られている方もいれば、新婚旅行でハッピーなカップルや、身の周りに不幸があって乗られている方もいらっしゃいます。それぞれのお客様の背景に共感するために、今までの人生経験が役に立っていると感じる時も多々あります。
Q. CAとして働くうえで、日本人であることのメリットを感じることはありますか?
CAの業務をするうえで日本人であることのメリットを一番感じるのは、やはり日本ーニュージーランド便に乗務した時ですね。日本語で機内アナウンスをしたり、英語があまり得意でない日本人のお客様や、日本語を話せないクルーのアシストをしたりと私たち日本人クルーは引っ張りだこです。
やはり日本のサービスの質は他の国よりも格段に良いので、乗って来られる日本人のお客様は同等のサービスやマナーを期待されている方も多いです。日本人が望むサービスの質を同僚のクルーに教えてあげるのも、私たち日本人クルーの役目の一つです。
また、ニュージーランドに観光に来たお客様にはニュージーランドの良いところ、日本に観光に行くお客様には日本の良いところをそれぞれ教えて差し上げられるのも楽しい点ですね。
日本人クルーはチームの秩序を守り、テキパキと、そして几帳面にCAの仕事をこなす人が多い印象です。でも同時に、今まで出会った日本人以外のクルーに関しても、シゴデキなスーパークルーがたくさんいる事にも驚いています。
Q. 「ニュージーランドで働く」ならではの楽しさや魅力、やりがいについて教えてください。
以前プロジェクトマネージャーをしていた時に経験したのですが、多様な国籍の社員がいたので、中国の旧正月やインドのディワリ、またマオリのマタリキなどに合わせてそれぞれの民族衣装を着たり、その国の料理を持ち寄ってランチしたりなどのイベントがあって楽しかったですね。
その会社はビーチが目の前だったので、オフィスの窓から海を見ながら仕事をして、ランチは同僚とビーチで食べることもよくありました。オフィスが入っているビルにシャワーがあったため、夏になるとランチタイムに海でひと泳ぎする同僚もいたり、中にはシーカヤックで通勤してくる強者もいました(笑)。オフィスの目の前にニュージーランド海軍の潜水艦が通ったり、アメリカズカップ開催中のヨット、そしてシャチが見えたこともあります。
オフィスで働いていた時も、そしてCAとして働く今も思うのは、ニュージーランドの美しい自然に囲まれながら仕事ができるのは本当に贅沢だということ。恵まれた環境にいられることに、感謝の気持ちが湧いてきます。東京で昔、満員電車でぎゅうぎゅうに押され、深い地下鉄のホームから人の波に乗りエスカレーターを上がっていた頃からは、真逆の生活となりました。

また、私が40代後半でオフィスワークから全くの異業種であるCAに転職をしよう、と決心できたのは、ニュージーランド航空ではダイバーシティーを尊重しており、年齢、国籍、ジェンダー、体型など背景がさまざまなクルーを採用していると知ったからです。
私は最初「自分がCAになるには年齢が行き過ぎている」と思い込んでいたので、ニュージーランド航空では年齢があまり大きな問題ではないと知ったことが、転職を足踏みしていた状態から大きな一歩を踏み出すきっかけとなりました。
実際、私が一緒に新人研修を受けたクラスメイトには60代の人たちもいました。ニュージーランドでは歳を重ねた後の転職はマイナスではなく、むしろ今まで積んだ経験を活かせるので、逆にプラスになると捉えられているのだと感じます。
年齢以外にも、身長や体型、ジェンダーなどの多様性を持ったクルーがたくさんいます。まさにさまざまな人たちを受け入れるニュージーランドの文化を体現している会社だと思いますし、私はこの会社、そしてニュージーランドのそういう文化がとても好きです。
Q.また反対に大変なことや難しいと感じる部分はありますか?
