ニュージーランドニュース「総選挙、政権のゆくえは」ほか

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総選挙、政権のゆくえは

終盤を迎えた総選挙は、今月14日に大勢が決まる。複数の世論調査からは政権交代の可能性が浮かび上がっている。前回選挙では50%の得票で大勝した労働党の最近の支持率は30%を割り込んだ。一方、前回は得票率25.6%だった国民党の支持率は35%〜40%に回復している。実際の投票で民意がどうなるか注目される。いずれにしても単独過半数ではなく、グリーン党やACTとの連立政権となる可能性が高い。先月の世論調査ではNZファーストの支持率が5%に届き、議席を得る可能性が出てきた。マオリ党も選挙区での当選が確実視されており数議席を得ると予想される。選挙の結果によっては、これらの小党の数議席が政権の行方を決める展開になりそうだ。

選挙結果確定は11月3日

総選挙の期日は今月14日だが、すでに先月27日から海外居住者の在外投票が始まっている。10月2日からは期日前投票が始まるなど、有権者は最終判断の時を迎えている。投票できるのは1年以上の居住歴がある18歳以上の自国民か永住者で、有権者登録が済んでない場合でも申し出により特別投票をすることができる。10月14日は午前9時から午後7時まで国内各所で投票が行われた後、即日開票され、期日前投票分と合算した暫定結果が深夜に発表される。この結果には、在外投票や郵便投票、期限後登録などの特別投票分が含まれていない。従前の選挙では特別投票が全体の17%を占めており、2〜3議席の当落に影響する。最終結果は11月3日に発表される。

子宮頸がん検診変更

これまで3年毎に無料で受けられていた子宮頸がんの検診が、先月から5年毎が無料に変更された。ただし、マオリとパシフィカ、コミュニティサービスカード所持者、経過観察者の検査は常に無料だ。5年間隔になったのは検査の精度が上がったためで、同時に検体の採取も自己採取方式となり検査が受けやすくなった。ニュージーランドでは毎年およそ160人が子宮頸がんを発症し、そのうち約50人が死亡している。子宮頸がんは、ヒトパピローマウィルス(HPV)の感染が原因で発生することがわかっており、HPVワクチンの接種や定期検診が効果的であると推進されている。HPVワクチンの接種は、9歳から26歳(非居住者は18歳未満)まで無料で受けられる。

ラグビーW杯ABに試練

先月9日(現地8日)から始まったラグビーワールドカップ初戦で開催国のフランス代表と対戦したオールブラックスは、27対13で敗れた。3回の優勝歴を誇るオールブラックスが1次リーグで敗北したのは過去10回のW杯史上初めてのことで衝撃が走った。しかし第2戦の対ナミビア戦は71対3の大差で快勝した。9月中旬時点のオールブラックスの世界ランキングは4位で、3位はフランス、2位は南アフリカ、1位はアイルランドとなっている。ニュージーランドが属するプールAの順位は今月7日のフランス対イタリア戦の後で確定する。15日から始まるトーナメントに進むと、プールBの強豪である南アフリカかアイルランドと当たる可能性が高く、厳しい戦いが予想される。

Text:Kazzy Matsuzaki 

2023年10月号掲載