日本の心を伝える教育現場

EDUCATION
教育ナビ!in New Zealand 教育のプロに聞くニュージーランドの今日事情をご紹介

当日本語補習学校には、幼稚園の年中組から中学3年生までの子どもたちが約200名通学しています。
「日本に帰った時に困らないように」、「日本に帰る予定はないが、日本語を学びたい」等、補習学校に通う理由はさまざまですが、それぞれが目的をもって、週1日から週3日ほど通っています。国語と算数が主な教科ですが、コースによっては理科や社会も学習しています。

日本の習慣を伝える難しさ

補習学校での教育目標は〝日本の心を伝える〞です。ニュージーランドで生活をしている子どもが、補習学校で過ごしていく中で、日本人としての自覚を持ち、自分が日本人であるということを誇りに思えるような教育活動を目指しています。子どもたちには、それを達成させるために、8つの生活目標を掲げて取り組んでいます。

①日本語で話そう。②時間を守ろう。③いい言葉遣いをしよう。④廊下は走らない。⑤おやつは座って食べよう。⑥顔を見て挨拶しよう。⑦姿勢を正そう。⑧出したら片付けよう。

①〜⑧までの合言葉はそれぞれの頭文字を取って『にじいろおかしだ』です。
 
現地校と日本の学校では、ずいぶん違いがあり、現地校で過ごす時間の多い子どもにとっては、補習学校に来る前に切り替えが必要です。ですが、やはりついつい英語で話をしてしまう子どももちらほらと見られます。そういう場合は、日本語の指導をしたり、日本語に限らず、「日本の学校だったらこうするよ」という習慣なども話します。例えば、消しゴムを投げて友だちに渡す子、机の上に座る子、裸足で歩いている子。
現地校では何も言われないかもしれませんが、日本人の感覚からすると、違和感を感じるかもしれません。日本での生活経験や学校経験が少ないと、知らないことが多々あるのは仕方がないことだと思います。ですので、『日本を知る』ことを目的に登校している子どもたちも少なくありません。周囲から聞くことや、自ら〝日本の習慣〞を体験することで日本の知識やマナーを得て、日本語だけでなく、日本文化を理解し、日本人としての礼儀が身につくよう指導しています。

オークランド 日本語補習学校
オークランド日本語補習学校

1972年11月より日本の外務省、文部科学省から認可され、在外教育施設として運営する日本語補修学校。火曜から土曜まで開校。

【所】One Tree Hill College内 421-451 Great South Rd., Penrose, Auckland
【Ph】09-526-4471
【E-mail】ajssnz@gmail.com
【Web】www.ajss.ac.nz



2018年7月号掲載