まず初めにプロジェクトマネージャーとして転職をした時は、やはり言葉の壁に苦労しましたね。その会社では日本人は私一人で、海外のチームとプロジェクトを回していかなければいけない立場だったので、プレッシャーも感じました。
ですが何年も仕事をこなすうちにだいぶ英語力も上がり、社内で優秀なプロジェクトとしてチームで表彰されたこともありました。
こちらに住んでいると、実は仕事で使う英語よりも同僚との日常会話の方が難しい、という声もよく耳にします。キウィは早口でモゴモゴと喋る人も多く、ニュージーランドならではの言葉遣いも多いからです。これは私も実際苦労しました。
でも仕事場の同僚と仲良くなり、プライベートでも会ったりチャットをしたりするうちに、自然とニュージーランド独特の言い回しにも慣れてきたように思います。特に仲がいい元同僚たちとは、前職を離れて何年も経つ今でも一緒に海外旅行に行ったり、数日ごとにチャットで会話する仲です。私の英語の間違いを笑い合ったり(笑)、ネイティブじゃない私の英語にも付き合ってくれて、彼らには感謝でいっぱいです。
あと一つ思うのは、ニュージーランドは公共交通機関が発達していないこと。通勤するのにバスは時間がかかるし、電車も本数がなく遅いです。オークランドのノースショアに至っては、電車も通っていません。
なので車を利用する人が多いのですが、結果ニュージーランドで一番大きい都市であるオークランドでは、朝と夕方、道路がとても渋滞します。私たちがせっかく払っている税金を、もっと公共交通機関の充実や渋滞の改善に使ってほしいとは思いますね。
Q. ニュージーランドと日本での働き方の違いなどはありますか?
キウィの働き方は、働く時にはしっかり働き、休む時にはしっかり休む。そしてフレキシブルだと思います。
プロジェクトマネージャーをしていた時に感じたことですが、日本のように残業するのはあまり良しとされず、逆に常に残業をしていると「仕事の効率が悪い人」と見なされる傾向があります。就業時間中に集中して効率的に仕事をし、契約書通りの時間になったらパッと帰る。そんな人が多いです。
私は昔、一人で仕事を背負いすぎてしまう悪い癖があったのですが、残業していることを上司に報告すると「他のチームメンバーに仕事を振れないか、仕事をもっと効率化できないか」と常に気にしてくれました。
もちろん、プロジェクトの期日が迫っていたり大きい責任を背負っている場合は、やむなく長時間働く人もたくさんいますが、クリスマスやスクールホリデイに1ー2週間のお休みを取ったり、中には1ヶ月お休みを取ってのんびりする人もいます。
また病欠も取りやすく、オフィスで少し咳をしていると「他の人に感染ったら困るから休みなよ」と言われたり、同じ理由で自主的に病欠を取る人も多いです。また、仕事で過度なストレスが溜まると、メンタルヘルスデーといってリラックスをするためだけにお休みを取る人もいました。
お休みしている間は多少なりとも他のチームメンバーの負担が増えるのですが、自分も休みを取る時があるのだからお互い様、という認識です。
また、朝早くにオフィスに来てまだ人が少ない時間に集中して仕事をし、夕方16時頃にさっと帰る、という人も多くいました。これには上記で書いた、渋滞を避けるためという目的もあります。
育児をしている場合、男性でも「子どもの送り迎えがあるから」と遅くオフィスに来たり早く出るのが当たり前です。でもそういう場合は、夜に自宅で仕事を続けたりとそれぞれ調整しているようです。
金曜日になると早めに仕事を切り上げ、オフィスのデッキで他のチームも交えて「今週も一週間お疲れさまでした!」とビールをプシュ!と開け、ワインで乾杯!していましたね。社員同士の親睦を深めるためにとの人事の配慮で、新人さん達がカートにビールなどの飲み物を乗せて各チームを周ってくれたこともありました。私は乾杯した後、仕事に戻ることがほとんどでしたが(笑)、これらは今でも楽しい思い出です。
常に周りの上司や同僚を気にしていた日本の仕事環境と比べたら、格段にニュージーランドの方が働きやすいと感じます。
CAの働き方に関していうと、ニュージーランド航空のCAは先輩後輩などの上下関係を気にする人は少数で、お客様にもクルーにもフレンドリーな人が多いように思います。
事実、ニュージーランド航空を利用されたお客様からも「クルーがフレンドリーだった」というフィードバックをよくいただきます。降機時のお見送りの時に何人からも「fantastic team!」というようなお言葉をいただくこともありますが、それはフライト中に笑顔のクルーとのやり取りがあったからだと思うのです。
また、キウィにとってクリスマスは家族で集まってごちそうを食べ、プレゼントを交換する皆楽しみにしているイベントなのですが、この時期の私たちクルーには制服と併せて、クリスマスのイヤリングを着けたりサンタハットを被ったりすることが許されています。
クルー専用のミールにはクリスマスミンスパイ(甘く煮詰めたドライフルーツが入った、クリスマス定番のスイーツ)が入っていたり、お客様からも「クリスマスに働いてくれてありがとう」というメッセージ付きのチョコレートをいただいたりなど、会社、私たちクルー、そしてクリスマスに移動しなければいけないお客様も皆で「クリスマスを楽しもう!」という雰囲気の中で乗務をするのはとても楽しいですね。常に満席で忙しいシーズンでもあるのですが、クリスマスにフライトが入るとウキウキします。


