カウンシルニュース「南海岸の汚染物質の除去まもなく開始」&注目トピック

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フランクリンはゴミ袋からゴミ箱へ

6月30日から、オークランド南部のフランクリン(Franklin)地域では、ゴミ収集が固定資産税による運用(rates-funded)に変更され、有料ゴミ袋ではなく専用のゴミ箱の使用が始まる。7月第1週からの収集開始に伴い、6月3日から各家庭の道路沿いにゴミ箱の配布が開始される予定だ。ゴミ箱のサイズは3種類から選べ、サイズに応じて固定資産税の金額が決まる。未使用のオレンジ色の市指定ゴミ袋は、7月1日~8月31日の間にプケコヘ図書館(Pukekohe Library)やワイウク図書館(Waiuku Library)で返金を受けることが可能。農村部でも環境と安全性の観点からゴミ箱の使用が推奨されているが、困難な場合はゴミ袋の使用を申請できる。ゴミ袋は数に応じて課金額が変わる。この変更は地域全体で廃棄物を減らし、2040年のゼロ・ウェイスト達成を目指す取り組みの一環で、詳細はカウンシルの公式サイトで確認できる。

フランクリンはゴミ袋からゴミ箱へ
© Auckland City Council

「生活の質調査」地域・年齢・民族により大きな差

2024年に実施された「生活の質調査(Quality of Life survey)」の詳細な地域別結果が公表された。調査内容は住まいや交通、環境、健康、安全、気候変動などで、18歳以上の2,524人が回答した。調査によると、約75%の住民が生活の質を肯定的に評価したが、地域・年齢・民族により大きな差が見られた。生活満足度は、南オークランドの住民やマオリ・パシフィック系住民は低く、高齢者(65歳以上)は高い傾向にあった。住宅の金銭的負担感は全体に大きく、特に若年層、南東部の住民、アジア系住民で顕著だった。地域環境への満足度は北部・東部で高い傾向にあった。社会的つながりや心理的な支援体制は全体的に良好で、67%が「自分らしさが受け入れられている」と感じており、これは2022年から19%の増加。この調査結果は市の将来計画や政策に反映される。詳細は「Knowledge Auckland」サイトで閲覧可能。

「生活の質調査」地域・年齢・民族により大きな差
© Auckland City Council

嵐の影響を受けた土地の利用と復興

カウンシルは、2023年の嵐で被災した3,500戸の住宅の評価を完了し、今後は危険度が高い「カテゴリー3」の住宅約1,200戸の買い取りに注力する。すでに600戸以上を買い取っており、残りは2025年末までに買い上げが完了する予定だ。「カテゴリー3」の住宅用地は主に洪水対策や公共サービスに活用される予定だが、一部は安全に再利用可能であれば売却の可能性もある。市は2023年9月の住民意見を踏まえ、1,000億円超にのぼる費用や税負担の軽減も重視している。市長のウェイン・ブラウン氏は「税金で購入した土地の活用で住民への価値還元を図るべきだ」と述べ、経済的に適切な活用を重視する姿勢を示した。被害を受けた住宅の撤去作業は2027年末まで続き、利用決定まで市が土地を管理する。将来の災害に備えた取り組みも進行中で、住民の精神的支援や制度の見直しも実施されている。


カウンシルの新動物サービス運用開始

カウンシルは、3月31日からモア・ポイント動物シェルター(Moa Point Animal Shelter and Services)における動物サービスを強化した。新しい動物サービスは、動物福祉の向上、公衆の安全確保、責任あるペット飼育の促進を目的として改定された。主な変更点は以下の通り。

●動物シェルターは予約制となり、予約なしの訪問や犬の持ち込みは不可。捕獲された犬の引き取りには、動物管理官(animal control officer)との予約が必要。

●動物シェルターでの支払いはEFTPOS(電子決済)のみとなり、現金は使用不可。

●動物シェルターでは犬やペットの引き取り・再譲渡を今後受け付けない。代わりにウェリントンの他の保護施設/里親募集団体の利用が推奨されている。
この変更は市の登録済みの犬の飼い主13,346人に通知されるが、他の種類のペットや野生動物にも適用される。現在のサービス提供には追加費用は発生しない。詳しくは市の公式サイトで確認を。

モア・ポイント動物シェルター(Moa Point Animal Shelter and Services)における動物サービスを強化
© Wellington City Council

