映画『HAPPYEND』
近未来の東京。大地震への不安が日常に漂う中、卒業を控えた高校生ユウタとコウは、ある夜、校長に悪戯を仕掛けたことから学校に監視システムが導入されてしまう。管理強化が進む学校と、暗い影を落とす社会情勢の中、2人の友情は次第に揺らぎ始める。
『HAPPYEND』は、青年たちの葛藤と分断を、震災への不安を背景に描いた青春ドラマ。『理由なき反抗』※1や台湾ニューシネマ※2に触発された世界観に、監督自身の記憶や政治的目覚めが重ねられ、友情と社会の不安が交錯する物語が展開する。
映画の舞台は東京だが、撮影は神戸で行われ、工業高校の生徒たちが撮影に協力。監督がこだわった光と影、揺れる照明や反射を活かした映像美が、物語に不安定な空気感を与えている。

監督・脚本:空 音央(そら・ねお)

『HAPPYEND』は、空音央監督による長編フィクション映画デビュー作。ニューヨークと東京を行き来しながら活動する映画作家・アーティスト・翻訳家として知られる空音監督は、父でもある作曲家の坂本龍一のコンサート映画『RYUICHI SAKAMOTO | OPUS』(2023)で注目を集め、ヴェネチア国際映画祭での上映を果たした。
これまでに短編作品『THE CHICKEN』(ロカルノ映画祭 2020)や『SUGAR GLASS BOTTLE』(インディ・メンフィス映画祭 2022/最優秀短編作品賞受賞)などを手がけ、2021年にはFilmmaker Magazineの「注目すべきインディペンデント映画作家25人」に選出された。
今年の New Zealand International Film Festival(NZIFF) では以下の日程で上映予定。
10月には全国公開も予定されている。
上映スケジュール(NZIFF)
8月4日(月)20:30 Academy Cinemas
8月9日(土)19:45 The Lido
8月13日(水)18:30 Lumière Cinemas (Bardot)
8月21日(木)11:45 Lumière Cinemas (Bardot)
8月19日(火)20:30 Light House Cinema Petone
8月21日(木)11:45 Light House Cinema Cuba
8月23日(土)10:30 Massey University National Academy of Screen Arts Cinema
8月28日(木)18:00 Rialto Cinemas Dunedin
【料金】一般26ドル、学生22ドル、シニア22ドル、子供19ドルなど
※1『理由なき反抗』
1955年公開のアメリカ映画。ジェームズ・ディーン主演、青春の反抗と孤独を描いた名作。
※2台湾ニューシネマ
1980年代の台湾映画運動。侯孝賢やエドワード・ヤンらが、社会や人間関係をリアルに描き世界的に注目された。