Q. オフの日や仕事終わりの過ごし方はどのような感じですか?
フライトが終わって帰ってきた後は体がクタクタに疲れているので、まず熱いシャワーを浴びて、体が必要とするまで寝ます。その後は、家にいない日も多いので、掃除と洗濯を一気に片付けます。常に家がシンプルに片付いていることで気分も落ち着き、ONの時間とOFFの時間を切り替えることができます。
まる一日お休みの日は、前の仕事をしていた時はよくビーチや森など、自然の中を歩きに行くのが好きでした。ビーチに行く時私は裸足で海水に触れ、森の中では「こんにちは~」と言いながら木を触って歩くのですが、そうすると仕事のストレスなどでもやもやする気持ちがスーッと軽くなります。
最近は、フライトの疲れを取るために家にいることが多くなり、たまに上記の「昔やってみたかったけど途中で諦めたこと」のひとつであるピアノを弾いています。子どもの頃エレクトーンを習っていて、当時は自分が好きではない曲でも練習しなければいけなかったのですが、大人になった今は好きな曲を気長に練習しています。自分でピアノの美しい音色を奏でることができるのはとても嬉しいです。
数年前からホロスコープを学んでいるので、友人や家族のリーディングをしたり、新月のリーディング記事をブログに書いたりもしています。星の位置と現実が噛み合った瞬間は、いつも不思議な感覚になります。
また最近、やっと気に入ったヨガスタジオを見つけたので、意識的にヨガに通うようにしています。レイオーバーの時は、余力があればステイ先のホテルのジムに行ったりプールで泳いだりもします。体力と筋肉を付けて、CAの仕事をできるだけ長く続けたいと思っています。

Q. 最後に、これからニュージーランドでCAとして働きたいと考えている方に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。
私は最初「歳を取りすぎているからCAにはなれない、諦めよう」と思っていましたが、詳しく調べてみたらそれは、自分の思い込みに過ぎなかったことがわかりました。今までのキャリアから方向転換をして、新たな分野に転職をする事に迷いましたが、今では動いてみて本当によかったと思っています。
ニュージーランドには、チャレンジする人を受け入れ、それまでのそれぞれの経験を尊重してくれる文化があります。あなたがもし何かをしてみたくても、気になることがあり動けない状況にいるならば、思い切って行動してみてください。そうすれば、後々大きな世界につながる小さな光が見つかるかもしれません。
CAという仕事で空から世界を見れるからこそ、知らなかった事を知り、出会える人たちがいます。また、「何年飛んでてもこの仕事が好き」という同僚たちと一緒に仕事をするのは、楽しいものです。
CAの応募条件を備え、人と接するのが好き、そして体力とガッツがある方だったら誰でもCAになれるチャンスがあります。もしご興味があれば、ぜひあなたもチャレンジしてみてください。



キャビンアテンダント (CA)/【Auckland】
Hirokoさん 
東京都出身。小さい頃に「CAになりたい」と思い、英語を学び始める。新卒でCAになることは叶わずIT~ウェブ~マーケティング業界を経験。2009年、子育てのためにニュージーランドへ。プロジェクトマネージャーをしていたが、子育てを終えた2022年に40代後半でCAに再挑戦。現在は、国際中長距離線を担当するニュージーランド航空のキャビンアテンダント。趣味は自然の中に行くこと、ピアノを弾くこと、ホロスコープ。渡航先でのステイ中は美術館や博物館に行くこと、生演奏を聴くこと、または美味しいものを食べることが好き。
取材・編集 GekkanNZ
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