南海岸の汚染物質の除去まもなく開始

ウェリントン南海岸のテ・ラエカイハウ岬(Te Raekaihau Point)は、20世紀初頭の歴史的なゴミ処分場で、重金属、アスベスト、炭化水素などが地中最大2mの深さまで確認されている。過去に投棄された有害物質の除去作業が4月末に開始される予定だ。リスクは低いとされているが、高潮や海面上昇の影響を受けやすいため、除去に向け一時的な防護壁が設置される。作業中は立入禁止区域が設けられ、安全が確認されるまでバリケードや警告表示が維持される。作業前にはスキンク(skink)やゲッコー(gecko)などのトカゲ類が法律に基づき安全な場所に移され、約1,000m³の汚染物質が安全に南部埋立地へ運搬される。地元マオリのマナ・フェヌア(mana whenua、先住権益者)と協力し、土地を自然な状態へ回復させる計画で、固有種や生物多様性の回復も目指している。

南海岸の汚染物質の除去まもなく開始
© Wellington City Council

ウェリントン市内の漏水記録が減少

ウェリントン水道局(Wellington Water)は毎月、地域内の水漏れ修理件数を追跡しているが、2025年1月には件数が過去4年で最少となる月400件未満に減少した。これは、2024年1月の1,720件から75%以上の大幅減少となる。カウンシルからの追加投資により修理体制が強化され、低優先度の漏水にも早期対応が可能となった。これにより夏季の水不足のリスクも軽減されている。修理対応時間も大幅に短縮されており、緊急対応の到着時間は2.5時間から1.2時間に、緊急修理完了時間は13.56時間から3.63時間に、非緊急修理は45日から13日に短縮された。地下の見えにくい大規模漏水を優先的に修理することで、効率的かつ効果的な対応が実現している。この成果は、市からの資金提供と現場チームの努力によるものであり、過去5年間で最も優れた結果とされている。

ウェリントン市内の漏水記録が減少
© Wellington City Council

日本人映像作家のビデオアート展開催

4月12日から8月24日まで、アートギャラリーで8人の日本人現代映像作家による展覧会「Disruptive Landscapes: Contemporary art from Japan」が開催されている。この展示は、風景表現を通じて政治・文化・自然・テクノロジーなど多様な視点を探るもので、性や生物多様性といった日本の現代的課題も扱っている。キュレーターのメラニー・オリバー(Melanie Oliver)氏は、アジア・ニュージーランド財団(Asia New Zealand Foundation)と石橋財団の支援で行った日本での調査をもとに作品を選定。地主麻衣子(Jinushi Maiko)の「A Distant Duet」や小泉明郎(Koizumi Meiro)のVR作品「Prometheus the Firebringer」など、詩的かつ没入的な表現が特徴で、観客自身の解釈を促す。日本の現代映像アートがニュージーランドで紹介されるのは20年ぶりで、注目を集めている。入場無料。

日本人映像作家のビデオアート展開催
© Christchurch City Council

新スタジアムオープンまであと1年

市中心部テ・カハ(Te Kaha)で建設中の新スタジアム「ワン・ニュージーランド・スタジアム(One New Zealand Stadium)」は、2022年4月に着工され、総工費6億8,300万ドルのプロジェクトとして2026年4月の開業を予定している。これまでに約2,780人が従事し、170万時間の作業が行われた。スタジアムはスポーツ時に3万人、コンサート時には最大37,300人が収容可能。使用された資材は、32,700㎥のコンクリート、16,300トンの鉄鋼、600kmの電線など膨大だ。2026年にはラグビーのクルセイダーズ(Crusaders)やフェニックス(Phoenix)の試合、慈善イベントの開催が予定されている。市長のフィル・メイジャー氏は「市民の期待が高まっており、開業が待ちきれない」と語り、プロジェクトCEOのデイビッド・ケネディ(David Kennedy)氏は、予算内かつ予定通りの進行を誇っている。


オモキヒ・サウス図書館とサービスセンターの再建

市は、コロンボ・ストリート(Colombo Street)にあるオモキヒ・サウス図書館(Ōmōkihi South Library)とカスタマー・サービス・ハブの再建を開始する。施工はCook Brothers Constructionが担当する。まず既存の建物の内装を解体し、その後全面的な取り壊しを行う。取り壊し作業は7月末まで続くが、その後新施設の建設が始まり、2026年12月に新施設が開館する予定だ。新施設は図書館、サービス窓口、学習センター、カフェ、会議室などを備えた総工費3,200万ドルの複合施設となる。敷地内には地域住民向けのインフォメーションハブも設置され、進捗情報の提供や意見交換が可能となっている。工事中も、仮設図書館やサービス窓口、サウス・クライストチャーチ・ファーマーズ・マーケット(The South Christchurch Farmers’ Market)は引き続き運営される。

© Christchurch City Council

情報提供:Auckland City Council / Christchurch City Council / Wellington City Council

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